2020年11月5日木曜日

ハロウインまで



箏を聞く会 9/28


9fベランダのミドリ 9/30


マチガイさがし 10/5 


しりとりゲーム 10/14


松川ドライブ 10/21


里の秋 10/24 


ハロウインの昼食 10/31


ぬりえ



箏を聞く会

928(月)。午後、機能訓練の時間に、9fで「」が開かれました。「めぐみ」住人仲間の見澤さんによる、2か月ぶりの演奏会です。「赤とんぼ」、「夕やけこやけ」、「ゆりかごのうた」、「春の小川」、「茶つみ」、「もみじ」、「里の秋」、「虫の声」、「おぼろ月夜」など、計14曲を披露されました。出席のみなさん、だれもが子供のころからなじんできた曲ばかりで、その思い出をたっぷり楽しんでおられました。

 

9fベランダのミドリ 

9月30日(水)。午後、9fで機能訓練の後、ベランダに出て、しばらくヒナタボッコをしました。風もなく、絶好のヒヨリ。イネムリしたくなる感じ。帰りぎわ、わたしはベランダの一隅に植えこまれた木のミドリと対面していました。木のナマエは分かりませんが、そのミドリ色をながめているだけで、なんとなくイヤサレル(生きる力をもらった)思いがしました。

 

マチガイさがし  

105()。この日、機能訓練の中で、「マチガイさがし」げームをしました。1題目は、「七輪でメザシを焼いている」場面。左の絵と右の絵は、まったく同じテーマ、おなじタッチで描かれています。しかし、よく見ると、マチガイが7個あるとのこと。5個くらいまでは、ほぼ順調にすすみましたが、神経がつかれてきた感じで、かなり時間がかかりました。2題目は、「ワンコそば大食い大会」の場面。上の絵と下の絵とくらべて、マチガイ7個を見つけだす作業です。一事が万事。アワテズ・アセラズ・サワガズ、ユックリ腰をすえてシゴトにトリクムことが大事だと教えられた感じです。

 

しりとりゲーム 

 1014日(水)。機能訓練の時間に、「しりとりゲーム」をしました。出席者が席にすわったまま、ヒトコトずつ発声し、スタッフが白板に書きあげます。この日は。「トマト・トジマリ・リンゴ・ゴマ・マスク・クダモノ」などとつづきました。これまで何回もくりかえされたゲームなので、いささかマンネリの感じがないでもありませんが、ぎゃくに、みなさんゲームの要領がわかってきただけに、「このつぎは、どんな語音でつないでみようか」と待ちかまえている姿もみられました。「頭の体操」、「脳の活性化」のために効果がありそうです。

 

松川ドライブ

 1021日(水)。午後、スタックが運転するクルマに便乗、富山駅周辺や松川遊歩道あたりのドライブに参加させていただきました。「めぐみ」の住人二人の女性も同行。快晴に恵まれ、風もなし。絶好のドライブ日和でした。

 わたしは、戦後中国から引きあげてきてからの70年間、ずっと富山市砂町、いたち川中流、雪見橋ちかくで暮らしてきました。自宅を出て1分以内でいたち川遊歩道にたどりつき、雪見橋から上流(南方)に立山連峰をながめることができる場所です。「いたち川散歩」がわたしの日課になっていたので、ブログを立ちあげたときも、そのままタイトルとして利用しました。丸の内の「めぐみ」に移動してからは、「いたち川散歩」はムリとして、せめて「松川散歩」を日課としたいと願っていましたが、こんどはコロナ・ウィルスさわぎで「外出禁止」となってしまいました。

 そんなしだいで、「川べりの樹木のミドリ」へのアコガレがつのっていたので、とくにお願いして、松川遊歩道あたりをまわっていただきました。わたし一人の幻想かもしれませんが、木の葉一枚のミドリが、そのままミドリ[御鳥]であり、ミドリゴ[嬰児](生まれたばかりの鳥の子、とりわけ男の子)の姿に見えました

 

歌の時間 

 1024(木)、午後機能訓練は「歌と体操」の時間でした。ビデオで、坂本九の歌「上を向いて歩こう」のメロデイ―が流されるのを聞きながら、また、タレントが演じるフリツケをながめながら、出席者たちがを動かしたり、を動かしたりします。曲目は、ほかに「里の秋」、「古時計」、「冬の夜」、「雨降りお月さん」、「手のひらを太陽に」、「幸せなら手をたたこう」、「365歩のマーチ」など。上手・下手は関係なし。どうにかして、まずは口や手足を動かすようにとの作戦。まさしく「歌と体操」の時間だったと思います。

 

ハロウインの昼食 

 1031()。ひさしぶりで、「めぐみ」の昼食をご紹介します。まず、ハロウインカードがかざられ、「カボチャのクリーム・スープ」、「焼き栗コロッケ」、「ほうれん草ゴマあえ」、そして最後は「ハロウイン・デザート」までそろっていました。

 ハロウインは、西洋キリスト教布教がはじまるまえの時代社会の民間信仰日本でいえば、ヤオヨロズの神が祭られていた時代のオマツリにあたるようです。そう聞かされると、国籍や民族のワクをこえて、「イキ[]をすることで、イキ[]ている人間同士」の関係。なんとなくシタシイ[]感じがしないでもありません。

 

