2020年7月20日月曜日

絵になる場面をもとめて


箏を聞く会 7/2


しゃぼん玉とんだ  7/6  


頭のたいそう 7/11 


射的ゲーム  7/13 


誕生祝いのご膳  7/13



箏を聞く会
 72日(木)午後、9fで開かれた「箏を聞く会」に参加しました。「めぐみ」居住者仲間の見澤さんが、琴で「虫の声」、「おぼろ月夜」、「里の秋」、「茶つみ」、「かかし」などを演奏されました。どれもみな、なつかしい曲ばかりなので、参加者たちは、琴の音色に聞きいったり、いっしょに歌ったりしていました。曲目について、わたしはそのときメモをとっていたはずですが、そのメモが見あたらないので、これ以上くわしくご紹介できません。おゆるしください。こんどまた、琴の音色をきかせていただける日がくることをたのしみにしています。

しゃぼん玉とんだ  
 76日(土)午後、9fでおこなわれた機能訓練の後半、ビデオ画面に童謡のメロデイとフリツケが流されました。「しゃぼん玉とんだ、屋根までとんだ…」、「なんの花がひらいた、れんげの花がひらいた…」参加者たちも、つられて口をパクパク・モグモグ。しばらくメルヘンの世界をたのしんでいました。

頭のたいそう
 711()。機能訓練の後半、「頭のたいそう」とて
漢字のアテハメ・ゲームしました。たとえば[紫囗花]
空所に漢字ヨウ[]をアテ、[紫陽花]とすれば「正解」と
いうわけです。こうした学習法は、ゲーム感覚もとりこまれ
ており、むかしから「効果的学習法」として流行しつづけて
きました。
 それはそれでよろしいのですが、21世紀の現代、日本語
教育の現場でも、こうした学習法、また学習指導法にしがみ
ついている現状をみると、「このままでは、アブナイ」と
いわないわけにはゆきません。世界の水準にくらべて、客観
性・合理性・説得力がとぼしすぎるからです。
 インド・ヨーロッパ語の分野では、「インド・ヨーロッ
パ全域にわたる言語資料を採集し、共通の原理・原則によ
る検査法にしたがって分析・比較・分類しています。しか
し、日本のこれまでの学習法は、こうした手続きがとられて
いません。さらにいえば、日本語の表記法として漢字という
表意モジがつかわれているため、とかく視覚にとらわれ、
コトバ(言語)は、音声言語が基本モジは、コトバを表
わすための道具にすぎない」という大原則が確認されていま
せん。インド・ヨーロッパ語研究の分野で、「語根と派生語
の対応関係」があきらかにされたのが、いまから200年ほど
まえですから、日本語音韻研究の現状は、世界水準から見
て、200年ほどの「時代おくれ」ということになります。
 具体的な例を挙げておきましょう。英語の辞典では、一つ
一つの単語について、古代・中世・現代にわたる音韻変化
経過を解説するのが原則で、その解説がなければ、まとも
典と見なされません。日本語の辞典では(広辞苑』な
)読み方によって、音韻変化に配慮したと思われる解説
もみられますが、すべての単語に、正面からズバリ、音韻変
化の解をつけるスタイルにはなっていません。
 ここまで考えると、やはり「言語観」という根本問題にツ
キアタリます。「コトバとはナニか」、「音声言語か、モ
言語か」。単語・音節・音素・音形・意味」などの意
・用法ついても、きっちり議論しつくし、全員の共通理
が確認できたうえで、「合理的で、説得力のある言語
をめざして、議論をすすめるべきだと考えています。

