社会人大楽塾 7/11
訪問販売 7/12
アジサイ 7/17
オイル・マッサージ 7/25
日本海文化悠学会 7/26
志田先生を偲ぶ会,A 7/28
志田先生を偲ぶ会,B 7/28
花火見物 8/1
社会人大楽塾
7月11日(木)午後、9fで開かれた社会人大楽塾に出席しました。この日歌ったり踊ったりした曲目は、「浜辺の歌」「真赤な太陽」「川の流れのように」「山小舎の灯」「高校三年生」など。とりわけ「川の流れ…」の場面では、リーダーが左右の手の指で黄色とピンク色のヒレ[領巾]をヒラメカセ、フリ[振]をつけていました。参加者たちも、ヒレのかわりにティッシュペーパーをヒラメカセ、フリ[振]にあわせて身をゆさぶることで、体ごとヒラメイタ気分にひたっていました。
水野信利さんが死去
11日夕方ちかく、先日来訪された桑名さんから電話があり、水野信利さんが6月23日に亡くなられたと知らされました。水野さんは、わたしがはじめて富山市立東部中学校教諭として赴任したときの生徒さんであり、いろいろご縁がありましたので、「死去」の知らせを聞いて、まったく呆然としています。
中学生当時、母親と弟と3人の母子家庭だったと思います。学園祭の時、英語劇に参加してもらった記憶があります。中部高校に進学してからも、学校からの帰り道など、砂町のイズミ宅へ立ちより、NHKラジオ放送で「英語講座」に耳をかたむけ、放送が終わりしだい、ふらりと立ちあがり、帰ってゆきました。
富山大学人文学部を卒業した後、上京して國際基督教大学の大学院で視聴覚教育を専攻、やがて「学習研究社」に就職。わたしが日漢英3言語の音韻比較をすすめていることを思いだして、『学研・漢和大字典』(1990年版)を贈ってくれたこともあります。漢語(中国語)の辞(字)典には各種ありますが、すべての漢字に上古・中世・現代にわたる音韻変化を注記した辞典は、これ以外には見あたりません。わたしが日漢英3言語の音韻比較をはじめ、「象形言語説」を提唱し、その検証作業をすすめてきたのも、こうした基礎的な研究資料があって、「これから先の展開」について「暗示」をうけ、「やってみよう」という気になったからです。その意味で、信利さんはわたしにとって「恩人」の一人です。ご冥福をいのります。合掌。
訪問販売の日
7月12日(金)。午後9fで訪問販売があり、のぞいてみました。片面にチョコレートを
7月12日(金)。午後9fで訪問販売があり、のぞいてみました。片面にチョコレートを
まぶしたビスケットが目にはいり、ちょっとおもしろそうな気がして、1袋買いました。商品名は「チョコレート・ラスク」となっていました。袋の正面に〝Food [S] park ITARI-ya”と大書してあり、その下に10行ほど、ちいさな活字で宣伝文句が書かれています。てっきり英文だと思っていましたが、あとで虫メガネをつかって読んでみると、これはなんとしたことか、ローマ字つづりの日本文でした。最後の文句は「yorosikune」でした。
それにしても、イタリア(国名)なら“ITALI”と書くのが普通だと思いますが、ここでは“ITARI”としています。ひょっとしたら、このかたはローマ字論者で、日本語のラ行音はもともとr-音であり、外来語であっても、日本語の文脈の中ではl-音からr-音に切りかえるべきだとお考えなのでしょうか?わたくし個人としては、おもしろいと感じています。ついでに裏面の販売者の項を見ると、「金沢市(株)フードエイドMF」となっていました。
アジサイ
7月17日(水)。午後、Mioriさんのクルマで加納耳鼻科へ連れていってもらいました。帰り道、ついでにアジサイでも眺めることができたらと思い、松川べりの遊歩道へ回ってもらいましたが、なかなか見つかりません。それでも、なんとか咲きのこっているアジサイのムレをさがして、スマホのシャッターをきりました(写真)。