ぬりえ

 〇月〇日(日付を忘れてしまいました。申しわけありませ

ん)。機能訓練の後半、「ぬりえ」に挑戦しました。A4判用

紙に「あけび・イチジク・クリ」の図形が印刷されてあり、

別に24色入りのクレヨン・セットが用意されているので、あ

とは自分の思うとおりいろをぬってゆけばよいわけですが、

そそっかしいわたしは、いちばん上部の図形を見て、てっき

「トウモロコシだ!」と思いこみ、黄色にぬってしまいま

した。「下手な図形だな」ぐらいに思っていたのですが、そ

のあと課題を読みなおし、「アケビ」と明記されていること

に気づきました。これは大失敗。しかし、それではどうした

らよいか?クレヨンのどの色をつかえば補正できるのか?見

当がつきません。アケビの特色として、黒っぽいツブツブ

をぬりこんでみれば、よかったかもしれません。

 クリの色にしても、自分の頭の中に、これがクリだというものがあることはたしかですが、さてじっさいに、24色のどのクレヨンをぬってみても、そのイメージが一致しません。
平生でも、新聞などで小中学校生徒の絵画作品を見ていまが、「自分には、小学校低学年ていどの才能もない」と思い知らされています。おはずかしい話ですが、これが実態です。


s-k音語の基本義日本語の系譜(20)

 これまでも、8音図」、「64音図」について、「音形とその意味(事物)との対応関係」を中心に、議論をつみかさねてきました。おかげさまで、ある程度、自信がもてるところまで達したと感じています。ただし、最近になって、その議論の内容をブログで公開する方式について、考えなおす必要があると思うようになりました。自分の思考過程を記録するためのメモなら、これまでのヤリカタでよいかと思いますが、ブログはもともと、「人さまに読んでいただき、助言をおねがいする」ためのもの。もし、「誰にも読んでいただけない」のが実態だとすれば、それは「ピントはずれのヤリカタ」だったと考えるほかありません。

 いちど失敗したら、もういちど一からヤリナオスだけ。さっそくですが、今回から毎回、64音図のうち1タイプを選び、「音形とその意味(事物の姿)との対応関係」を中心に、毎回おなじ要領で議論をすすめ、できるだけ整理したうえでブログにのせたいと考えています。今回は、s-kをとりあげます。日漢英3言語、それぞれの民族言語の分野で、主流派を占めている語音です。

1. 日本語のs-k

1.1.    擬声・擬態語

 サクサク・サクリ・ザクザク・ザクリ・サックリ・ザックリ・シゲシゲ・スカスカ・スガスガ・スクスク・スゴスゴ・セカセカ・ゾクゾク・ソコソコ・ソックリ。

 擬声・擬態語は、「品詞語以前のコトバ」ということで軽視される傾向がありますが、よくしらべてみると、これらの擬声・擬態語からおおくの品詞語が生まれてきたことが分かります。その点から、擬声・擬態語の役割を評価しなおすべきだと思います。

 

1.2.    2音節語

動詞

サク[裂・割・咲・避・離・放]

サグ[]

シク[如・若・及][敷・布]、シク[]

スク[][][透・空][][梳・漉]

スグ[]

セク[][][塞・堰]

ソク[退]

ソグ[殺・削]

*名詞など

サカ[][坂・坂][][][逆・倒][][][]

サガ[相・性][] 字音語か。

サキ[先・前][][]

サギ[]

サケ[] サカ[]の語尾母音交替。

サケ[] アイヌ語サキベ(夏の食物)からともいう。硬骨魚。

サゲ[下]

ザコ[雑魚]

シカ[鹿] メカ(女鹿)に対して、牡鹿をいう。角は、牡鹿だけにある。

シカ[]

シケ(時化)悪天候のため、うみがあれること。

シゲ[繁・茂]

シコ[醜・鬼]

スカ ①川水・海水などによって生じた砂地。②あてがはずれること。見当ちがい。

スガ[] ①スゲの古称。②[菅・須賀]姓氏の一つ。

スキ[][][][透・隙]、[漉・抄]、[鋤・犂][]

スギ[杉・椙]、[過]

スグ[直]

スケ[助]、〔次官〕(助の意)、[鮭]。

セキ[塞・関]①動詞セクの名詞形。②関所。

セコ〔背子〕男子を親しみ呼ぶ称。

ソキ 木を薄くそいだ板。コケラ・ソキイタとも。

ソコ ①[底]。②[其処]。③[塞・塁]要塞。とりで。

 

1.3. s-k音日本語の基本義

 s-k音が表わす基本義は、s-音、kそれぞれが表わす基本義を総合したものです。s-音の基本義は、肺から押し出されたイキが、舌のサキ(=ハグキ)をスル〔擦〕(コスル)ことによって、摩擦音s-が生まれる姿。また、k-音の基本義は、肺から押し出されたイキが、途中ノドのあたりでナニかにヒッカカリ、ヒッカケながら、クチ[]から破裂音k-が生まれる姿。総合して、「スレて出てクル」姿。サカ[酒・坂・阪・逆]、「サク[裂・割]」、サキ[先・割・咲・裂]、「サグ[]」、サケ[酒・鮭]、「シク[敷・布]」、シカ[鹿・然]、シキ[敷・布]、シゲ[繁・茂・重]、シコ[]、「スク[好・鋤・透・空・漉・梳]」、「スグ[過・直]」、スガ[菅・管]、スギ[杉・過]、「セク[堰・急・咳」、「セキ[堰・関・咳」、「ソコ[底・其処]」などとなります。ずいぶんサマザマな意味用法が見られますが、s-k音のワクは厳格なもので、そのワクをはみ出すことは許されていません。

