長谷川病院 (初回)
1月27日(水)
申しわけありません。当時のメモを紛失しましたので、あとから記憶をたどってのご報告です。おゆるしください。
小便をするたびに、尿道がナニかに圧迫されているようなイタミを感じる日がつづきました。そこでMioriさんのクルマで、星井町、長谷川病院へ連れていってもらいました。ここで、問診・レントゲン写真撮影などのあと、いよいよ「膀胱留置カテーテル」を装着することになります。そのとき配布されたリーフレットの解説記事を一部ご紹介します。
「尿意を感じる神経の一部の障害や、前立腺が肥大することで、尿道を圧迫して尿が出にくい状態になることがあります。
この状態が続くと膀胱にたまった尿が逆流し、腎臓を痛めてしまう危険があります。
これを防止するために、膀胱に溜まった尿をカテーテル(管)で排出させる必要があります」。
長谷川病院(再訪)
7月16日(金)。午漸8時すぎ、車いすのまま運搬できる介護車を手配してもらい、Mioriさんとともに、星井町の長谷川病院へ向かいました。ここで、初回とおなじようなにっていで診療がすすみます。患者はすべて「お任せ」の立場であり、ナニもシゴトがありません。そういうことだとすれば、せっかくのチャンスだから、この「カテーテル療法」とはどんな実態なのか、じっくり観察し、コトバとして記録をのこしておくことにしようと考えました。
視点を変えると、同一の事物がさまざま違ったスガタ[姿]・カタチ[形]に見えてきます。オチンチン=チンポ=チ[道・血・千]ノホ[穂・秀・帆]。チノホ[血穂]のサキ[先]に、カテーテル(管)のサキ[先]をサシ[差・刺・指・挿・射]コム[込・混]ということは、すこしだけ視点を変えれば、尿道のサキ[先]にクダ[管]をカマ [嚙・咬]セル・食ワセル・咥エサセル姿ということになるかと思います。
実感としては、これまでナヤミの種だった小便時のイタミを忘れることができて、「楽チン」ですが、そのかわり、こんどは、クダ[管]でスヒトッタ[吸取]小便を「携帯器」に収納し、身のまわりに置くようにと、いつも気をつけていることが必要になります。
この日は、病院での日程が順調にすすんだおかげで,「めぐみ」昼飯の時間帯に間に合うよう帰着することができました。
散髪
早朝からいそがしい日程でしたが、午後2時から6fの特設会場で開かれた「訪問理美容サービス」の日程にも間に合いました。わたしの場合は、「髪切り」で、2000円。女性の方は、シャンプー・パーマ・ヘアカラーなど、さまざまなオシャレを楽しんでおられるようでした。
スイーツ・さしいれ
この日、Mioriさんがスイーツのさしいれをしてくれました。「麻布かりんと」の「かりんとぱれっと」(四色詰め合わせ)と竹かご入り「中華饅頭」一式です。
カリントにもいろんな種類があるようですが、この「かりんとぱれっと」はもっともオシャレな感じのカリントといえるかもしれません。もともとはもっと太くて焦げ茶色のカリントがスキでしたが、ハグキのチカラが弱っているので、自力ではうまくカミキルことができません。紙にくるんで、固いモノでタタキのめしたものを口に含んで、「カミキルことの楽しさ」を味わっていたわけです。
この「ぱれっと」があれば、口に含んで、しばらく待つあいだに、じんわりと湿気が伝わり、やがて「ひとりでにクダケテクル」、「自力でカミクダイタ」などの錯覚をもたらすことになります。
イロガミ[色紙]で花をオ「織」ル