夕方、泉本家(東京)のKumiさんから電話をいただきました。いつもブログを見ているが、ここしばらく更新がおくれているようなので心配していた。それが昨夜更新されたことがわかり、ひとまず安心した、とのことでした。また、ブログでは、ホームめぐみで「訪問販売」のおり、かりんとうを買って食べているとのことだが、総入れ歯でそんなカタイものをカミきれるのか?ほかに、なにか食べたいもの(お菓子など)はないか?また、野菜ジュースなどはどうか、などとたずねられました。わたしはかりんとうの成分などしらべたこともありませんが、むかしからウマイと感じて食べてきただけのこと。カタイことはカタイが、指先でポクッと折ることができ、入れ歯でもサクサク・カミキルことができます。また、食べもののスキ・キライについては、魚・肉・野菜・ジュースなど、みんなダイスキとお答えしました。自分では普通だと思っていますが、亡くなった信子などにくらべれば、ほとんどスキ・キライがないほうのようです。そういえば、亡くなったSigekiさん(Mioriさんの兄)なども、かなりスキ・キライがはげしかったことが思いだされます。わたしの場合、戦前・戦後にかけて、飲食物のスキ・キライにこだわっていたら、必要な栄養成分を補給できない時期がつづきました。そこで、いやおうなしに「食わずきらい」から、「なんでも食べてみよう」へとキリカエさせられました。「白寿」まで生きのこることができたのも。そのオカゲだといえるかもしれません。
豊志さんとお別れ
7月23日(火)午後、花田豊志さんが亡くなられたと知らされ、Mioriさんのクルマで稲荷元町セレモニーホール平安の霊安室をたずねました。豊志さんはもともと田島家に生まれ、故信子の甥に当たりますが、中学校入学から卒業までの3年間、わたしども夫婦の養子としてすごし、わたしに「父親としての楽しみ」をあたえてくれました。本来ならば、お通夜か、お葬式にでも参列したいところですが、いまの体調ではムリです。ひっそり、しずかにシニガオ[死顔]と対面し、お別れしたいと思いました。霊安室で、喪主の憲志さんやご遺族の方々にごあいさつした後、さっそく「対面」させていただきました。きれいに化粧された豊志さんの顔は、「ひっそり、しずかに休んでいる」姿に見えました。わたしは、「3年間の親子関係」への「お礼」と「おわび」の気持ちをこめて合掌し、ご冥福をいのりました。
いずれにしても、「せっかく生まれた親子関係が3年かぎりで消滅した」という事実は、わたしが「コドモの父親となる資格がなかったことの証拠」ということになるでしょう。そうなると、「一人のコドモの父親となる資格をもたない人間が、数十人のコドモたちを担任したり、数百人のコドモたちに授業したりする資格があるだろか」という問題が出てきます。
この年になって、いまさらどうにもならない問題ですが、それでもやっぱり気になります。
オイル・マッサージの体験会
7月25日(木)午後、9fで「アロマオイル・マッサージの体験会」に参加しました。配布されたリーフレットによれば、「フランス産の特別なアロマオイルを使ったタッチケアによって、リンパの流れと血流促進の効果を促します」、「疲労回復、ストレス緩和にもとても効果的」とのこと。具体的にいえば、いすに腰かけたまま手をさし出してマッサージしてもらう方法と、ベッドにウツブセになって寝そべり、のばした足をマッサージしてもらう方法などがあるようです。わたしの場合は、左右の足の指さきが夜中でもイタム・ヒキツルことがナヤミの種なので、足マッサージをお願いしました。