射的ゲーム
 713()。午後、9fで機能訓練の後半、「射的ゲー
ム」()をしました。3段の射的セットが用意され、ティッシュ・ケースのアキバコ[空箱]が、1段に1個ずつ、タテにおかおれています(この方がたおれやすい)。指定席からの距離は、わずか1メートルあまり。ここで渡されたオテダマ[御手玉]をつかみ、射的(アキバコ)を目がけて投げつけます。3個ともたおすまでに投げつけたオテダマのカズはどれだけか。そのカズをカゾエくらべるゲームです。百発百中という人はおられなかったようです。10発前後の人がおおく、最多でも30発以内でおさまっていたようです、ただ、あとで画面をながめてみると、いかにも殺風景で、ついつい昔の戦争中の生活場面が思いだされます。
 しかし、それとはちがった見方もできそうです。「こんな
生活」をしながら、現に「これだけ楽しんでいる」という
とは、コロナ・ウイルスとのタタカイのなかで、人間のも
イキル・チカラ(生命力)が、ここまでキタエあげられた
ではないか、という見方です。
 いずれにしても、この年まで生きながらえてきたこと自体
フシギ。自分ひとりのチカラではありません。まわりの人たちにささえられて、はじめてできたことです。これからも、ョボクレタ気もちはフリすて、ゼロ歳のアカンボウになったつもり、たのしい気もちで、一日一日を過ごしてゆけたらとねがっています。

誕生祝いのご膳  
 この日、夕食のご膳は、すこしだけにぎやかでした。メニューを見ると「xxさまお誕生日」とのこと。「赤飯」、「すまし汁」、「とんかつ」、「酢のもの」など、誕生日を祝うゴチソウが一式そろっています。そして食後のデザートには「ロール・ケーキ」。毎回、ご本人のコノミをたしかめたうえで、メニューが決定されるときいています。
実をいうと、「めぐみ」での生活のなかで、絵になる場面
として期待できるのは、毎日3回の食事くらいのものです。
食膳にならんだ料理は、のこらず食べてもらうことが第一条件。どれだけおいしそうに見える料理でも、食べる本人の体調しだいで、じっさいに完食してもらえなければ意味がありません。それで、たとえば食事の素材については「ごはん・おかゆ・パン」、「牛乳・ヨーグルト・ヤクルト」のドレにするか、本人の希望にあわせて決定されるようになっています。
 また同一の素材についても、和風・洋風・中華風など、食欲をあおりたてる調理法が研究されています。そして、「めぐみ」のような施設では、調理専門のスタッフがいて、居住者全員に毎回完食してもらえるよう、メニューを調整しています。その点から考えて、「めぐみ」給食のご膳が、もっとも絵になりやい」場面だということは、まちがいありません。しかし、だからといって、ブログの写真として「給食のご膳」をならべるだけでは、これまたサマになりません。ナヤマシイところです。それにつけても、1日でもはやく「外出禁止」が解除されるようねがうばかりです。

t-t音漢語の基本義日本語の系譜(17回)
 t-t音漢語の数はあまりにも大量なので、その全部を紹介することはできません。『学研・漢和大字典』の解説をたよりに、これまで採集できたものについて紹介させていただきます。
日本漢字音・漢字・出典掲載㌻・上古音・現代音・日本語訳・解説」の順に表記。なお、各項*印以下の注は、引用者の責任。