8月4日(水)午後「機能訓練」の時間に、イロガミ[色紙]が配られ、花を織ることになりました。べつに用意された円形の白紙があり、これを花のシン『芯』に見たてて、そのまわりに赤(あるいは青)のハナビラ[花弁]をわたします。まん中の白い部分は、ヲシベ・メシベが密集しているところなので、白のまま残した方が自然な感じです。あとは、ハナビラの幅をナンmmでおさめるかぐらいがウデの見せどころかなと考えたりします。ここまで考えてきたところで、宇宙・大自然がもつ「調和のとれた美しさ」に気づかされ、ひとりでに頭をさげたいと感じました。人間の場合でしたら、長年かけて修行し、名人と呼ばれるほどになっても、毎日苦心惨憺して作品にとりくんでいるのですが、自然界では、ウメ・モモ・サクラ・キク・ユリ・ヒガンバナなど、つぎつぎ作りつづけ、おくりだしていながら、「苦労」のクの字も表情として見せていません。あまりのミゴトさに、ただ「フシギだ!」と感じ入るばかりです。
射的装置
8月6日(金)、午後2時から、9fで開かれた「機能訓練」の後半が「射的」でした。これまで見てきた、「上下3枚の板を並べてタナ[棚]を作り、上段1個、中段2個、下段3個、軽6個のマト[的]を並べた「射的セット」のほか、フロアにペット・ボトルを6本立て並べてマト[的]にした射的セットも新設されていました。参加者は、1メートルほど離れた指定席に腰かけたまま、竹の輪(鉄線に竹皮を巻きつけたもの)を投げかけ、ボトルに被せることができれば、得点になります。これは、オモシロそうだと思いました。しかし、はじめてのワザということもあり、コツ[骨]がつかめません。けっこうきびしい成績でした。
七夕カザリをキ[着]ル
8月12日(木)。午後9fで開かれた機能訓練の時間、スタッフのカメラの前で、七夕カザリをかざす参加者の姿が、つぎつぎ見られました。こうして、
七夕カザリをかざした途端、たちまちタイム・スリップして、青少年時代のユメを楽しむことができます。
[七夕]と書いて、タナバタとよむのは、もともと旧暦の「7月7日の夕方」という意味であり、天の川の両岸にある織女星と牽牛星が、一年に一度だけ相会するという伝説によるもの。また、タナバタは[棚機]とも書かれ、やがてタナバタツメ「棚機津女」を意味する。西洋と東洋、牧畜業と農業・工業(衣料生産)の結びつきをえがいた世界規模の物語です。
さらに一歩、ふみこんだ見方をすれば、タナ[棚]はt-n音のコトバで、タナ・タニ・タネ・ツナ・ツネ・ツノ・トネ・トノ・ドノなどと同類。ハタは、ハタ・ハダ・バタ・ハヅ・ハチ・ハツ・ハテ・ハデ・ハト・ヒタ・ヒダ・ヒデ・ヒト・フタ・フダ・ブタ・フヂ・フツ・ブツ・フデ・フト・ヘタ・ベタ・ヘドなどと同類、p-tグループのの語音です。総体的に見て、「バタバタ・ブツブツ、ウツ・ブツ・ブッタギル」姿がつきまといます。その視点からたどってゆけば、漢語のハチ[八・鉢]・ハツ[発・抜]・バツ[伐・罰]・フツ[払・弗・沸]・ブツ[勿・物]・ボツ[没・没]、英語のbat, bed, pad, pat, pet, pot, putなどにも通じる可能性が出てきます。
また、t―n音の場合は、漢語タン[丹・旦・短・単]・ダン[段・男・団]・テン[天・典・点・添・転]・デン[田・伝・電]・トン[屯・豚]・ドン[貪・鈍・曇]や、英語tangent, tango, tank, tanker, ten, tenant, tend, tend, tender, tennis, tense, tensionなどに通じる可能性があります、
つまり、西洋と東洋にわたって、壮大な物語が作られ、広がるとともに、その意味(事物の姿)を表わす音声言語も、同一のものが東西に広がった。その証拠ではないか?そう考えることができます。このさき、さらに突っこんで探求するネウチがあると思います。
ガイ 蓋 1120 kab>gai ①おおう。カブせて、かくす。②ふた。かさ。上からカブセルもの。③傘などえを数える単位。④家を建てる。屋根をカブセル・カブリツク姿。
