牛乳パック輪切りでタワーづくり
3月1日(月)。午後の「機能訓練」のフロクとして、「牛乳パックの輪切りでタワーをつくる」ゲームをしました。このワギリの切り口が、上下とも水平ではなく、勝手きままにカーブをえがき、不安定になっています。2~3段目までは積みかさねることができても、さてつぎの1段を確実に積みかさねるには、どんな形のワギリをえらべばよいか。サッパリ見当がつきません。結局、この日わたしが作ったタアーは、最高8段止まり(写真)でした。
ひな祭りのご膳
3月3日(水)。この日は「ひな祭り」ということで、昼食のご膳がスペシャル・メニューとなっていました。まず、「オヒナサマかざり」のカードがかざられ、オカユに「春の七草」がとりこまれています。オカズとして、小松菜のミドリと人参のアカ[朱]の対照が目をひきます。オスイモノは、陸上の植物代表としてフ[麩]、海中の植物代表としてワカメ[若芽]が顔をそろえています。そして、サラなるスペシャルの決め手が、アマザケ[甘酒]とサクラモチ[桜餅]です。ホーム「めぐみ」では、平常アルコールは一切提供されません。その唯一の例外が、この日のアマザケです。また、オヒナサマといえば、メオト[夫婦]のアマイ関係をアンコ[餡子]のアマサ[甘]にかけたカケコトバ[掛詞]です。アマザケをアジワイ、サクラモチをカミシメルことで、「ワカガエル[若返]、イキヌク チカラをトリモドス]、そんな気力をもらった感じがします。
立山連峰(墓まいり)
3月24日(水)午後、耳鼻科検診のため外出。Mioriさんのクルマにのせてもらい、一番町の加納耳鼻咽喉科医院で検診をうけました。耳アカもゴッソリ取りのぞいていただきました。気分がスッキリしたところで、立山町沢端の墓まいりに向かいました。お彼岸の墓参りができなかったので、そのオワビをこめておまいりしました。いつも午後のおまいりになるので、逆光をうけて、お墓のモジやお花がくすみ、すこしさびしい感じです。そのかわり、正面・南方には、真っ白な雪をいただいた立山連峰がつらなって見えます(写真)。サッソウ[颯爽]といった感じです。
サクラ見物
3月29日(月)午後、「機能訓練」の時間帯。「めぐみ」のクルマで、サクラ見物に連れていっていただきました。まずは、イタチ川上流、大泉町ドンドコあたりから、川スジにそって下り、石倉町延命地蔵付近・雪見橋・月見橋あたりまでを見物。サクラは、ほぼ満開。胸モト・ノドモトまで、サクラのハナビラをマンキツ[満喫]した感じになりました。やがて、松川ぞいのサクラを見物して、「めぐみ」へ帰りつきました。
スゴロクで世界一周
射的
4月3日(土)。午後の「機能訓練」の後半に、射的ゲームをしました。3段の射的セットがあり、そこに各段2個ずつティッシュのアキバコ[空箱]を立てておきます。その正面、2メートル足らずの場所に指定席をセット。出席者が順番に着席。腰かけた姿勢のまま、わたされたオテダマ8個を投げつけて、アキバコをたおします。こんなアキバコぐらい、簡単にたおせると思っていましたが、アテがはずれました。オテダマがカルすぎる感じで、ウデの振り方をどうすればよいか、どれくらいのチカラで振ればよいか、その感覚がつかめないまま、ゲーム終了。わたしは、3個だけたおすことができました。
洗濯バサミで、ツノ[角]をのばす
4月5日(月)。この日、「機能訓練」の後半、「洗濯バサミでツノ[角]をのばす]ゲームをしました。まずは、洗濯バサミ(クリップ)1個を開いて、ボトルの口をハサミます(クワエコム姿)。あとは、2個目・3個目のクリップをつぎ足し、制限時間内にドコまでツノ[角]をのばせるかです。時間をかけさえすれば、1メートルでも2メートルでも、ツノ[角]をのばすことができるかもしれません。ただし、もともと牛や鹿のツノからの連想だとすれば、おのずから限度があるでしょう。
「そんなことして、ナニがオモシロィ?」というサメタ見方をする方もおられると思います。いまはコロナ・ウィルスさわぎで、「面会」も禁止、「外出」も禁止。気の合った仲間同士で会食したり、しゃべったりすることも「自粛」をもとめられる毎日がつずいています。
そこで、「オモシロイことなんか、一つもない」と感じるのは、アタリマエかと思います。しかし、同一の事態について、それを「オモシロイ」と感じるか、それとも「オモシロクない」と感じるか、それはそれぞれの人の自由です。こんな時勢だからこそ、ぎゃくに考えて、自分ひとりの世界にこもり、「これは、オモシロイ」と感じて,のめりこんでいる人がいてもよいと考えます。