どんな香りのオイルがスキかたずねられましたが、わたしはずっと鼻づまり状態で、香りのチガイをキキワケルことができません。適当にとお願いしました。オイル原液からの調整やマッサージの仕方など、すべてお任せ。やがて、なんとなく、よい気持ち。体調不良のことも、シャバのナヤミゴトもすっかり忘れて、ウットリした気分になりました。そして、20分間のアロマタッチケアが終了しました。
このオイル療法が、わたしの足指の症状改善にどれだけ有効か?それはまだ分かりません。なにがしかの効果があると信じて、しばらく体験をかさねたいと思っています。
日本海文化悠学会
7月26日(金)午後、茶屋町豊栄稲荷神社で開かれた日本海文化悠学会7月研修会に出席しました。会員宮原利英さんがA4判11㌻にわたるレジュメを用意し、「8人の女帝」と題して研究成果を報告されました。要約してご紹介します
皇紀2769年、男子1系126代続いた日本。皇室の存続が危ぶまれている。女性皇室も検討されている。過去、日本では8人、10代の女性天皇がいた。その経緯を探ってみたい。
<参考> 欧州で王室があるのは、イギリス・デンマーク・ノルウェイ・スウェーデン・オランダ・ベルギー・スペインの7カ国。過去、イギリス以外では国際法(サカリ法典)で女王は認められていなかったが、20世紀に各国で女王を認めた。殆どの国は、王族の結婚は議会で承認が必要。
125代、守り抜いてきた伝統」として、「天皇歴代系図」および「8人の女帝の概要」⦅天皇名・代・生没年・在位年‥を付記⦆を提示。ついで、「推古・皇極(斉明)と曽我氏の関係図」、「持統天皇関係図」、「元明・元正・孝謙⦅称徳⦆天皇と藤原氏の関係図」、「江戸時代以降の天皇家系図」を提示。
まとめ。
女帝は全て男性天皇の子孫。
原則的に女帝は皇后である〈江戸期にはこわれた〉。
女帝は全て未婚である(子孫を作らない)。
女帝の任務は、次帝が成長するまでの繋ぎ。皇嗣の基準がなく、紛争回避。
「血統第一」、「男子優先」で天皇選びを進めてきた日本ですが、そのかげで、時代社会の実力者〈氏族〉が深く関係していたことについて、くわしく解説していただき、ありごとうございました。
ただ「推古・皇極・斉明」など漢語風の天皇名だけでは、抽象的な美辞麗句をならべただけの感じで、その命名の由来が伝わってきません。その点では、やはり「トヨミケカシギヤヒメ[豊御食炊屋姫](推古)」、「タカラヒメ[寶姫](皇極・斉明)」「ウノサララ[宇野讃良](持統)など、ヤマトコトバでの呼び名のほうが、当時の「社会生活の状況」や「本人の立ち位置」などが、なんとなく伝わってくるようだと思いますが、いかがでしょか?
それは固有名詞であり、まわりの関係者の視点からの呼び名なので、歴史の真実を求める議論の場に持ちこむのは適当でない、そういった反論が出るかもしれませんが、それはもちろん承知のうえでの話です。情報・資料は、おおすぎてこまることはありません。さまざまの視点から調査・比較・追究し、議論をつくすことによって、客観的・合理的で説得力のある結論がえられるものと思います。
とりわけ、女性天皇を認めるかどうかについては、日本国民の「人権意識」の実態が問われていると思われます。いまの憲法で、天皇は「日本国民統合の象徴」(第1条)と位置づけされています。つまり、最高クラスの公職です。また、国会議員や都道府県知事から市町村長、あるいは地方議会議員にいたるまで、立候補や投票に当たって、男性か女性かによって差別されることは一切ありません。
かりにも民主主義国家を名のる日本で、すべての公職選挙投票者について男女差別を廃止しておきながら、日本国最高の公職者である天皇についてだけ、男女を差別しようとすれば、しだいに「男女同権」になれてきた市民たちから質問されたとき、「男女同権」というカンバンと「男子優先」という実態とのズレを、どう弁明するつもりなのでしょうか?はたして、どうにか全国民の「意思」を「統合」することができるでしょうか?むつかしい問題ですが、なによりまずは「議論をつくす」ことがだいじかと思います。
