「多国言語クラス100回に」(北日本新聞記事より)
スナップ写真A
(以下、富山市民国際交流協会事務局提供による)
スナップ写真B
集合写真
多国言語文化交流クラスのこと
2月5日の北日本新聞記事から、一部ご紹介します。
2月5日の北日本新聞記事から、一部ご紹介します。
富山市民国際交流協会(犬島伸一郎会長)が、市民に異国の文化や言語に触れてもらおうと開いている多国言語文化交流クラスは4日、市国際交流センター(同市新富町)で第100回の節目を迎えた。
2雄大年6月に始まり、現在は年8回開催。外国出身者を中心に講師として招き、これまで世界各地の約60カ国を取り上げた。
この日はドイツとドイツ語をテーマに実施。東京大数物連携宇宙研究機構神岡サテライト特任准教授のマルテンス・カイさんが講師を務め、政治や哲学について友人とビールを飲みながら語り合った思い出などを紹介。参会者全員でドイツ語のあいさつの練習もした。
2雄大年6月に始まり、現在は年8回開催。外国出身者を中心に講師として招き、これまで世界各地の約60カ国を取り上げた。
この日はドイツとドイツ語をテーマに実施。東京大数物連携宇宙研究機構神岡サテライト特任准教授のマルテンス・カイさんが講師を務め、政治や哲学について友人とビールを飲みながら語り合った思い出などを紹介。参会者全員でドイツ語のあいさつの練習もした。
このクラスでは、講師が自分の民族言語(もしくは英語)で話し、協会側で日本語に通訳するのが普通です。この日はドイツ語になじみのある人たちも多数おられたようですが、わたしのような門外漢が参加しても、なんとかフンイキを楽しむことができました。
散会したあと有志だけで集合写真をとりました。ごらんのとおり、さまざまな人が気軽に参加していることが分かると思います。もうひとつ、この種の会合では男性より女性の参加者がおおいようです。時代のながれですね。写真前列左から日南田美幸(協会事務局員)さん、カイ講師夫妻。2列目右端岡田昌代(協会ボランティア副委員長)さん。イズミは最年長者ということで、講師のとなりに座らせていただきました。
この日は時間の都合もあって、ドイツ語についての解説や練習はほんのわずかでした。わたしとしては残念でしたが、配布された資料からドイツ語・英語・日本語をオト[音]で比較し、対応関係について想像をめぐらせてみました。
英語 ドイツ語 対応関係
Good morning. Guten Morgen. good:Guten
Good morning. Guten Morgen. good:Guten
morning: Morgen
Good afternoon. Guten Tag. afternoon : Tag (?)
Good afternoon. Guten Tag. afternoon : Tag (?)
Good evening. Guten Abend. evening : Abend
Good night. Gute Nacht. night : Nacht
Good night. Gute Nacht. night : Nacht
Thank you. Vielen Dank. thank : Dank
英語とドイツ語はたしかに別の言語ですが、音韻構造、とりわけ子音に注目して比較して見ると、かなりきちんと対応している例が見つかります。 goodとGuten、morningとMorgen、night とNachtなど、それぞれ共通の子音構造(k-t, m-r, n-t)になっています。
しかし、言語系統がまったく別といわれるヤマトコトバでは、ぴたり対応しそうな音感覚のコトバが、簡単には見つかりません。そこで「64音図」方式にしたがって、goodとおなじk-tタイプのヤマトコトバを、チェックしてみます。カツ・カタ・カタシ・カタチ・カタムなど、k-t音語の基本義に立ちかえり、じっくり比較してみます。すこしずつ共通点が見えてきます。
goodはgodと同類。最高にgoodなものがgodです。土でいえば、土器をつくったり、カベ土にしたりできる粘土がgood。ネバリがあって、カタマル、カタチをつくれる「グーの土」です。Goodの反対がbad. ネバリがなく、ババッチイだけで、カタマラない。カベ土にもならない土です。
goodはgodと同類。最高にgoodなものがgodです。土でいえば、土器をつくったり、カベ土にしたりできる粘土がgood。ネバリがあって、カタマル、カタチをつくれる「グーの土」です。Goodの反対がbad. ネバリがなく、ババッチイだけで、カタマラない。カベ土にもならない土です。
つぎの単語も、それぞれ音韻的な対応関係にあると、素人目にも見当がつきます。
yes : Ja / no : Nein / I : Ich / one : Eins / two : Zwei /three : Drei / four : Vier / five:fűnf
英語でも、knit(編む)、knock(ノックする)、knoll(鐘をナラス)、know(知る)やnet(網)、nod(うなずく)、nose(鼻)、note(書き記す)などは、ナル[成・鳴]感覚のコトバです。nose(鼻)といえば、顔の中央にノサバル存在ですが、このハナがナイと息のネ[根]までとまります。ネ[根]といえば、native(天然の)、 nation(民族)、 nature(自然)の語根はgene- (to give birth)とされています。漢語のコン[根] genやヤマトコトバのネヅク[根付]などとそっくりの感覚ですね。
two とZweiが同義だということは、t-音とz-音が基本的に同義だということです。そうなると、ヤマトコトバのフタツなどもおなじ発想法によるコトバだと考えられます。t-音の基本義の一つに「ツク[突・付・着]・ツケル[付・着]姿」があり、フタツ[二]は「一つあるものに、もう一つツケタス姿」(鍋にフタをする、など)と解されています。
漢語のニ[二]nier>erにはt-音がありません。むしろタ[多]tar>duoの方が、音義ともtwoやフタツに近いかもしれません。このタ[多]は、「タまたは肉を重ねて、たっぷりと存在することを示す会意文字」(藤堂明保編、「学研・漢和大字典」による)と解説されています。
ちなみにヤマトコトバのタルtaruは、①タル[垂]、②タル[足・満]。たとえばクボミ(不足部分)があれば、そこに手や足をタル[垂](タラス)ことで、たちまちミチ[満]タル[足](タラス)ことになります。
漢語でも、ソク[足]は胴体からタレ[垂]さがるアシであり、同時にまた「タレ下がるほどタップリ、タリル」、マンゾク[満足]のソク[足]です。洋の東西を問わず、人間の発想法はニタリヨッタリですね。