この原則が確認されてから、200年ほどの年月が経過しています。それだけ日本の「音韻比較研究」が時代おくれになっていると、いわねばなりません。ただし、客観的に見て、ごく簡単なことですから、日本語の研究者たちが気がついて本気になって研究をすすめる、単語家族研究の実績を積みあげるなどの作業がすすめば、5年~10年のあいだに、かなりの線まで追いつくことができるかと思います。地球規模にわたる民族言語の分布図をながめ、日本語や漢語・英語などが、どんな立ち位置にあるか、考えてみる楽しさも生まれてきます。
s-r音語の音形とその基本義との対応関係…日本語の系譜(第25回)
今回は、「s-r音語の音形とその基本義との対応関係」について考えることにします。まずは、日本語について、つずいて漢語・英語にまで進むことができればと思います。
s-r音の日本語
擬声・擬態語
サラサラ・サラリ・ザラザラ・ザラリ・シラジラ・ジリジリ(ヂリヂリ)・シロジロ・ジロジロ・ジロリ・スラスラ・スラリ・ズラズラ・ズラリ・スルスル・ズルズル・スルリ・ズルリ・スレスレ・セリセリ・ソラゾラシイ・ゾリゾリ・ソロソロ・ゾロゾロソロリ・ゾロリ。
2音節動詞
サル[去・避・曝](四)①進行する。移動する。②やって来る。③去る。離れる。④避ける。辞退する。
シル[知](四)①領有する。②知る。理解する。→シラス[知]・シルベ[導者・師]・シロシメス[所知食]。
シル[令知](下二)知らせる。知られる。
スル[摩](四) ①こする。さする。接触する。②こすりつけ、染める。→スリ[摺]・スレル[摺]・ズル。⇔slide.
ズル ①すべって位置を動く。②足を引きずる。③ずれる。
セル[迫] (四) ①少しずつ間をせまくする。②せきたてる。
促す。
セル[競](五) ①少しの差を争って勝とうとする。きそう。
②せりうりをする。
ソル[反・隆起・剃](四) ①反る。高くなる。②頭髪・ヒゲ
などを根元から切りおとす。*雑木林でシバカリ[柴刈]する
のとは異なり、人体とりわけカオ[顔]をソル〔剃〕場合は、
まずカミソリ(道具)をトギスマシ、ソロソロ・ソロリ・
ユックリしたペースで作業をすすめることが必要。剃り終
わった姿も、剃りわすれがなく、カオ全面がソロッテ、サ
ラリ・スラリとカッコヨクなければならない。→ソラ[空]・
ソリ[反・剃・橇]・ソロフ[揃]。
2音節名詞・形容詞など
サラ[皿・盤] 底の浅い器の総称。*デコボコやトゲがない。サラリとした姿。⇔サラス[曝]・サラニ[更]。
サリ[舎利] 梵語Sarira. 仏の骨。*人間のカラダは、骨と筋肉でできている。複数の骨が骨格(カタチ)をつくり、関節(骨の継ぎ目)をとりまく筋肉(膜)が、その機能(ハタラキ)を調整する。ナマの骨から、筋肉(膜)を「とり去った姿」=サリ・シャリと解釈しておきます。
サル[猿] 猿。霊長類猿科。マシとも。*サルは、「s-+-r」タイプの語音。サル・シル・スル・セル・ソルの姿。また、マシは、「m-+-s」タイプの語音。マス[座]・ミス[令見]・ムス[生・産・蒸]・メス[見る・召・食]などの姿。サル[猿]は、頭部をはじめ、全身毛でおおわれているが、カオの部分だけが、毛を「サル[去]>サッタ。スル[摩]>スッタ。ソル[剃]>ソッタ」などの姿。
シラ[白] シロ[白]の交替形。→シラカ[白髪]・シラガ[白髪]・シラギ[新羅]・シラク[白斑]・シラクモ[白雲]・シラニ[白土・胡粉]・シラヌヒ[白縫]・シラヒゲ[白髭]。
シリ[後・尻] ①あとの方。うしろの端。②シリ[臀・尻]。→シリゾク[退・却・斥]・シリへ[後方]。
シロ[白] 白色。シラは交替形。→シロカネ[銀]・シロカミ [白髪]・シロキ[白酒]・シロキヌ[白絹]・シロシ[白]・シロタヘ[白妙]。*シリをスリあわせ、スリキレルことにより、その味をシルことになる。そのシルの色がシロ[白]で、その変化前後のシロモノがシロ[代]。
シロ[代] ①~になるもの。②~を作るための地。③~に代わるもの。④助数詞として田の広さを計る単位。
スリ 器物。ものを入れる器の類。竹器類。→スリイタ(スリヱ[摺絵]の原版となる板)・スリゴロモ[摺衣]・スリツク[摺著]・スリヱ[摺絵]。*動詞スル[擦]の連用形兼名詞形。
セリ[芹] せり。水湿地に自生するカラカサバナ科の多年生草本 。葉茎に佳香あり、食用とされる。*セル[競](きそう)姿をいうか。
セロ →セ[兄]・セコ。東国語。
ソラ[空] ①空。空中・天。②ぼんやりしたこと。心が虚脱状態にあること。③うわのそらの心の状態。④表・上の意か。*動詞ソル[反]未然形の名詞用法。→ソル[反・剃]。枕詞ソラミツは、「ソラ[空]ミツ[光・満]」=「宇宙空間を走るヤ[矢]=「太陽」」として、ヤマトにかかるか。
ソリ[反・剃・橇] 動詞ソル[反・剃]の連用形兼名詞形。*ソリカエル姿。→ソリクヒ[剃杭] →法師らがヒゲのソリクヒ馬繋ぎ痛くな引きそ法師は泣かむ。万3846.