7月27日(土)。午前10時半、長念寺住職志田常無さんにおいでいただき、故信子月命日のお勤めをしていただきました。
志田延義先生を偲ぶ会
7月28日(日)午後1時半から長江新町の長念寺で「志田延義先生を偲ぶ会」があり、出席しました。中哲裕さんが挨拶された後、出席者全員で「讃仏偈」を読んでお勤め。2時から記念講演。講師はスリランカ元日本大使館職員バンダーラナーヤカ ジャナック氏。みごとな日本語で、「スリランカ・日本の仏教・文化、その繋がり」について報告されました。また特別出演として、長念寺門徒さんで、毎年除夜の鐘を突きに来ているという舞台女優蒼木鞠子さんが「唄」を数曲熱唱されるという場面(写真A)もありました。
そのあと、高志会館へ移動。あらためて「懇談会」(写真B )が開かれました。出席したみなさんの手につぎつぎマイクがまわされ、「スリランカと日本の文化交流」、「志田延義先生の思い出」から「長念寺の活動をどう盛りあげるか」まで、さまざまな[思い]が語られていました。
この席で、わたしは持参した「ワ・ワタ・ワタル・waterの系譜」(「教育・文芸とやま」24号ヌキズリ)を数人の方へお渡しさせていただきました。
ホームで花火見物
8月1日(木)夜、9fベランダで花火を見物しました。毎年この日、神通川有沢橋下流でおこなわれる北日本新聞主催納涼花火大会の、その花火を、ホーム「めぐみ」にいながら見物できるのはありがたいことです。砂町の自宅に住んでいたころは、雪見橋まで出かけて、とぎれとぎれに、人家の屋根の上まで伸びでて炸裂する花火をながめるだけで満足していました。それに比べると、雲泥の差。ゼイタクのきわみです。
はじめ7fで、窓こしに見ていたのですが、さそわれて9fに移動しました。たしかに、こちらの方が広くて、おおぜいの人がいっしょに見物するには好都合です。しかしベランダとはいっても、安全のためガラス越しの見物となることは変わりません。肉眼で花火を楽しんでいるだけなら、これで十分ですが、スマホで写真をとる段になると、いろいろトラブルがおこります。窓ガラスにまわりの人物などが写りこんできて、まったくちがったイメージの写真になってしまいます。ご覧の写真もその一例です。いや、これでいいのだ。写真とは、もともと「真実を写す」作業なのだから。そういう考え方もできるかもしれません。
m-m音の英語…日本語の系譜(第6回)
前回まで日本語・漢語のm-m音の系譜をたどってきました。日本語では、k-k音の2音節動詞がカク[搔・書・描・欠]・カグ[嗅]・キク[聞]・コク[扱]・コグ[漕]など多数成立しているのに対して、m-m音タイプの2音節動詞はモム[揉]1個だけでした。また、m-mタイプの擬声語・擬態語はゼロでした。
漢語では、上古漢語から現代漢語にいたるまで、m-mタイプの音節が1個も成立していません。やむをえず、m-タイプと-mタイプにわけて語彙を採集し、その系譜をたどりました。
さて、英語の世界ではどうなっているでしょうか?例によって、『アメリカの遺産英語辞典』(A.ℍ.D.)フロク「インド・ヨーロッパ語根とその派生語」(一覧表)をたよりに、m-m音英語の系譜をたどることにします。ところが、いざ一覧表のどこを探しても、m-mタイプの語根が見つかりません。やむをえず、漢語の場合と同様、m-, -mタイプの語根を採集し、m-音語の系譜をたどることにします。以下、語根・基本義・派生語の順で、要約してご紹介します(日本語訳および*印以下の部分は引用者の責任)。
ma-²(mother母) mamma²乳房, mammal哺乳動物, mammilia乳首, mama母.