 

2. 漢語のs-k

漢語の音節構造は、日本語や英語と異なり、CVC。つまり、語頭と語尾を子音でカコミ、その中間に母音をハメコム、モナカ[最中]・アンパン型の構造です。その音形は、上古漢語の時代に設定・確定されたものですが、現代漢語までの過程で、多数の語尾子音が脱落し、残ったのは-n, -ngだけとなっています。ただし、音節としての意味・用法は、上古漢語そのままです。

ここでは、s-k音タイプの音節をとりあげ、音形とその意味(事物の姿)との対応関係をさぐります.ただし、ひとくちに「s-k音タイプの音節」といっても、実際はあまりに多量なので、まずは典型的な用例をえらびだし、日本語や英語のs-k音用例とも比較しながら、チェックすることにします。いつものとおり、『学研・漢和大字典』の中から「s-k音」関連語を採集し、上古音・現代音・意味用法解説などをご紹介します。あわせて、s-k音日本語の基本義との比較がしやすいように、各項でくりかえし提案してみました。

 

2.1.     s-k音の漢語

さて、いよいよs-k音漢語の採集にはいるわけですが、漢語では、s-k音語にからんでts-k音語に直面することがおおく、無視できません。はじめにまずts-k音語として生まれ、やがて時代の変化につれてs-k音語に変身したと考えられる用語が多数あり、語源までさかのぼって追究するには、いやおうなくts-k音語の基本義についても探る必要に迫られるという状況です。そこで今回は、典型的なts-k音語を含めて、s-k音語の採集作業をすすめました。

サイ才 510 dzegcai ①持ちまえの能力。②持ちまえの素質。③わずかに。はじめて。やっと。*材木をサク[裂・割]姿。

ザイ材627 dzegcai ①山林から切ってきた木。②基礎の資料になって、その物事に役立つもの。③もとになる素質・才能。*材木をサク[裂・割]姿。

ザイ財 1252 dzegcai ①たから。社会で使う金銭や物質を扱う仕事や部門。*サク[裂・割]姿。

サイ哉 231 tsegzai ①かな。感嘆の語気を表わす助辞。②や。反問の語気を表わす助辞。③や。か。疑問の語気を表わす助辞。④はじめて。*サク[裂・割]姿。

サイ裁 1179 dzegcai ①たつ。衣服を仕立てるため、長い生地を適当に切る。②きる。さえぎる。適当なところで切る。③物事をきりもりする。④さばく。*サク[裂・割]姿。

ザイ在 268 dzegzai ①ある。じっとそこにとまっている。②ある。います。生きている。③物のある場所。いる場所。*存在するとは、「以前にあったモノをサキ[裂・割]ワケ、ソギ[削]オトシ、イスワル[居座]」こと。

サイ載 1295 tsegzai ①のせる。②書物にのせて、書きしるす。③車に乗せたもの。荷物。④(単位)年数を表わす。*ツギタス[継足]姿。

サイ宰 359 tsegzai ①きる・さく。肉などを切って、料理する。②仕事を意のままに処理する。④つかさ。主任の役。⑤つかさどる。*ツク[突・付]・ツカ[]・ツカム[]・ツカサ[司・宰・官]などの姿。

サイ採 534 ts’egcai とる。指先でつみとる。ある部分だけを選びとる。*ツク[突・付・着]姿。

サイ采 807 ts’egcai ①とる。②いろどり。*ツク突・   付・着]姿。

サイ彩 439 ts’egcai ①いろどる。②いろどり。*ツク[突・付・着]姿。

サイ再 122 tsegzai ①ふたたび。②ふたたびする。*  ツグ[次・継]・ツヅケル[]姿。

サク作 61 tsakzuo ①つくる。②なす。する。③なる。④おきる。⑤おこる。⑥つくったもの。*ツク・ツクル・サク姿。

サク朔618 sakshuo ①ついたち。暦の最初にもどった日。②こよみ。③北。十二支の方角の最初に当たる。⇔サク・サカノボル。

サク索 986 saksuo ①なわ。なわなう。③規律を引き締めるつな。③糸やひもを引き出す。④もとめる。⑤はなれる。孤立する。⇔サク[裂・割・咲・離・放]・サガス[探・捜]・サクル[決・抉]・サグル[探・捜]・ソク[退]・ソグ[]

サク策 960 ts’ekce ①ふだ。②ふみ。③はかりごと。④計画する。⑤占い用のめどぎ。⑥むち。⑦むちうつ。⑧つえ。*サク[裂・割・咲・離・放]・サガス[探・捜]・サグル[探・捜]・ソク[退]・ソグ[]姿。

サク酢 1354 ts’agcu ①す。②すっぱい。*ツキサス姿。

サク搾 548 国字。

サク鑿 1394 dzokzao ①のみ。②うがつ。③掘ったあな。*サク[裂・割・咲・離・放]・サクル[決・抉]・サグル[探・捜]・ソク[退]・ソグ[]姿。

サク削 146 siokxiao ①けずる。②けずりとる。きりとる。③細いさま。けずるもの、ナイフ。⇔サク[裂・割・咲・離・放]・ソグ[]