イツ
逸 1322 dietyi ①はしる。のがれる。②ルートから抜け出て、横にそれる。③世の中のルールからはずれる、ワクをこえる。④気楽なさま。*自由にツキデル姿。ツク[突・着・付]・ツツク[]・ツキデル[突出]・チル[]・ツル[吊る]・デル[]姿。
サッ
札 622 tsatzha ①ふだ。昔、文字を記すために使った薄い木のふだ。②手紙。*地面や竹簡にツキツケル・キザミコム姿。
扎 511 tsatzha ①針を押さえて刺す。②抜き通す。③もがく。④ふだ()。*ツキトオル姿。
察 367 ts’atcha ①曇りなく目を光らせる。細かく見わける。②曇りなくすみずみまで調べ考える。*ツキサス・ツキトメル姿。
擦 557 ts’atca ①する。こする。②こすって汚れをとる。「手+音符」からなる会意兼形声モジで、こすって汚れをとり去ること。*やがてタツ[]・トリサル[取去]姿。
刹 145 ts’atcha ①仏教徒が寄進する旗柱。転じて、寺の意。梵語ksetraの音訳。古刹(古い寺)。②塔。もと、墓の土盛りの上に立てた柱。のち佛骨をおさめた塔。梵語citiの音訳。殺の異体字だが、仏典の漢訳に専用される。*天(真実)をもとめてタチあがり、世間の不要なものをタチ[]すてる姿。
撮 551 ts’uat>cuo ①つまむ。②とる。必要な部分だけとる。*要と不要をトリわける姿。
至 1078 tiedshe ①いたる。目ざす所までとどく。いたれる。いたって。いたるまで。「矢が下方に進むさま+一印」の会意モジで、矢が目標線までとどくさまを示す。室・抵・致などと同系。*イ[]タル[垂・足]姿。
シチ
七 4 ts’iet>qi ①なな。②七番目。③ななたび。*七個あるものを二人に分配するとき、三個ずつ分けた残りの一個は中途半端なので、チギル・ステルしかない、その姿。くらべて、日本語のナナは、「ナ(ナリモノ)のナ(ナリモノ)」の感覚。三代目のイノチは、七番目のナリモノ(存在)
シツ
質 1261 tietzhi ①もと。しろ。中につまっているもの。なかみ。内容。②たち。うまれつき。③生地のまま。すなお。④問いただす。「斤二つ(重さが等しい)+貝(財貨)」の会意モジで、Aの財貨と匹敵するだけなかみのつまったBの財貨をあらわす。実・室・窒などと同系。*タマル・ツマル・トマル・トドマル、その中身。
室 356 thietshi ①へや。奥まったへや。②むろ。「宀(やね・いえ)音符至」の会意兼形声モジで、いちばん奥でいきづまりのへや。*ユキヅマル・トドマルところ。
失 312 thietshi ①うしなう。とり逃がす。②やるべき仕事や時期・道筋などを見のがす。③あやまち。しくじり。④するりと抜け去る。なくなる。*ツキデル・ヌケデル姿。
疾 865 dzietji ①はやい。スピードがはやい。②やまい。急性のやまい。③つらいこと。くるしみ。なやみ。④やむ。くるしむ。なやむ。⑤にくむ。*ヒッツク・ツキサス姿。
嫉 334 dzietji ねたむ。にくむ。*疾・蛭などと同系。
蛭 1153 tietzhi ひる。虫の名。魚や人畜の皮膚にピッタリとくっついて、その血を吸う。
ジツ
實 352 dietshi ①み。中身のつまった草木のみ。果実。②みのる。草木の中身がつまる。③みちる。④まこと。そらごとではない。⑤まことに。*實は「宀(やね)₊周(いっぱい)+貝(たから)」の会意モジで、家の中に財宝をいっぱい満たす意を示す。質・窒・室などと同系。*中身がタマル・ツマル・トドマル姿。
シュツ
出 132 t’iuetchu ①でる。②外にあらわれる。③家の外に出て、公共の場所で働く。④内から外へ出す。*突・凸などと同系。*ツキデル姿。
ジュツ
術 1171 diuetshu ①わざ。てだて。②すべ。長年の間にできた、テダテ・たくらみ・やり方。③みち。村の中の通り道。物のすじ道。法則。*ジュツ[]はモチアワ[餅粟]を描いた象形モジで、「穂の軸にくっついて離れない」姿を示す。⇔テ[]・テダテ[手立]
述 1310 diuetshu ①のべる。旧来の道に沿っていく。②すでにある考えや、今までのいきさつを、言ったり書いたりして知らせる。*筋道をタテル・タドル姿。
スイ
酔 1353 tsiuedzui ①よう。のみつぶれる。②酒を飲んで酔ったように、正気をなくする。物事に夢中になる。*クダカレ・ツブサレ・ツブ[]の姿になる。