mag-(to kneadこねる, fashionこしらえる, fit合わせる) makeつくる, mason石工, match¹マッチ, mingle入り混じる, among~とまじって, mongrel雑種, magmaマグマ。まじりもの, massかたまり, amass寄せ集める.⇔マク[娶・巻・蒔・任・罷・負・設・貯]・マグ[求・覓]・マグ[勾・枉]。
magh-(to be able~できる, have power能力がある) may¹~かもしれない, dismay落胆させる, might¹~してもよい, mainおもな, machine機械, mechanic職人, magic魔術.
maghu-(young person of either sexわかもの) maidむすめ。おとめ, maidenむすめ。おとめ.
mak-(long長い, thin薄い) meagerとぼしい, emaciateよわめる, macro-ギリシア語系造語要素.
man-¹(man) man人, Normanノルマン人, mannequinマネキン, ombudsmanオンブスマン.
man-²(hand手) manage管理する, manner仕方, manual手の, maintain保つ,manicureマニキュア, manufacture製造業, manuscript写本, command支配する.*手の使い方をマネル姿。⇔マネ[偽・効]・マナブ[学]・マネク[]・マネシ[数多]・マネブ[学]。
mater-(mother母) mother¹, maternity母性, matrix母体, metropolis首都, material材料, matter物.*ウム[生・産]もの(母体)。また、素材。
me-¹(the personal pronoun of the first person singular第一人称単数) me私を, myself私自身, mine²私のもの, my私の.*ウム(ウマレル)もの当事者の立場。
me-²(in the middle of~の真ん中に) midwife助産婦, meta-ギリシア語系造語要素。
mē-¹(expressing certain qualities of mind心情表現) mood¹気分, moral道徳的な, morale士気.
mē-² (to measure計る) meal²食事, measure, meter¹韻律, geometry幾何学, moon月, Monday月曜日, monthひと月、semester学期.
mē-³ (big大きい) moreもっと大きい, most最大の.
mē-⁴ (to cut down grass or grain with a sickle or scytheカマ・ハサミで草や穀物を刈り倒す) mow²刈りとる, meadow牧草地.
mmed- (to take appropriate measures適切な方法をとる) mete¹割り当てる, medicine薬, remedy治療,moderate度を過ごさない, modeやり方, model模範, modern現代の, modify部分修正する, module測定基準, mold¹鋳型, must¹~ねばならない, emptyからの.
meadhu- (honeyはちみつ) mead¹はちみつ酒, amethyst紫水晶.
medhyo- (middle真ん中の) mid¹まん中の, amid~に囲まれて, middle, mean³媒介, medial中央の, medium中ほど, Mediterranean地中海の.
meg- (great大きい) much多い, magnate有力者, magnitude規模, magnum大型酒びん, magnify拡大する, major上役, majority大多数, mayor市(町,村)長, majesty陛下, maestroすぐれ多作曲家, master主人, mister~氏, mistress主婦, maximum極限, May5月, mega-ギリシア語系の造語要素, maharajah大王.
Mei-¹ (to change変える, go行く, move動く) mad気の狂った, molt鋳型, commuteとりかえる, amissはずれて, mistakeまちがい, miss¹~嬢, common共通の, communicate伝える, migrate移住する,
mei-² (small) menuメニュー, minute²綿密な, minor小さい, minusマイナス, minimum最低限度, minister大臣.
meigh- (to urinate放尿する) mistもや, mistletoeヤドリギ.
meik- (to mix混ぜる) meddleいじくりまわす, medleyごったまぜ, mix, mixture混合物, mashどろどろのもの.*入り混じる姿。⇔マク[巻・娶・蒔・任]・マグ[曲・枉]・マガフ[乱・紛]・マグハヒ[合・交・目合]。
mel-¹ (softやわらかい) melt溶ける, malt麥もやし, mollifyなだめる, mollusk軟体動物, blandおだやかな, smelt¹製錬する, enamelエナメル, mild優しい.*カタマリ(固体)が加熱などでメロメロに溶け、中身が見えてくる姿。⇔メリ(助動)(=ミ[見]アリ)・メロメロ・メラメラ。
mel-² (strongつよい, great大きい) multi-ラテン語系造語要素, multitude多数.