サク鑿 1394 dzokzao ①のみ。木に穴をあける道具。②うがつ。ものに穴をあける。③ほった穴。ほぞ穴。*クル[]・エグル[抉〕・サク[裂・割]・ソグ[削]姿。

シ史 205 siegshi ①ふびと。記録をつかさどった役目。歴史官。②ふみ。歴史の書。③あやのある文章。*史は、「中(竹札を入れる筒)+手」の会意モジで、記録を記した竹札を筒に入れて立てている記録役を示し、特定の役目をあずかる意を含む。シ[使・事]と同系。指をサキ[裂・割]分けてハサム・ツカム・ツカフ姿。⇔サク[裂・割・咲・離・放]・セク[堰・急]・ツカム[]・ツカフ[使]

シ使 69 siegshi ①つかう。使用する。②つかい。使者。③つかいする。人のために用事をする。④しむ。せしむ。使役を表わすことば。⇔ツク[突・付]・ツグ[次・継・告]・ツカ[]・ツカム[]・ツカフ[使]

シ司 204 siegsi ①つかさどる。②つかさ。役目を担当する人。役人。③役目の名。司馬・司徒・司空など。④役所。布政司・按察司など。*モノゴトをサキ分ける・処理するシゴト・役目。⇔ツカ[]・ツカサ[]・ツカサドル[司取]

シ士 291 dziegshi ①おとこ。青年のおとこ。②中堅の役人層。③春秋・戦国時代以後に生じた知識人。④身分で、士・農・工・商の四階層の最高の層。官僚の母体となる知識人の層。⑤りっぱな男子。⑥兵隊。近代は特に、士官のこと。*士は、男の陰茎のつきたったさまを描いた象形モジで、オス[]の字にも含まれる。シ[事・仕]と同系。*ツク[突・搗・付]姿。

シ仕 49 dziegshi ①つかえる。身分の高い人のそばに立って世話する。②つかえ。役人としてつかえること。また、役目につくこと。*旗を立てる(旗本として仕える)姿。

ジ事 33 dziegshi ①こと。用事。仕事。②こと。出来事。③こととする。問題として扱い、処理する。*サキ[裂・割]分けるシゴト。

シ子 338 tsiegzi ①子。②むすこ。③敬称。あなた。*モノゴトがデテクル・デキ[出来]ル姿。

シ字 340 tsiegzi ①文字。②あざな。③あざなする。④生む。⑤やしなう。*ツケル[]姿。

シ孜 341 tsiegzi つとめる。*ツカエル[仕]・ツクス[]姿。

シ茲 1103 tsiegzi ①しげる。②ますます。③むしろ。④ここ。これ。*シゲ・シゲル[重・繁・茂]姿。

ジ慈 483 dziegci ①いつくしむ。②情け深い。③いつくしみ。*愛情がシゲル[重・繁・茂]姿。

シ・ミャク絲 981 🈩siegsi ①いと。もと、絹糸。②細い線。🈔mekmi 蚕の繭から取った細い原糸。

シ斯 580 siegsi ①きる。さく。バラバラに切り離す。②これ・この。③すなわち。ここに。④詩のリズムを整えることば。⑤しろい。セン[]に当てた用法。*サクサク・ザクザク、キリはなす姿。⇔サク[]・シキリニ[]・シキル[仕切・重]・シク[敷・布]・シゲル[重・繁‣茂]・スク[鋤・次](スキマをあける)・セク[堰・咳・急]・ソグ[]

ジャク・セキ 汐 710 diakxi ゆうしお。うしお。また、広く潮汐現象のこと。*潮が岸辺にシク[敷・布]姿。

シャク・セキ借 81 tsiakjie ①かりる。②かす。*金・物・力が足りないとき、別口をサキわけ、とりだし、それを上に重ねて補助すること。スケル[]・タスケル姿。

シャク・サク爵 808 tsiokjue ①さかずき。②爵位。③すずめ。*サク[裂・割]姿。

ジャク・シャク・サク雀 1436 tsiokque ①すずめ。②すずめ色。③こおどりして、よろこぶ。*小さい鳥の意。*小さくサク[裂・割]・ソグ[]姿。

シュウ修 82 siogxiu ①おさめる。デコボコをとり去り、すらりとした形に整える。②性質や品行の角ばった点をとり去り、すらりとしたひとがらにする。③資料を添削して編集し、すらりとした書物の形に整ええる。⇔サク[裂・割]・ソグ[]

シュウ羞 1029 siogxiu ①すすめる。ごちそうを人にすすめる。②細く引きさいた肉。ごちそう。③はじ。身が縮まる感じ。④はじる。はずかしい。⑤はずかしめる。*身をスクメル[]姿。⇔ソグ[]・スクム[]

シュウ蒐 1121 siogsou ①あつめる。よせあつめる。②かくす。③さがす。④あかね()。⑤かり。春のかり。ソウ[]と同系。⇔サク[裂・割]・サガス[]・サグル[探]。                        

シュウ秀 931 siogxiu ①すらりと高く穂や花になる芽が出る。②ひいでる。目だってすぐれたさま。⇔スグ[]・スグル[]