ソレ[其] 中称代名詞。*動詞ソル[反]の未然形兼名詞形がソラ[空]で、その交替形がソレ[其]と解される。コレ(ココにあるもの)が、すこしだけソレ[反]たので、ソレ[反・其]と呼ぶことになった。漢字キ[其]は、穀物を載せる四角いミ[箕]の象形モジ。やがて、その下に台の形を加えた。やや遠い所のモノをさす指示詞に当てた。
s-r音の漢語
漢和辞典の中で、上古音から現代音まで音形の変化を注記したものは「学研漢和大字典」だけらしいので、以下主としてその解説をたよりに、s-r音の漢語を採集し、紹介します。
参考までに、漢字形掲載㌻を付記。引用者の所見は、各項の末尾、*印以下に注記します。
イ夷 313 dier>yi. ①えびす。未開のひと。②ひくい。たいらか。③アグラをかいて、低く座る。④たいらげる。⑤たいらかにする。*横に、タヒラ[平・手平]にデル[出]・ズレル姿。上古音ではt-r音グループの語音だったが、日本漢字音ではs-r音グループとして導入され定着した。
イ移 936 diar>yi. ①うつる。うつす。②横にひっぱる。ずらして動かす.位置や立場を変える。③文書を次々に回す。*サル[去]・サラス[去](使役)・ズル・ズレル・ズラス姿。⇔ズル・ズレル・ズラス。
サ灑 782 sar ①そそぐ。②さっぱりしたさま。
*ヨゴレが(を)サル[去]・サラス[去](使役)姿。⇔サル[去]・サラス[去]。
サ鎖1387 suar>suo.①くさり。②かぎ。③とざす。*もとも
と、クサ[草・種] のように、「ツギツギ・ツナガル」姿を
あらわすコトバだったが、やがて(視点が変化して)、「スワ
ル、すわりがよい。安定している」、「クツ・クチル・ク
サル・キエサル」、「クサリでシバラレ、生気を失い、伸
び出ることができない」などの意味用法も生まれた。⇔ク
サリ[鎖」。
サ瑣843 suar>suo.
①小さいさま。こまかいさま。②人物・価値が小さいさま。つまらないさま。③宮殿の小門。④小さい輪をつらねたクサリ。
サ左 400 tsar>zuo. ①ひだり。②ひだりする。左の方に行く。③左にする。④東。南面すれば、東は左に当たる。⑥たがう。思うようにいかない。⑦革新的な.急進的な。⑧たすける。*「ひだり手+工(しごと)」の会意モジで、工作物を右手に添えてササエル手。
サ[又・佐]と同系。タレサガル[垂下]・サル[去]姿。
サ佐 61 tsar>zuo. ①たすける。わきから手を添えてささえ
る。②わきからのたすけ。*矢を射るとき、右手が主役で、
矢をつがえ、左手はワキ役で、弓をササエル[支]姿。
suporter.