キュウ及26 giep>ji ①およぶ。追いつく。②能力が追いつく。③その場所まで届く。その時間になる。④ある期限にまにあう。⑤そんなことまで行う。およぼす。⑥そこまで物事の範囲を広げる。⑦ÀとBとの事物を列挙する意をあらわすことば。 [考]クヒ[食]ツク、カブリ[冠]ツク姿。逃げる人を追いかけ、つかまえる姿。
キュウ吸 209 hiep>xi スフ>すう。ぐっと吸いこむ。パッと吸いつく。とりこむ。[考]ハフ[這]・ハヒ[這]つく・ハヒ[這]まわる姿。k, h, f, p, vは交替関係にある子音。
キュウ 汲 711 kiep>ji ①くむ。つるべや容器を水面に届かせて、水をくみあげる。②せかせかと動きまわるさま。気をゆるめない。急ぐ姿。[考]クフ[食]・クヒ[食・杭]・クビ[首]・クヒ[食]コム・クボ[窪]・クボム[窪]・クボミ[窪]の姿。cupですくう・くみとるさま。
キュウ 急 463 kiep>ji ①いそぐ。ゆとりがなく、セカセカする。②セカセカと。ヒタヒタと。追いたてるように。③きつい。ゆとりがない。差し迫ったさま。④傾斜がきつい。⑤災害などで危険が差し迫った事態。[考]急いでクヒ[食]つく、クラヒ[食]つくさま。キ[来]テ、フレ[振]テ、フレル[触]こと。そのとき、相手にナニかを渡す、与える、キフ[給]する、giveする。
キュウ 級 983 kiep>ji ①しな。糸をヒトスジ・ヒトスジとつなぎたした物。転じて、位や順序。②順序をつけて、組別・段別に分けて並べたもの。③等級をつけて数える単位。④首。[考]クフ[食]・クヒ[杙・杭]・クビ[首]・クボ[窪]などに通じる語音。
キュウ伋 55 kiep>ji 子思 (孔子の孫)の名。[考]カタムク[傾]さま。
キュウ 泣 718 k’iep>qi 泣く。声を立てずに涙を流し出す。大声を出すのは、コク[哭]。[考]キ[気]がフル[振]・フレル[振・触]・フラレル[振]・フルエル[振・震]姿。
キュウ給 997 kiep>ji ①たりる。たす。欠け目をつぎだす、②あたえる、たまう。③用に当てる。④あてがい。[考]アフ[合]・アハス[合]・アハセル[合]。また、ク[食]ハセル・クハへル[咥]・クハヘさせる・クハヘル[加]・クバル[配]・アタヘル[与]・giveする・カブリツカセル姿。⇔キフ[来経
キョウ 夾 313 kap>jia ①はさむ。わきばさむ。②はさまれて、せまい。③おとこたて。④あわせ、[考]人の両わきを人がハサム[挟]・クヒ[食]コム・カカヘル[抱]姿。
キョウ 侠 73 hap>xia 子分をかかえて、仲間同士で協力する人たち。男だて。[考]カフ[飼]・カカヘ[抱]コム・カバフ[庇]・カブリツカセル姿。
キョウ 挟 529 hap>xie, jia ①はさむ、わきばさむ。②はさんで、自由がきかないようにする。③さしはさむ。たよりにする。[考]脇にハサム。クヒ[食]つかせる姿。
キョウ 狭 820 hap>xia せまい。せばめる。[考]はさみつける、ヘバリつく・カブリツク姿。
キョウ 莢 1109 kap>jia ①さや。豆類の種子をりょうほうからはさむ外皮。②豆類のさやに似た草木の実。[考]カフ[飼]・カブル[被]・カブセル[被]・カムル[]姿。
キョウ 鋏 1109 kap>jia ①かなばし。熱した金属をはさむ金具。②はさみ、③さや。また、両刃のかたなの刀身。[考]カブリツク・クヒツク姿。
キョウ 峡 391 hap>xia はざま。谷。また、山あいの水路。[考]ガップリ・クヒ[食]コム・カブリツク姿。
キョウ 頬 1474 kap>jia ほお。顔の両ヨコの面。両側から鼻をはさむ、ほっぺた。 [考]ガップリ・クヒ[食]コム・ハサム[挟]・カブリツク姿。