シュウ収 196 thiogshou ①おさめる。散在したものを一か所にまとめる。②手に入れる。③取り集めて、役所のものにする。④中に入れる。⑤とらえる。⑥とりおさめたもの。*ソギトル[削取]姿。

シュク夙 298 sioksu ①つとに。はやくから。②朝はやく。③はやい。*時間をソギトㇽ姿。⇔ソク[退]・ソグ[]

シュク叔 198 thiokshu ①兄弟の序列で、上から三番目の者をいうことば。②妻から見 て、夫の弟。③すえ。④父の弟。おじ。*ソコ[其処・底]にヒッツク[引付]姿。

シュク祝 920 tiokzhu ①はふり。神官やミコなど、神に仕えて、のりとをあげる人。②いわう。めでたいことばを告げる。*トク[]・ツグ[]姿。

シュク宿 362 sioksu ①やどる。泊まる。体を縮めて、かりねする。②ねぐらで休む。③一夜とどめて置く。③ある気持ち・考えなどを久しくとどめ置く。④年を経ている。⑤やど。⑦星座。⑧前世。⇔ソグ[]・スクム[]

シュク縮 1015 zioksu ①ちぢむ。ちぢまる。②ちぢこまる。小さく少なくなって、たりなくなる。③したむ。酒袋をぎゅっとちぢめて、酒をしぼる。④引きしまっていて、タルミがない。⇔ソグ[]・スクム[]

シュク粥 977 tiokzhou ①かゆ。水をたくさん入れて、コメをやわらかく煮た食べ物。②ひさぐ。うる。*トキ[解]ホグス姿。また、視点を変えれば、ソグ[]・スクム[]姿。

シュク粛 1050 sioksu ①ぐっと引きしめる。②つつしむ。かしこまる。③しずか。音一つしない。④手紙などで、敬語として用いることば。⑤ちぢむ。シュク〔縮〕に当てた用法。⇔ソグ[]・スクム[]

ジュク熟 801 dhiokshu ①にる。にえる。②うれる。うらす。③作物がみのる。④条件が十分なところまで発展する。⑤奥底までよく知っている。すっかりなれている。⑥つらつら。とくと。*ツク[付・着・尽]・ツヅク[続]・トドク[届]姿。

ショ・ソ所 507 siagsuo ①ところ。②()所。ある動作を受けるそのもの、そのこと、その場所など。③()ところの。*モノが存在するのは、そのあたりをサキわける・サグクム・スキマをつくる・ソギオトス姿。⇔サク[裂・割]・スク[鋤・透]・ソグ[]・ソコ[底・其処]

ショウ湘 757 siangxiang ①川の名。②湖南省の別称。*相と同系。

ショウ小 374 siogxiao ①ちいさい。②ちいさいと思う。③ちいさい者。幼い者。④自分側のことを謙そんしていうことば。⑤すこしく。わずか。*小さくサク[[裂・割]姿。⇔サク[裂・割]・サキ[裂・割・前・先]・スコシ[小・少]

ショウ少 377 thiogshao ①すくない。②少数(の人)。③かく。足りない。④すこし。すこしく。⑤しばらく。⑥わかい。⇔スコシ[小・少]・ サク[裂・割]

ショウ抄 514 ts’ogchao ①かすめる。②うつしとる。③ぬきがき。④さっと斜めにかすめて通る。*ソギ[]とる姿。

ショウ肖 1053 siogxiao ①かたどる。にる。②「不肖」とは、子が親に似ず、おろかなこと。③小さい。小さくなる。*粘土のカタマリから、不要な部分をソギおとす(サゲル[])ことによって、小さいがよくニタ〔似〕スガタをカタドルことができる。⇔ソグ[]・サク[裂・割]・サグ[]

ショウ消 735 siogxiao ①きえる。けす。②ついやす。すごす。③ひかえめである。*現代日本語ケス[]k-s音タイプだが、上代語ではケツ[]k-t音タイプで発音されていた。⇔ソグ[](火力をソグ)

ショウ宵siogxiao ①よい。②よる。薄暗いとき。③ちいさい。小に当てた用法。*太陽の光度がソギおとされ、チイサクなる時間帯。⇔ソグ[]

ショウ硝 911 siogxiao ①硝石。②火薬。*鉱石を小さくくだく姿。⇔ソグ[]

ショウ梢 651 sogshao ①こずえ。枝の先。②物の末端。③舟のカヂ。④さお。楽人が持つ細い竹ざお。⇔ソグ[]

ショウ稍 937 sogshao ①やや少しばかり。②ようやく。少しずつ。③小さい。⇔ソグ[]

ショウ升 177 thiengsheng ①ます目の単位。十升を一斗という。②ます。③のぼる。④茎の上方に実を結ぶ。実った穀物を刈りあげる。⑤周易の64卦の一つ。上方の弱点に乗じて、下方の陽気がのぼるさま。⇔スグ[]・スゴス[]・ムスコ[息子](ムシ[[]あげられた子)。

ショウ篠 970 sogxiao しの。幹が細くて矢がらに用いる。しの竹。⇔ソグ[]・ソク[退・除]・シノグ[]

ショウ咲siogxiao わらう。えむ。*花のつぼみがサケル[裂・割]姿。⇔サク[]

ショウ松 633 suengsong ①まつ。常緑であるところから、節操・長寿・繁茂などのたとえに使う。*そこでマツカサをスクスクそだてるために、まわりがスカスカ・スキスキ・スケスケ、ス[透・空]イている状態。それだけ、マツカサがスグレ[]て見える。⇔ソグ[]・スグ[]・スグル[]