翆 1035 ts’iuedcui ①よごれのないミドリの羽。小鳥の名。カワセミ。また、宝石の名。②みどり。ヒスイ[翡翠]のような青黄色。*まっすぐツキトオル姿。また、人の心をウツ・ウッタエル・ウタイカケル姿。
セイ
世 19 thiedski ①親が子に引き継ぐまでの約三十年間。②よ。時代。③人間の社会。世間。十の字を三つ並べて、その一つの縦棒を横に引きのばし、三十年間にわたり期間が延びることを示した会意モジ。泄・洩などと同系。*ツキデル・ノビル姿。
ゼイ
税 937 thiuadshui ①みつぎ。年貢。②税をかける。年貢をとりたてる。*収穫をトキワケ、その一部をヌキトル姿。
脆 1061 ts’iuadcui ①もろい。ポロリとこわれやすい。②歯ぎれがよくてすっきりとしたさま。③シンがない。腰が弱い。かるがるしい。*ツク・ウツ・クダク姿.
セツ
節 963 tsetjie ①ふし。竹のふし.一ふし。②音楽の調子。③一年を時候の変わり目でくぎった区分。*フシ[]は、「直線状の竹の幹に、一定の間隔で切れ目をウチ[]ツケル[]」姿。根源的には、タツ[立・断]
櫛 676 tsietshe ①くし。髪の毛をスキトカス道具。②くしけづる。③くしの歯のようにすきまなく並んださま。*フシ[](竹のフシ)にギザギザの歯をキザム(ツツク)姿。
折 514 tiatzhe ①おる。中ほどでギクンと木や骨をおる。おりたたむ。②おる。くじく。中断する。④ガクンと曲げる。⑤さだめる。判定をくだす。*突き出ているものがトギレル姿。タツ〔断〕姿。
説 1221 thiuatshuo ①とく。しこりや難点を、ことばでトキアカス。②とく。むすんでしばってあったものをトキハナス。③いわれや理屈を説きあかした意見・主張をもりこんだ文章。④はなす。ものがたる。*ダ[]は、「八(ときはなす)+兄(頭の大きい人)」の会意モジで、人の着物をトキハナスこと。脱の原字。説は、「言+音符兌」の会意兼形声もじで、ことばでシコリをトキハナスこと。脱・税などと同系。
切 135 tsetqie ①きる。刃物をピタリと当て、切れ目をきれいに切る。②刃物で骨を切ったりこすったりして、細工する。③身近にピタリくっつくさま。→親切・懇切。④せまる。せきたてる。→切迫。*タツ〔断〕・チギル姿。
ゼツ
絶 999 dziuat>jue ①絶つ。ズバリと横にたち切る。②たち切ってやめる。③たつ。たえる。とだえる。*タツ[]・タユ[]・チギル・トギレルさま。
舌 1081 diatshe した。②口中で自由に動くもの。*タツ[]姿、また、タツ[]姿。
 日本語のシタ[]は、口の中にシズマリ、自由に動きまわり、まわりのもの(食品など)をシズメル[]役。⇔シタ[]//sitter.
ソツ
卒 179 tsuetzu 十ぱひとからげの雑兵や人夫。②にわかに。*サイ[]・ソツ[]などと同系。*アツメル・タメル・マトメル、そしてタチ[断・絶]キル[]姿。
兌 107 duaddui ①あな。抜け道。抜け出る。抜きとる。*人の衣を開いて脱がす(トキホグス)姿。
タイ
対 370 tueddui むかう。前にあるものと向きあう。②まともに顔をむける。③むかいあって。④相手の問いに対してこたえる。⑤二つで組をなしてひとそろいになるもの。
隊 1429 dueddui くみ。ずっしりとまとまった人間の集団。特に、兵の集団。*ツキ[突・付]アウ姿。
泰 720 t’adtai ①やすらか。やすい。おおらかで、ゆったりしている。②おごる。ぜいたくなさま。③やすらぎ。安心できること。④周易の六十四卦の一つ。陰と陽が十分交流しあう状態をあらわす。*自由自在にツキデル・ツキトオル姿。
退 1312 t’uedtui ①しりぞく。しりぞける。②公の場所からひきさがる。③あとへひいて遠慮する。*ツキダサレル姿。
帯 407 taddai ①おび。長い布でつくり、腰に巻くおび。②ひもで身につける。③おびる。そばにくっついている。ともなう。④おび状の土地。*ダ[]・イ[]などと同系。タル[]タレル・タドル姿。
滞 764 diadzhi ①とどこおる。止まったまま、いつまでも動かない。②はかどらない。*帯が腰にまといついたまま動かない姿。⇔トド・トドム・トドマル・トドコオル。
太 306 t’adtai ①ふとい。たっぷりとふくれている。②砂をざっと洗い流す。はなはだ。横にツキデル・タマル姿。