mel-³ (bad悪い) mal-フランス語系造語要素, malign悪口をいう, dismalものさびしい, malady病気, malariaマラリア.
mele- (to crush粉砕する, grindこする) meal¹食事, mill¹製粉所, millet製粉業者, mallet小づち, maul大つち.*メロメロの姿にスル[擦]・クダク[砕]・トカス[解・溶]。
melg- (to rub offみがく; also to milk絞りとる) milk, galaxy星雲, lacto-ラテン語系造語要素-, lettuceレタス
melit- (honeyはちみつ) marmaladeマーマレード, molasses糖蜜, mildewうどん粉病.
men-¹ (to think考える) mindこころ, mental心の, automatic自動の, comment解説, maniaマニア, mandarin官吏, mint¹ハッカ, money通貨, monitorモニター, monster怪物, monument記念建造物, demonstrate論証する, summon呼び出す, mosaic寄木細工, muse思いつめる, museum博物館, music音楽, *「me + n」の構造。「モノゴト(目や芽)のナリタチ(正体)」が「目に見えてくる」感覚。⇔モノ[物・者・鬼]・モノイフ・モノガタリ・モノガナシ・モノナラフ[学問]・モノモヒ[物思]・イモノ[鋳物]・クダモノ・ケモノ。
men-² (to projectもくろむ) mouth口, menaceおびやかすもの, promenade散歩道, eminent著名な, mount¹登る, mountain山, amount総計.
men-³ (to remainとどまる) manor荘園, mansion大邸宅, permanent永久的な, remain.
men-⁴ (small小さい, isolated孤立した) monk修道僧, mono-ギリシア語系造語要素。もの, minnow小魚.*マトイつくナリモノ=モ[藻]=小魚の隠れ家。⇔モノ[者・物]。
mendh- (to learn学ぶ) mathematical数学の, mathematics数学.
menegh- (copious多数の) many多数の,
mer- (to rub awayみがく, harm損害), mortar乳鉢,morsel少量, murder謀殺, mortal死の, mortify屈辱を与える.
merg- (boundary境界線, border境界線) mark¹目印, marquee出入口ひさし, mark²マルク, remark認める, march¹行進する, marginへり.*ヘリ[縁]をメグリ、境界線を確認し、目印をつける姿。⇔メグル[廻]。
meue- (to push awayおしのける) mob暴民, mobile動きやすい, momentちょっとの間, motif動機, motion動き, motive動機, motor動かすもの, move動く, movement動き, emotion感情, removeかたづける.*手でモム[揉]・モツ[持]・モチ[持]ウゴカス[動]姿。
mori- (body of water海の) mere²湖, mermaid人魚, marsh沼地, morass沼地, marine海の, maritime海運の, ultramarine海外の.
mregh-u- (short短い) brief短時間の, merry楽しい, mirth楽しみ, brace筋かい, embrace抱きしめる.
mus- (mouseネズミ) mouse, muscle筋肉.
smei-(to laugh笑う, smileほほえむ) smirkにやにゃ笑う, smile, marvelフシギ, miracleフシギ, mirage蜃気楼, mirrorかがみ, admire賞賛する.
(s)mer-¹(to remember思いだす) mourn朝, memorable記憶すべき, memorandum覚書, memory記憶力, remember.*メリハリツケル・メモル[目盛・目守]姿。⇔メモリ。
(s)mer-²(to get a share of something何らかの分け前を得る) merit功績, emeritus前職待遇の.