ショウ頌 1471 giungsong ①となえる。②たたえる。③「詩経」のジャンルを風・雅・頌にわけたうちの一つ。祭礼のとき、祖先の徳をたたえる歌のこと。④文体の一つ。⑤姿。かたち。⑥佛徳を賛美した教理を説く詩。*モノとモノとのスキマをサキわけ、スラスラ・スルスル・スラリ、通りスギル。サク[裂・割]姿。

ショウ焼 792 thiogshao ①やく。やける。②火事。野火。⇔サク[裂・割]・ソグ[]

ショク式 430 thiekshi ①のり。きまり。②決まった型。③型どおり行う作法や行事。④算式。⑤乗った人が寄りかかるためのクルマの手すり。⑥車の手すりに寄りかかる。あいさつする。*相手とのマアイ[間合]をシキル[仕切]姿。

ショク拭 528 thiekshi ぬぐう。*「スル+オク」=「スリ[]アワセル+オク[]」。

シヨク軾 1296 thiekshi ①シキミ。②シキミに両手をかけて体をふせ、車の上から礼をする。*ショク[式・拭]と同系。

ショク食  1486 diekshi ①くらう。くう。はむ。②たべもの。③くいぶち。④くいこむ。日や月が欠ける。⑤食べたように、なくしてしまう。くいものにする。⑥くらう。打撃をうける。*ツキ[](付いていたもの)がツキル[]姿。

ショク植 655 dhiekzhi ①草木を立ててうえる。②まっすぐに立てる。③じっと立つ。④じっと定着させる。⑤まっすぐ立てておく。*テク[手来](手が来る。立てておく)姿。

ショク殖 693 dhiekzhi ふえる。ふやす。*植と同系。

ショク飾 1489 thiekshi  ①かざる。②かざり。*サク・シク・セク・ソグなど、「テ[]がクル[](加工する)姿。以・治・式・拭などと同系。

シヨク職 1049 tiekzhi ①つかさ。②生活を支える仕事。③みつぎもの。④つかさどる。*「テ[]がクル[]」姿。

セイ・ショウ生 851 siengsheng ①いきる。いかす。うむ。生まれる。はえる。おう。おこる。なま。いきていること。いきているもの。*若芽が地面をサキ[裂・割]わけ

て生えてクル[]さま。青・清・牲・姓・性などと同系。⇔サク[裂・割]・シク[敷・布]・スク[鋤・空・透]・スグ[直・過]・セク[堰・急]・ソグ[]

セイ・ショウ姓 326 siengxing ①かばね。その姓を名のる。「百姓」とは、もろもろの姓。転じて、多くの庶民のこと。⇔サク[裂・割]

セイ・ショウ性 464 siengxing ①うまれつき持っている心のハタラキの特徴。さが。人となり。たち。肉体上の男女の区別。中にひそむもの。⇔サク[裂・割]・サガ[]

セイ・ショウ牲 814 siengsheng いけにえ。家畜を清めて、祭礼の供え物としたもの。⇔サク[裂・割]・ソグ[]

セイ・ショウ星 598 sengxing ①ほし。②星粒のように小さい。③星占い。④カブトに点々と打ちつけた釘の頭。⑤きら星のように並んだ将軍や高官。⑥二十八宿の一つ。⇔サク[裂・割]・ソグ[]

セイ・ショウ醒 1356 sengxing ①さめる。酔いや眠りからさめて、頭がすっきりする。②さめる。さます。また、迷いをとかせ、すっきりとわからせる。⇔サク[裂・割]・ソグ[]

セイ・ショウ省 891 siengxing, sheng. 🈩①みる。目を細くして、注意してみる。②かえりみる。人の安否をねんごろにたずねる。🈔①はぶく。②中国の行政区画の一つ。

セキ夕 296 diekxi ①ゆうべ。②よる。③月をまつる。また、その祭礼。*ヤ[]ときわめて近い。クラヤミというデキモノが、ヤのように・ナミのようにヨセてクルさま。シゲル[重・繁・茂]

セキ昔 593 siakxi ①むかし。時日の重なったこと。②[憶昔]とは、過ぎ去ったことを思い浮かべて歌う意。③夜。または前夜。[通昔](一晩じゅう)。⇔サク[裂・割]・スゴス[]

セキ惜 477 siekxi ①おしい。②おしむ。③おしむらくは。*一度きりでは忘れ去らず、心中に残り重なって思いがつのること。⇔サク[裂・割]

セキ析 634 sekxi ①さく。べつべつにはなす。②複雑な事がらを一つずつ分けて明らかにする。⇔サク[裂・割]

ソ素 987 sagsu ①より糸にする前の元の繊維。蚕から引き出した絹の原糸。②もと。人工を加えるまえのもの。③もと。本質。④しろい。しろ。⑤もとからの下地、つきあい。⑥もとより。はじめから。⑦なま野菜。*モノとモノとのスキマをサキわけ、スラスラ・スルスル・スラリ、通りスギル姿。⇔サク[裂・割]