汰 713 t’adtai ①強い勢いでたっぷりと水を流す。不要なものを流しさる。③はなはだしい。おごる。④なみなみとたたえた水。*水がたっぷりタマル姿。
ダイ
大 301 dadda ①おおきい。②おおいに。③はなはだ。あまりにも~でありすぎる。*人が手足を広げて、大の字に立った姿を描いた象形モジ。*ツキタツ姿。
達 1327 datda ①とおる。とおす。②広く通用する。③すらすらと理解する。なんでもこなせる。→達人。タイ[]・ダイ[]と同系。*羊は、すらすらと子を産む安産のシンボル。ツキトオル・トドク姿。
ダツ
脱 1063 t’uattuo ①ぬぐ。②はなれてぬけ出す。③あっさりと離れている。→洒脱。④セミがカラを脱ぐ。*ヌケデル姿=(視点を変えれば)ヌキダス姿=トキハナツ[解放]姿。
奪 319 duatduo ①うばう。すっと抜きとる。②うばう。力ずくで他人のものを抜きとる。*人がわきにはさんでいる鳥を、手ですっと抜きトルさまを示す会意モジ。
韃 1464 tatda ①むちうつ。②韃靼とは、中国北方の蒙古系民族の唐代から清代にかけての呼び名。韃は、「革+音符達」の形声モジ。むちうつ音をあらわす擬声語。
致 1079 tiedzhi ①いたす。目ざす所までとどける。②こちらまで来させる。③ぎりぎりの線まで力を尽くす。④役を返上して、役人をやめる。⑤ある結果をまねきよせる。⑥気持ちのいたるところ。おもむき。*イ[]タル[垂・足]・トドク[]姿。
チツ
膣 1069 thiet>shi 女性生殖器の一部。子宮から体外へ通ずる管。*中身がアツマル・タマル・ツマル姿。
秩 935 diet>zhi ①とり入れた作物を、順序よく重ねてびっしりつめこむ。整ったきまり。②ふち。俸禄。シッ[]などと同系。*アツメル・ツメコム姿。
帙 405 dietzhi ①和とじの本を包むおおい。ふみづつみ。帙に入れた書物や文章を数えることば。秩・實・質と同系。*アツメル・マトメル・ツツム姿。
窒 948 tietzhi ①ふさがる。行きづまって進めない。動きがとれない。②ふさぐ。行く道をとじる。*「ti(ツキ[])et(イタル[射足・至)]の構造。
テツ
哲 234 tiatzhe ①あきらか。いい方ややり方がズバリと切れて、適切であること。②賢い人。「口+音符折」の会意兼形声モジで、言動が明快に断ち切れること。
()1373 t’ettie ①くろがね。中国の鉄器は春秋時代後期におこり、戦国時代に普及した。②くろがね色。黒光りのするさま。③かたくて強い。かわらない。④刃物、また、武器。鐵の字形は、「まっすぐに物を切り落とす鋭利な金属」をあらわす。*つよく・まっすぐ、ツキデル姿。
轍 1301 diatche ①わだち。くるまが通りすぎたあとに残った車輪のあと。②すぎ去った物事のあと。前代から残ったやり方。テツ[]と同系。
綴 1006 tiuadzhui ①つづる。つづり。つぎつぎと、つなぎあわせる。かがる。②すき間をかがって封じる。テツ[(すする)・畷(なわて。あぜ道)]と同系。*手や糸で、ツツク・ツツク・ツヅケル・ツヅル・ツナグ姿。
徹 451 t’iatche ①とおる。するりと突き抜ける。つらぬきとおす。②とる。すっと抜きとる。場にある物をとり去る。タツ[達]・テツ[]と同系。イク[]は、お産のとき、頭から赤子がうまれるさま。*ツキデル[突出]・ツキダス姿。
姪 329 dettie めい。きょうだいがうんだ女の子。*「女+音符至」の会意兼形声モジで、血縁の末端に当たる者との意。窒(行きづまり)と同系。
迭 1310 detdie ①かわる。序列・地位からぬけて、他のものとかわる。②すっとすべる。たがいに。かわるがわる。*一部がツキデルことにより、他のものと入れかわる姿。
躓 1285 tiedzhi ①つまずく。足が物につかえる、②失敗する。しくじる。*ピタリとツキ[突・着・付]アタル[]姿。⇔ツマヅク。
澈 775 t’iatche ①きよい。水が澄んで、すきおおるさま。②水が尽きて、底が見える。③とおる。つきぬける。*ツキトオル姿。
トツ
突 945 duettu つく。つき出る。②ぽんとつき出ているさま。③つき出たもの。煙突。*アナ[穴]の中から急に犬がとび出すさま。凸と同系。
凸 154 t’uettu 突き出ているさま。突き出る、突き出た部分。*ツキデル姿。