ここまで、「m-タイプの語根と派生語」をご紹介してきましたので、このあと-mタイプについてご紹介することになります。正直な話、最近は視力がおとろえ、辞典のちいさな活字を虫メガネでたしかめながらの作業なので、能率があがりません。このあとは、なるべく簡略にご紹介させていただきます。
dekm- (ten10) ten, December12月, dozenダース, tenth10番目, hundred100, centセント, century世紀, percentパーセント.
dem- (house家, household家事) domeドーム, domestic家事の, danger危険, dominate支配する, timber材木.*トム[止・留]・トマル[止・留・泊]ところ。また、ツキデル・トビダスもの。⇔トマ[苫]・トマリ[泊]・トマル[留]・タマ[玉・球・弾]。
deme- (to constrain強制する, force効力) tame飼いならす, diamondダイヤモンド. *タム・タメル姿。⇔タム[矯]。
dhghem- (earth大地) chamomile植物名, humbleつつましい, human人間の.
em- (to take手に取る, distribute取り分ける) example実例, premium賞品, sample見本, resume.再開する。
gembh- (tooth歯, nailつめ ) combくし, gem宝石。*カミツク・クミツクもの。⇔カマ[蒲・鎌・窯・釜]・カメ[亀・瓶]・カモ[鴨]。
geme- (to marry結婚する) gamete配偶子, -gamy gamo-と-y³との結合体。
kom- (near近い所に, byそばに, with~といっしょに) enough十分な, co- com-の異形, contra-ラテン語から借用の造語要素, counter¹売台,country国土.
kwrmi- (worm虫) crimson深紅色の.*もとはクルム姿か。⇔クルム[包]・クルミ[胡桃]。
nem- (to assign割り当てる, take手がける) numbしびれる, nimbleす早い, economy節約, number数。*手の指を折り曲げ、並べる姿か。 ⇔ナフ⦅下二。しびれる⦆・ナブ[靡]・ナブ[並](下二。並べる)・ナム[並・列・靡・嘗]・ネム[合歓木]。
no-men- (nameなまえ) name, nominate推挙する, noun名詞, pronoun代名詞。*名をヨミあげる(ナラベたてる)姿。子音b-とm-は、交替関係。*ナリモノがナラブ・ナビク姿。⇔ナム[靡](四。なびく)・ナム[並] (四。ならぶ)・ナマヘ[名前]。
sem-¹ (one一つ, as one一つとして) assemble集める, single単独の, Sanskrit梵語,same同一の, seem見える, someいくらかの, similar似ている, resemble似ている, simpleわかりやすい.*色素がシミコム・スミコム・セメコム・ソメル姿。⇔シム[染・滲]・スム[住・澄・済]・セム[攻・責]・ソム[染・初]。
sem-² (summer夏) summer.*熱気がセム[攻]・セマル[迫]季節。⇔セム[攻]・セマル[迫]。
semi- (half半分) semi-ラテン語から借用の造語要素。*脱皮するセミ[蝉]のカラとカラダは半身同士。hemi-とも(ギリシア語系)。⇔.セミ[蝉]・ヘミ[蛇]。
smei- (to laugh笑う, smileほほえむ) smirkにやにや笑う, smile, marvelフシギ,miracleフシギなこと, mirage蜃気楼, mirrorかがみ, admire賞賛する.*目でミルこと。また、目にミエル姿。さらには、目をマワシ、マロブ(転ぶ)姿。⇔ミル[見・観]・マル[丸・放]。
(s)mer-¹ (to remember思いだす) memorable記憶すべき, memorandum覚書, memory記憶, remember. ⇔メモリ[目盛・目守].