キョウ 協 179 hap>xie ①あわせる。②かなう。多くのものが、一つに合わさる。清朝の軍団の名。旅団に当たる。[考]三つのチカラ[力]をアハセル[合]・カブリツク姿。
キョウ 脅 1060 HI>XIE
①おびやかす。おびえる。②そびやかす。③わき。わきばら。[考]三つのチカラ[力]をアハセル[合]・カブリツク姿。
ゴウ 合 210 hep>he あう。あわせる。あつまる。あつめる。[考]アフ[合]・アハス[合]・アハセル[合]・カブリツク姿。
コウ 袷 1179 kap>jia ①裏地と表地とをあわせた衣。②つぎ。ひかえ。[考]アフ[合]・アハス[合]・アハセ[袷]・カブリツク姿。
コウ 甲 854 kap>jia ①きのえ。②科挙で、成績による序列のこと。③カブト・ヨロイ。③カメ・エビ・カニ・昆虫などのかぶる固いカラ。[考]もと、ウロコを描いた象形モジ。やがて、タネをとり巻いたかたいカラ[殻・空]を描いた象形モジ。カブリツク姿。
コウ 呷 223 hap>xia ①あおる。ガブ飲み。②カモやアヒルの鳴き声。[考]上からカブセル・カブリツク姿KA。
コウ 柙 639 hap>xia ①おり。②とらえる。③おさめる。④香木の名。[考]]上からカブセル・カブリツク姿。・
コウ 鉀 1373 kap>>jia よろいかぶと。[考]上からカブセル・カブリツク姿。
コウ 閘 1404 kap>>zha ①水を封じてとめる水門。②門をあけたり、しめたりする。[考]カブル・カブセル・カブリツク姿。現代音のzhaは、サツ[扎](おさえる)と混同したもの。
コウ 押 518 ・ap>ya ①おす。おさえる。②権力で押さえつける。③抵当とする。④かぶせる。[考]カブセル・カブリツク姿。
コウ 匣 171
hap>xia はこ。フタがついて、ピタリ・カブサル。カブセル・カブリツク姿。
ゴウ劫 158 kiep>jia おびやかす。おじけさせる。②きわめて長い時間のこと。[考]クヒ「食」こまれ、あとずさり[去]する・カブリツカレル姿。
以上、漢語k-p音タイプの漢字が一とおり出そろったかと思います。かなり多数のように見えるかもしれませんが。64音タイプの中では、k-k, t-k音タイプなどにくらべ、かなり少数派のようです。さて、このk-p音がどんな音形で、どんな基本義を持っているか?それは、カ行音とパ行音がもつ基本義の総合だということになります。
いずれにしえも、コウ<カフ甲・押・柙・閘は、カブル・カブセル・カブリツク姿。キユウ<キフ及・吸・汲・級・急や、キョウ<ケフ夾・挟・侠・莢もカブル・カブリツク姿。そして、ゴウ<ガフ合・袷・給も、さらに最後のゴウ<ゴフ劫にいたるまで、すべてカブル・カブリツク姿ということになってしまいました。k-pタイプの音形とその音形がもたらす基本義との対応関係について、あらためて「ナルホドそうだったんだ」と納得したり、「ミゴトすぎる。フシギだ」と感じたりするのを止めることができません。この現象をどう解釈したらよいでしょうか?
ここで、人類に限らず、陸地に住む動物、ウシ・ウマ・ヒツジから、イノシシ・ブタ・イヌ・ネコ・ネズミ・ノミ。シラミにいたるまで、さらには、海中・水中に住む動物について、その生態を観察することにします。どの生物も、すべて鼻や口を通してイキ「息」(空気)をスヒコミ、用事をすませたあと、また鼻や口を通してイキ「息」(空気)をハキ出すことによって、イキ[生]つづけています。つまり、イキルとは、息を吸いこんだり・吐きだしたり、ただそのクリカエシだということになります。
あまりの単純さに、ビックリするばかりですが、「ナルホド、そのとおりだ」と。ガッテンできる面も出てきます。