【参考】
 以下、参考までに、t-t音語とはいえないが、近い関係にあると思われる語音(s-r, s-t,t-k,t-p,t-rなど)を記します。tt音語と比較することによって、それぞれの語音タイプがもつ基本義のチガイが見えてきます。その意味で、やはり重要な参考資料といえます。

エイ
洩 726 siadyi もれる。もらす。*ツキデル・ツキダ  
 ス姿。
サイ
 231 tseg>zai ①感嘆の語気をあらわす助辞。②や。反問の語気をあらわす助辞。③や・か。疑問の語気をあらわす助辞。④はじめて。*テ[](道具)をツカイ[使]、ものをタチキル姿。言い出したコトバを、そこでタチキリ(裁断)、ナゲダス姿。また、「裁断」とは、素材にはじめて加工することなので、「はじめて」の意の副詞ともなった。
サイ
砕 908 suedsui くだく。くだける。*ソギ[]ツクス[]姿。スイ[](小さく締まる)と同系。
サツ
刷 143 suat>shua ①する。さっとこする。はく。清める。ごみをとり去る。*「尸(しり)の汚れを巾(ぬの)でふきとる」姿。以下のs-t音各項とともに、「t-音からs-音へ」

1137 satsa ①あまねく衆生を救う。済度。また、仏道修行しをして、悟りを得る。「菩薩」とは、佛につぐ地位にある有徳の修行者。梵語bodhisattvaの音訳。「サッタ[薩堆]とは、悩み苦しむ一般民衆のこと。衆生。梵語sattvaの音訳語。菩薩のこと。
殺 695 satsha ①ころす。刃物でそいで切る。けずり   とる。*ツキサク[突裂]・ツキサス[突刺]姿。
撒 551 satsa ①まく。まき散らす。手を振りちぎるこ と。*手をフリサク[振裂]姿。
冊 122 ts’ekce ①木簡や竹簡にものを書き記し、ヒモを通してとじたもの。書物の原形。ふみ。書物。日本ではサツ[]と混同して、(サクと読むべきところを)サツと読むようになった。
シツ
湿 756 thiep ①しめる。うるおう。②しめす。うるおす。   *ズブヌレ・ショボショボの姿。
悉 474 sietxi ①ことごとく。つくす。つまびらかにする。*うすくサク[裂・割]・スク[]・サキワケル・スキワケル姿。
膝 1069 sietxi ひざ。その屈折によって、人体を短い区    分にわける,tもっともおもな関節。
虱 1159 sietshi 虫の名。哺乳類に寄生して血を吸う。 * シミツク。スミツク姿。
ti
スイ
帥 406 siuedshuai ①軍をひきいる大将。元帥。②最高 の指導者。かしら。*シ[]は別字。
水 704 thiuer>shui みず。*独自の固定した形体はもたないが、どんな形の容器にも合わせてシミコミ・シミこむ。固体・液体・気体と変身し、宇宙のスミまで位置をシメル。また、太陽のヒカリや熱エネルギーとならんで、地球上すべてのイキモノに対して、生殺与奪の権威をシメル。
粋 975 siuedcui ①小つぶできれいにそろっているさま。くわしい。きめ細かくて質がよいさま。*ソツ[]は、「衣+十」の会意モジで、はっぴを着た十人ひとからげの小者。粋は、「米+音符卒」の会意兼形声モジで、ちいさい米がそろっていて、まじりけのないこと。サイ[](小さくそろった砂利)と同系。
吹 220 t’iuerchui ふく。息をふく。また、楽器をふき鳴らす。風がふく。*人が体を曲げて、口から息をフキダス・ツキダス姿。フキダス・ツキダス姿。
炊 786 t’iuerchui  人が背をかがめ、火を吹きおこすさま。
1176 siuershuai ①おとろえる。②そぐ[]。へつ  る。へる。*ミノ[]の原字。サイ[砕・摧]と同系。
セツ
接 537 tsiapjie ①くっつく。つぐ。人と会う。まじ    わる。オスとメスが交接する。
雪 1445 siuatxue ①雪。ゆきふる。すすぐ。そそぐ。よごれを去ってきれいにする。清める。*ソギトル姿。
鱈 1531 (siuat)xue 海に住む魚の一種。北日本方面の深海に住む。もと国字だが、今は中国でも使う。