ソ塑 283 sagsu 土をけずる。粘土のカタマリに、ノミやヘラを加えて削った像。⇔サク[裂・割]・ソグ[削]。

ソウ相 892 siangxiang ①あい。たがいに(~しあう)。②ÀBの間で。③みる。④たすける。⑤かいぞえ役。⑥君主をワキから支える大臣。⑦すがたや形。⑧人間を対象として、その人相を見る方法。*相は、「木+目」の会意モジで、木を対象において目で見ること、AとBとが向きあう関係をあらわす。木の幹をタテ真っ二つに割り,ながめる姿。⇔サク[裂・割]・サガ[性・祥・相]・サガス・サグル。

ソウ想 485 siangxiang ①おもう。②「不想」とは、「予想もしなかった」の意。③おもい。考え。イメージ。構想。⇔サク・サガス・サグル。

ソウ箱 967 siangxiang ①車の荷箱。②物を入れるハコ。③こめぐら、④母屋の両わきにあるへや。⇔サク[裂・割]

ソウ捜 531 siogsou さがす。さぐる。*細い箒や手を使って、狭い隅に手を入れる。⇔サク[裂・割]・ソグ[]・サガス[]・サグル[]

ソウ痩 871 siogshou ①やせる。体が細くなる。土地がやせ細る。②書体が細くなる。⇔ソグ[削]。

ソウ噪 254 sogzao さわぐ。さわがしい。*木の上で、鳥が三羽、口をそろえてやかましいさま。相手の声をソギ[削]あう姿。⇔サク[裂]・ソグ[]・サワグ[騒]。

ソウ掃 537 sogsao ①はく。はらう。②掃き清めたように、全部なくなる。⇔ソグ[]

ソウ掻 546 sogsao ①かく。ツメでひっかく。②さわぐ。*サクサク・ザクザク、音を立ててサク[裂]・ソグ[]姿。⇔サク[裂]・ソグ[]・サワグ[]

ソウ宋 350 songsong ①國名。周が殷を滅ぼしたのち、紂王の微子に命じ、その遺民を集め、祖先の祭りを継ぐことを許してたてさせた國。②王朝名。中国の南北朝時代、南朝の一つ。420年、斉に滅ぼされた。③王朝名。五代ののち、北宋・南宋と続き、1279,元に滅ぼされた。*宋は、「宀(やね)+木」の会意モジで、木を家の中に移し植えるさまを示す。寄せ集める意を含む.遺民をサガシ[]集めて立てた国の名。⇔サク[裂]・サガス[探]・サグル[探]。

ソウ送 1312 sungsong ①おくる。②物をととのえて、人に与える。さしさわりなく、物をはこぶ。*スグサマ・ソックリ・ソノママの姿でおくりとどける。⇔スク[透・食・梳・漉]・スグ[]

ソウ双 193 sungshuang ①ふたつ。二つで一組になるもの。②単位。靴・手袋などを数えることば。*双は、雙の略字で、「ヒトツガヒ[一双・一番](たがいにツキあう・スキ会う、二羽一組)のトリ[鳥・隻)。⇔ツク[突・付]・スク[透・好]・ッガヒ[]

ソウ騒 1056 sogsao ①さわぐ。さわがしい。②うれい。③いらだたしくて、やるせない気持ちのあふれた韻文。屈原のつくった詩「離騒」。④多感で詩的なさま。⇔サワグ[]

ソウ曽 614 dzengceng ①かつて。以前に~したことがある。②ます。上に重ねてふやす。*ツク[突・付・筑]・ツグ[次・継・注]・ソソグ[]姿。

ソウ層 386 dzengceng ①かさなる。②何層にもかさなった建物。③社会や人々の階級。*ツク[突・付・筑]・ツグ[次・継・接]姿。

ソウ甑 849 tsiengzeng こしき。*カマドの上にセイロウ、その上に食材をのせてムス[]シカケ。シキ[敷・布]重ねる姿。

ソウ僧 94 sengseng 仏の道理をおさめる人。梵語samghaを音訳するためにつくられた字。*サム[]の姿か。

ゾウ増286 tsengzeng ①ます。ふえる。ふやす。②ますます。*ツギツギ、ツク[突・付・筑]・ツグ[次・継・注]・スク[食・送]・ススグ[]・ソソグ[灌・注]姿。

ゾウ憎 490 tsengzeng ①にくむ。②にくしみ。*イヤな感じが層をなしてツノル[]・マス[]・シゲル[重・繁・茂]・ツギ[継・注]タス[]姿。

ソウ早 590 tsogzao ①はやい。②はやく。つとに。*早は、クヌギなどの実を描いた象形モジ。その外皮を黒い染料に用いることから、転じて、朝の暗いときをさす。「(外皮を)サク[裂・割]・ソグ[]」姿が原義。

ソウ口+族 250 sugsou そそのかす。せきたてる。けしかける。*ソク[速・促]と近い。⇔サク[裂・割]・スク[鋤・助・透]・セク[急・堰]・ソグ[]

ソウ嗽250 sugsou ①せく。せき(をする)。②すすぐ。水を吸っては、せわしく吐く。⇔ススグ[漱・濯]・セク[急・堰・咳]

ソウ走 1269 tsugzou ①はしる。②にげる。③はしらす。④召使。⑤あるく。いく。⑥もらす。*小またで、セカセカとはしるさま。サク[裂・割]・セク[急・堰]姿。

