2012年1月24日火曜日

タツ年の年賀状

①竜を図案化(橘さん)

②同上(泉さん) 


 
③竜のペア(安藤さん)  


④同上(安達さん)


⑤竜の船(島崎さん)


⑥同上(村上さん)


⑦「龍」字を図案化(藤木さん)


⑧同上(林さん)


⑨「辰」字を図案化(布村さん)


⑩タツ年切手いろいろ(種谷さん)

⑪数字2012を竜の姿に(ワタナベさん)


タツのデザインいろいろ
ことしはタツ年ということで、タツにちなんだデザインの年賀状をたくさんいただきました。おなじく「タツ」といっても、年賀状にえがかれたタツの姿はさまざま。そのデザインを見ながら、ざっと分類してみました。

竜を図案化(単独・ペア)…①、②、③、④。「龍」はもともと「天災地変」や「猛獣」など、マイナスイメージの一面をもっているのですが、年賀状ではぎゃくに「臥龍昇天」、「災害をのりこえ、復興をちかう」など、プラスのイメージが強調されているようです。

竜の船…⑤、⑥。ゴンドラみたいな船に、こどもや七福神をのせた姿にえがかれています。「竜」の威力を「平和で幸福な生活」建設に利用するという発想。「原子力の平和利用」にも通じる感覚でしょうか。

竜・辰の字形を図案化…⑦、⑧、⑨。タツは[竜]とも[辰]とも書かれます。そして、それぞれの字形について、あらためて図案化がくふうされています。

タツ切手オンパレード…⑩。タツ年にちなんだ記念切手(10円。20円、80円)のオンパレードで、フンイキをもりたてています。

数字2012を竜の姿に…⑪。アラビア数字の2012そのものを図形化して、竜の姿に見せかけたもの。そういわれれば、タツの姿に見えないこともありませんね。
 
タツはシン[]か、リュウ[]か?
ところでタツ年のタツは、シン[]と書いたり、リュウ[]と書いたりします。いったいどっちが正しいのでしょうか?この問題のコタエは、すこしややこしくなります。

このタツは十二支(ネ・ウシ・トラ・ウ・タツ…)のタツで、いちおう動物のナマエになっていますが、それは仮のナマエ。正式にいえば、根本に十干・十二支という宇宙観があり、十二支は「宇宙の運行にかかわる星(天体)」のナマエです。十二支の第5位がシン[]とよばれ、ヤマトコトバではタツとよばれました。ほかの「ネ・ウシ・トラ・ウ…」も、おなじ要領です。

漢字シン[]は、二枚貝が開いて、ビラビラと弾力性のある肉を描いた象形文字。シン[振・震]と同系。「動植物がフルイタツ」姿から、ヤマトコトバではタツ[]とヨミカキすることになりました。そのご漢語社会で、シン[chen]よりもリュウ[long](隆と同系)の語音がよろこばれるようになり、日本でもタツ[]と書くようになったというわけです。

タツ(t-t音)の基本義
ヤマトコトバのタツはt-t音タイプのコトバで、動詞「タツ[立・建・断]ツツ[]トヅ[]や名詞「タタ[]タチ[太刀・舘]タツ[]タテ[]ツタ[]ツチ[]ツツ[]ツテ[]ツト[]」などと同系です。

(d)音を発声するには、かならず舌先を上ハグキにツキタテル姿になることから、t(d)音のコトバ、とりわけt-tタイプのコトバには、「タツ・タテル・ツキアタル」などの基本義がつきまとうことになります。

実在する生物タツノオトシゴが「タツ」の名をもつのも、「立ち泳ぎの姿」なればこそ。「タツ年は、復興にタチあがる年」と期待するのも、おなじ感覚です。

タツとリュウ[竜]
ヤマトコトバのタツはt-tタイプ。漢語のリュウ龍long2l-kタイプ。このl-は、ヤマトコトバにはない子音。日本人の耳には、r-と区別がつきません。

しかし、t-音とl-音に共通点がないわけでもありません。どちらも.調音点がおなじ(上ハグキ)で、イキの流れがちがう(破裂音と流音)だけです。漢語初級テキストで「音節一覧表」を見ても、d, t, n, l4子音をまとめて1グループとしています。それだけ音韻感覚が似ていて、交代することもできるというわけです。

そう考えてくると、漢語リュウ龍long2がヤマトコトバでタツとよばれるのも、ただの偶然ではないかもしれないことに気づきます。ロウ瀧long2タキロウ籠long2,3タゴ(担桶)リュウ隆long2タカシリツ立li4タツなども、t, l子音交替の例かもしれません。ただし、このへんの議論は、イズミ流「独断と偏見のカタマリ」です。くれぐれもマユツバをおわすれなく。
 
タツとリュウ[竜]とdragon
西洋には、十干・十二支という思想そのものがないようですが、架空の動物を表わすdragonというコトバがあり、日本語のタツや漢語のリュウ[竜]long2とよく似たイメージです。音韻の面でも、まったく無関係とはいいきれません。

辞典では、dragonはもともとdrag-onと解説されています。ヒキズル・ヒッパル姿。エモノにトリつき、ツリあげ、ひきトル姿。実在する動物でいえば、巨大なヘビやワニを連想させるコトバです。
Drag
drawはヒキズル[引摺]・ヒキツル[引吊]姿。
1
滴ずつのシタタリ・dripが、やがてツララ[氷柱]になる。
ツリバリの基本は三角・triangle
サカナがエサをトルためにtryする。ぎゃくにツリトラレルかも。ツライ仕事。