屑 384 set>ie ①くず。小さい破片。細かいさま。「尸(からだ)+音符肖」の会意兼形声モジで、人体の細かい部分を示す。*サク[]・ソグ[]・トク[]姿。
泄 720 siatxie ①もれる。もらす。少しずつたらたらと外へ出る。たまった水・気体や思いなどを外に少しずつ出す。便が少しずつもれ出る。世・洩などと同系。
ソツ
率 830 siuetshuai ①ひきいる。はみ出ないようにまとめて引き締める。引率・率先。そのままにまかせる。それだけで、まじりけがないさま。率直。*ヒキヅル[引吊・引連]・ツレダス[連出]姿。
タイ
待 444 degdai*テアシ[手足]をツカイ[使]、アイテ[相手]をモテナス[持成]さま。
怠 465 degdai *身心の緊張をトク[](やわらげる)姿。
袋 1178 degdai *物を入れかえてはこぶ布の入れ物。
苔 1098 degtai *森の中、意志の上、樹皮などに自生する、小さな緑色の植物。
逮 1323 degdai *追いかけて、ツカマエル。トラエル姿。
体 63 t’er>ti *各部分がツラナリ[]、マトマル姿。
態 488 t’egtai *「こうできるぞ」という心構え・身構   え。
 1068 tuertui *もも。ずんぐりと太い姿。
褪 1186 tuentui *ヌグ[](衣服を下におろす)姿。
碓 911 tuerdui *石のうす。ずっしり重い。堆と同系。
戴 506 tegdai *いただく。じっと、頭の上にのせてお   く姿。
替 615 t‘erti *夫(おとこ)が二人で、入れかわるさま。
諦 1232 tegdi  あきらかにする。あきらめる。 [と   同系。
貸 1256 t’egdai  *貸す。手を貸す。ユトリをアタエルさ   ま。
ダイ
台 206 degtai *ウテナ(腕で打ち付けたナリモノ=加工品)
題 14781478 degti *ひたい。まともにツキデル・ノビデ   ルさま。
代 51 degdai かわる。かえる。一定のポストに人や物   が入れかわる。よ。世代が入れかわること。転じて、人間の一生の間。ある王朝の統治する期間。*「人+音符ヨク[]」の形声」モジで、同じポストにはいるべき者が互い違いに入れかわること。タイ[]・タイ[]と同系。ヨク[]は、鳥をからめて落とすために、矢にひもをつけて射るしかけ。ボウグイ[棒杭]。*ツケル[付・着]姿。
岱 391 degdai. 泰山のこと。ツキデルさま。
醍 1357 t’erti 澄んで赤味のある酒。乳の表層にまっすぐ平らに張るバターの姿。
稚 938 dierzhi *おさない。わかい。生長がおくれて、タケ[高・丈]がチイサイ[]
遅 1327 dierchi *おそい。おくれる。歩みのおそい動物。オトル[]・オチル[]姿。
値 83 diegzhi *あたい。まともに目をアテル[]。直・置・植と同系。
池 710 diarchi  
馳 1500 diarchi *ツキデル・カケダス姿。
池 710 diarchi *蛇など、長くにノビデル姿。
地 268 diegdi  *土地。ツキデル・ノビデル姿。
治 721 diegzhi *河川に人工を加えて流れを調整する。テ[]をアテル[+]姿。
智 603 tiegzhi *チ[]と同系。ずばりいいアテル[]。サトイさま。
痴 869 t’iegchi *おろか。何かにうかえて、知恵がはたらかないこと。
置 1025 tiegzhih *その場所にオク・オチツカセル。
弛 432 thiegchi *弓がだらりと
恥 471 tiegchi *心がやわらかく、いじけるさま。
 903 tiegzhi *矢のようにまっすぐに物事の本質を言い当てること。
蜘 1157 tiegzhi *小きざみに動いては、とどまるくも。
チク
竹 956 tiokzhu ①たけ。②チクハク[竹帛(白絹)]とは文
 書のこと。昔は紙がなく、竹簡や布に字を書いたことら。