ゾウ造 1316 dzogzao ①つくる。材料をくっつけあわせてこしらえる。②つくる。なす。でっちあげる。*ツク・クッツク姿。⇔ツク[突・付]・ツクル[作・造]

ソク塞 283 sekse ①ふさぐ。②ふさがる。③中央アジアにいた民族の名。サカ族。*セセキ[塞・堰]トメル姿。⇔セク[堰・急・咳]・セキ[堰・塞・関・咳]

ソク息 471 siekxi ①いき。②いきをする。③いきづいて、生存する。④やすむ。いこう。⑤やむ。やめる。⑥むすこ・⑦利子。*息は、「自(ハナ)+心」の会意モジで、鼻(せまいスキマ)からスースー・スクスク・セカセカ、息がユキキ[行来]することを示す。やがて、安息・生息の意となり、転じて、子孫を生みだす、さらには利息を生みだす意となった、⇔スク[鋤・助・透]・セク[堰・急・咳]

ソク束 628 siukshu ①たばねる。つかねる。②動きがとれないようにしばる。言動をひきしめる。③たば。ひとまとめにしたもの。*シシッカリ・ツカム・スクメル姿。⇔スクム[]

ソク速 1316 suksu ①はやい。すみやか。②まねく。せきたてる。③せかせかとちぢまる。*一歩の幅をスコシ・スクメルかわりに、高い速度でツキハシル姿。促・縮などと同系。⇔スク[鋤・助・透]・スクム[]。  

ソク足 1273 tsiukzu ①あし。モモからアシサキまでの部分。また、アシクビから先の部分。②足の形をしていて、モノを支える部分。③あゆみ。④たりる。おし縮めて、いっぱいにつまる。欠け目がない。⑤それで十分だ。⑥たす。欠け目をなくす。*ツク[突・付・着・筑]・スク[鋤・助・透]・ソグ[]・タス[]・タル[垂・足]姿。

 

2.2. s-k音漢語の基本義

 ここまで、s-k音漢語のさまざまな音形や意味・用法を採集し、その基本義を追究してきました。基本義の具体的な内容は、各項で追究し指摘したとおりですが、作業を終わった今、あらためて整理しておきましょう。上古漢語音・漢字・日本漢字音の順にならべ、グループ分けをしてみます。あわせて、これと対応関係にあるとみられる日本語音を提案しておきます。

sag 素・塑。ソ。⇔サク・ソグ。

sak 朔・索。サク。⇔サク・サガス・サクル・サカノボル・ソク・ソグ。

sek 析。セキ。⇔サク。

sek 塞。ソク。⇔セク・セキ。

seng 星・醒。セイ・ショウ。⇔サク・ソグ。

seng 僧。ソウ。⇔サク・サグル。

siag 所。ショ。⇔サク・スク・ソグ・ソコ

siak 昔。セキ。⇔サク・スゴス。

siang 相・想・箱・湘。ソウ。⇔サク・サガ・サガス・サグル。

sieg 史・使・司・斯。ㇱ。⇔サク・スク・シキル・シク・シゲル・シキリニ・セク・ソグ・ツク・ツグ・ツカ・ツカサ・ツカフ・ツカム・ツカサドル。

siek 惜。セキ。⇔サク。

siek 息。ソク。⇔スク・セク。

sieng 生・姓・牲・性・省。セイ・ショウ。⇔サク・サガ・シク・スク・スグ・セク・ソグ

siog 修・羞・蒐・秀。シュウ。⇔サク・スグ・ソグ・サガス・サグル・スクム・スグル。

siog 小・少・肖・消・宵・咲。ショウ。⇔サク・サキ・スク・スコシ・ソグ。

siog 捜・痩。ソウ。⇔サク・ソグ・サガス・サグル。

siok 削。サク。⇔サク・ソグ。

siok 宿・縮・粛・夙。シュク。⇔ソク・ソグ・スクム。

siuk 束。ソク。⇔スクム。

sog 梢・稍・硝・篠。ショウ⇔ソグ・シノグ。

sog 噪・掃・掻・騒。ソウ。⇔サク・ソグ・サワグ。

song 宋。ソウ。⇔サク・サガス・サグル。

sueng 松。ショウ。⇔ソグ・スグ・スグル。

sug 嗽・嗾。ソウ。⇔サク・スク・セク・ソグ。

sung 送。ソウ。⇔スク・スグ。

sung 双。ソウ。⇔ツク・スク・ツガヒ。

suk 速。ソク。⇔スク・スクム。

 ご覧のとおり、いちおう整理できたかと思います。s-k音語の基本義は、s-音・k-音がもつ基本義の総合ですから、「サス・サワル・スル・スレル」+「カク・カカル・ヒッカケル」=「サク・シク・スク・スグ・セク・ソク・ソグ」などということになります。現実には、これらの動詞を中心に、名詞・形容詞などの品詞語が生まれ、多数の「単語家族」グループが形成されています。

 さらにいえば、こうしたs-k音語の組織原則日本語・漢語とも一致していると考えられること。それは「偶然の一致」ではなく、これまで日・漢両言語のあいだに「接触・交流があった結果としての一致」ではなかろうかと推測されることです。

 次回は、「s-k音英語の基本義」をとりあげます。ℍ・漢・英3言語にわたるs-k音語の実態調査をもとに、3言語間における「接触・交流の有無」についても、さらに一歩ふみこんだ議論ができればと、たのしみにしています。