こうして見ると、ヤマトコトバの中には漢語よりも英語に近い音韻感覚のものがあるみたいですね。

2012年1月10日火曜日

いたち川雪景色

お地蔵さんの水


朝市


雪見橋付近 



石倉町遊園地


 雪見橋付近


 クルマの屋根雪


ベンチの雪


幹・雪・光


 雪の遊歩道。
右手ビルがホテル雪見荘。 


 雪の花ざかり

雪見橋の雪
 


いたち川雪景色


雪の中の車


紅白合戦


雪見橋通り




「教育・文芸とやま」17号(表紙)


年賀状2012(佐藤元子さん)


年賀状2012(田添等楊さん)

年賀状2012(福田温亘さん)      
 




ことしも、どうぞよろしく

あけまして、おめでとうございます。
2011年は、日本国中たいへんな1年でしたが、ことしこそは正念場だと思われます。ブログ「いたち川散歩」も、おかげさまで3年目にはいることになりました。ことしも、どうぞよろしくご指導のほど、お願い申しあげます。
「いたち川散歩」を名のりながら、ここしばらく脱線したおしゃべりをつづけてしまいました。ごめんなさい。きょうは、いたち川・雪見橋の冬景色スナップ写真を中心に、近況をご報告します。おなじ地点の写真でも、またおなじ雪景色でも、わずか数日のことで、ずいぶんちがった表情をみせてくれるので、われながらビックリしました。


お地蔵さんの水と朝市
石倉町延命地蔵尊の湧水は、「お地蔵さんの水」として有名ですが、こんどから水の吹き出し口が一つ増設され、便利になりました。12月6日、北日本新聞記事をご紹介します。

名水として知られる富山市石倉町延命地蔵尊の湧水を管理する同地蔵尊奉賛会(梶川之男会長)は今月、水野吹き出し口を一つ増やし三つにした。「口当たりが良い」と評判で、くみに来た人が列をつくることもしばしば。待ち時間を短くできればと新設した。

なお、毎週土曜日には延命地蔵尊のまえで朝市が立ち、野菜とお花が販売されています。


いたち川雪景色
12月17日あたりから、富山でも本格的に雪が降りはじめ、いたち川ぞいの遊歩道一帯が、みごとな雪景色に変身しました。
もしかして、台湾など雪の降らない国から富山まで観光旅行に来たとして、いたち川ぞいのホテル雪見荘に泊まり、窓から雪見橋の雪をながめたり、時間があれば長靴で雪の遊歩道を散策し、桜並木の枝につもった雪をサクラの花ざかりに見立てたりするのも、ちょっとオシャレかなと思ったりしました。
いや、それはただの妄想。現実はきびしいです。91歳の老人にとって、雪道の散歩は危険がいっぱい。雪道は歩きにくく、地面が氷っていたりすると、すべって転ぶ心配もあります。かといって、散歩を休むと、たちまち運動不足になるのも心配です。
そこで、雪の晴れ間をねらって散歩に出かけるようにしました。かならずケータイをケータイ。いたち川、雪見橋付近の雪景色を、ケータイのカメラにおさめました。


「教育・文芸とやま」17号発行
12月にはいって、「教育・文芸とやま」17号(年刊。財団法人富山県教職員厚生会発行)がとどきました。この号では、日ごろ尊敬している須山盛彰さんがノンフィクション「富山県における学童疎開の記録(その二)…食糧事情①」を投稿しておられます。また、むかし同僚だった石田光明さんがノンフィクション「娘と孫の富山滞在記」を、桜井千鶴子さんが小説「ふたりしずか」を、さらには木澤隆さんと長沢信次さんが川柳を投稿しています。
わたしは評論「日本語の世界戦略…21世紀を生きぬくために」をのせていただきました。3.11の東日本大震災で福島原発爆発事故発生のニュースを聞いて、わたしはこんどの原稿のテーマをきめました。「あぶないのは、東北地方だけではない…日本全体があぶない…放射能に汚染された食品だけでなく、危機管理ができない政府や国会があぶない…政治・経済・文化、すべての活動をささえている日本語があぶない」と考えたからです。        
現代日本語は、ヤマトコトバだけの純粋種言語ではなく、漢語や英語などの外来語をたくさん抱えこんだ複雑種、チャンポン語です。この現実から「日本語の音韻感覚」は、「ヤマトコトバ独特の音韻感覚」から「漢語・英語などと共通の音韻感覚」へと脱皮することが求められています。それは、きわめて重要・緊急の課題、しかもデリケートな問題です。
日本民族が21世紀を生きぬくためには、それなりの世界戦略が必要です。ところが、日本の文科省や大学あるいは日本語研究団体などは、まだ「日本語の世界戦略」を準備できていないようです。日本語(あるいは、言語全般)にかんする専門家たちのあいだに危機意識がうすい(ゼロとはいいません)という事実は、原子力発電にかんする安全神話に通じるものであり、危険きわまりない話だと思います。


ことしの年賀状
さくねん91歳になりましたので、「年賀状は2011年度かぎりで」とご案内していたのですが、きのう(9日)までに100通ほどの年賀状がとどきました。なかには、「2011年度かぎりで」という案内を承知のうえで、それでもわざわざ賀状をくださったという方もおられますが、大多数はこちらからの案内が不十分だったためと考えられ、反省しきりです。
それはそれとして、年賀状をいただくのは、やはりうれしいですね。
そのなかから、このブログの画像として、3人の方の賀状をご紹介させていただきます。佐藤元子さんの仏像画と、田添等楊さんの日本画、福田温亘さんの版画です。佐藤さんと田添さんは、ともに富山市立中学校の教員時代からのお仲間。福田さんは、わたしが中学校教員としてはじめて赴任した東部中学校の生徒さん。3人とも、永年一貫した姿勢・テーマで制作をつづけ、その作品コピーを年賀状としてお送りいただいていることに感謝し、また尊敬しています。