(s)mer-² (to get a share of something分け前を受ける) merit利点, emeritus名誉待遇の.
tem- (to cut切る) tome大冊, anatomy解剖学, atom原子,temple神殿。*タツ[断]・タム[矯・溜]・ツム[積・摘]・トム[止・富]姿。
まとめ
これで、ようやく日漢英3言語にわたる「m-音の意味用法」について、その実態を見とどけることができた感じがします。はじめは、日本語のマ[目・間・真]・ミ[見・水・神・御・身・実]・ム[生・産・六]・メ[目・芽・女]・モ[藻・裳]などの用語を観察した結果として、m-音のおおまかな基本義を「ウム[生・産・埋」姿」と設定してみました。原始時代、採取経済の時代には、森や野で動物・植物・鉱物などのエモノをメでミル・ミツケルことが、そのままアル[有・在]こと、エル[得]ことにつながっていましたから、m-音のヤマトコトバは、整然とした音韻組織原則にしたがって生まれたことが説明できると思います。
日本語でm-m2音節動詞がモム[揉]1個だけだったことは意外でしたが、漢語でもm-m音語はゼロ。英語でもm-m音タイプの語根はゼロでした。
つぎに、漢語m-k音タイプの例をひろってみると、muk木mu//miuek牧mu//miang明ming//mieng名ming//mieng命ming鳴mingなど。いずれも「太陽光線やミズ[水]のおかげで、ムクムク・メをムク[剥](成長する)姿)」、「オスとメスをムキアワセ、子をウマセル姿」。「日や月の光線で、そこにアル[有・在]ものをムキダス姿」などと解釈できる点で、日本語の感覚と一致しています。
つづいて、英語m-k音タイプの例として語根mag-(to kneadこねる, fashionこしらえる, fit合わせる)や、magh-(to be able~できる, have power能力がある)などをひろってみます。
語根mag-の基本義to kneadコネルとは、モミモミすること。オスとメスがムキあい、やがてコ[子・粉]をウミだすこと。派生語makeについては、「m-がk-する姿」と解釈することができます。日本語のマク[娶]・マク[巻・枕]・マク[蒔]・マク[任・罷]・マク[負]・マク[設・貯]・マグ[求・覓]・マグ[勾・枉]などと並べて観察してみると、かなり微妙なところまで対応関係をしめしていることがわかります。
たとえばの話。職人mechanicにマカセテおけば、その信頼にこたえて、マケ[任]のまにまに、機械machineという魔術magicをつかって、ツクリマクルmakeというわけです。つよくマサツ[摩擦]する姿がmatch、マギレコム・モグリコム姿がmingle,ちがった種類の遺伝子がモグリこんだ雑種がmongrelというのも、おもしろいですね。
語根sem-¹からの派生語「single, same同一の,
seem見える, someいくらかの, similar似ている,
resemble似ている, simpleわかりやすい」などについていえば、「水気や色素がサシコム・シミコム・スミコム・セメコム・ソメコム姿」と解釈してよいでしょう。いくらかソマリ[染]ソメル[初]姿がsome. あれもこれも、イッセイ[一斉]におなじ色に染まっている姿がsame. 同種の染料で染めた作品は、どれもよく似た色にナル(シミル・セマル)ので、similar, resemble. 単色でソメあがった作品は、色のシミ方が単純明瞭、わかりやすいので、simple.
似たもの同士、 ヨセアツメル姿がassemble。それにしても、Sanskrit梵語がsem-¹からの派生語で、もとの音形はSamskritだったというのは、おもしろいですね。
語根sem-²の派生語summer夏については、「summer=sum + er =熱気がセム[攻]・セマル[迫]季節」と解釈してみました。語根sem-¹とおなじ感覚による造語法かと思われます。
semi- (half半分。-ラテン語から借用の造語要素)が日本語ウツセミ[空蝉]のセミと音義ともソックリ対応していること。smei- の派生語 smile, miracle, mirage, mirror, admireなどが日本語「ミル[見・観・視]」、「ミエル」、「ミハル」、「目をマルクする」、「目をマワス」などの用語と対応していること。「目をマワス姿」=「メマイがする姿」。平衡感覚を失い、やがて「マロブ[転]姿」です。
ついでにいえば、わたしはかなり以前から、日漢英3言語間におけるs-m音の対応関係に注目し、『スミ・シム・SMITH』(スミノエ神はSMELTINGのMAGICIAN)(A4判148㌻. 1995年刊)として発表しています。