サ差 401 tsar>zuo. ①違い。②引き算の答え。③そろわない。ちぐはぐになる。④やや劣ってる。違いがついている。*サシ方をマチガエル、ソロワナイ姿。
サ瑳 843 ts’ar>cuo. ①とぎすましたさま。玉の色が白くあざやか。②ギザギザした白い歯がちらっと見えるさま。愛らしく笑うさま。*ザラザラしたさま。
サ嵯 395 dzar>cuo. ギザギザとした山。また、山がギザギ
ザとしたさま。
サ叉 193
ts’ar>cha. ①はさむ。さしはさむ。②y型のマタ[股]をもつもの。さすまた。③さすまたでさす。*敵をサラス[去](使役)姿。
サイ細 992 ser>xi ①ほそい。②こまかい。こまごましたさま。
サイ・セイ西 1190 ser>xi, ①にし。日の沈む方角。②「西洋」の略。③[仏]のいる死後の世界。極楽。[西方浄土]の略。④にしする。西方に向かって進む。⑤西に向かって。西のほうで。*ザル・カゴを描いた象形モジで、セイ[栖](ザル状の鳥の巣)の姿。ザルに水を入れると、サラサラとながれ去り、ザルが残ることから、日光や昼間の陽気が、ザルの目からぬけるように流れ去る方向、つまり「にし」を意味するようになった。
サイ晒 599 ser>shai. さらす。日光に当てて、さっぱりと、ヨゴレをとる、サラス[去]。*サル・サラス・セル・セセル姿。⇔サル[去]・サラス。
サイ洒 730 ser>sa, xi. ①あらう。サラサラと水を流してあらう。②そそぐ。清める。恥をそそぐ。③さばけている。⇔サル[去]・サラス。
サイ・セイ斉 1558 dzer>qi. ①ととのう。ひとしい。きちんとそろう。②ととのえる。そろえる。③過不足なくそろえて、調和した状態。④ひとしくそろって。みんな。*サラヒ[浚]集めて並べる、セリあわせる、セセラセル、ソロヘル姿、⇔セル・ソロフ。
ザイ臍 1072 dzer>qI へそ。ほぞ。人体の上下左右からみ
て、斉然と中央にあるクボミ。*まわりのモノとセリア
ウ、バランスをトリソロヘル姿。また、ゾロゾロ・ソロフ
姿。
ザイ・セイ済 746 tser>ji. ①すくう。不足を補って、平等にならす。②なす。ととのえ、まとめあげる。③わたる。わたす。川や難路を無事に通りきる。また、通す。④障害を除いてうまく調整する。⑤やりくり。⑥川の名。⑦「済済」とは、数多くそろっていて、りっぱなさま。⑧「済度」とは、仏道によって、人を極楽へわたすこと。*ツラツラ・ツルツル・ツラヌク、スラスラ・スルスル・スリヌク姿。
サイ妻 325
ts’er>qi ①つま。②めあわす。*家事を扱う成人・女性。また、夫と肩をそろえる相手を表わす。斉(整える。そろう)・凄(雨足がそろう)とも同系。
サイ柴 640 dzar>chai ①しば。雑木・枝木を切って、不ぞろいにたばねたしば。②粗末である。③芝を燃やして、その煙を空にのぼらせ、天帝をまつる。*セル・セセル・セリダス姿。
サイ灑 782 sar>sa, ①そそぐ。②さっぱりしたさま。粘っこくない。*サル〔去〕・流しサル姿。
ザイ・セイ剤 150 dzer>ji. ①薬。もと、漢方薬の材料とする草根や木皮を切りそろえて調合したもの。②「一剤」とは、調合した薬一服をいう。*ソロフ・ソロヘル姿。
シ死 689 sier>si, ①しぬ。生物が命を失って、その機能や体が分解する。②死刑にする。③死ぬこと。また、死んだ人。④死んだように、活動しなくて、現実には役立たないさま。⑤命がけの。*スル[摺・擦]・スリキレル姿。また、シバル・シボル姿。
シ資 1258 tsier>zi ①もと。用立てるためにそろえた品物や金銭。もとで。②事をなすためのよりどころ。資格。③たち。能力や体つき。もちまえ。④助ける。⑤はかる。相談する。*ザッと持ち物をソロエル姿。シ[姿](ザッと身ヅクロイする)と同系。
ㇱ姿 329 tsiuer>zi ①すがた。人の顔や体のようす。②ちょっとスガタを整える。身づくろいする。*ジ[次]は、「二(そろえる)+欠(かがんださま)」の会意モジ。シ[姿]は、「女+音符次」の会意兼形声モジで、そそくさと身づくろいして、顔や身なりを整える意。ス[素]ガタ[形・型]。
ㇱ此 686
ts’ier>ci ①これ。この。②ここに。③このようなこと。*もともとは、足をならべても、うまくそろわず、チグハグになること。ツルリ・スルリ・ツル[吊]・スル「摺・擦」姿。ただし普通には、その音を借用して、近いものをさす指示詞に当て、その本義は忘れられた。
シ紫 993 tsier>zi むらさき。青と赤のまじった色。*両足がそろわず、チグハグに並ぶさま。シ眦 894
dzier>zi ①まなじり。上まぶたと下まぶたが交わているところ。目じり。
ㇱ私 929 sier>si ①わたくし。自分ひとりのこと。②自分ひとりの利益や考え。③ひとりだけの。かってな。④わたくしする。⑤わたくし。秘密の事がら。⑥えこひいきの。よこしまなさま。⑦ひそかに。⑧みうち。妻や子ども。
シ姉 326 tsier>zi ①あね。女兄弟のうちの年長者。②年上
の女性を敬愛して呼ぶことば。*シ[市]は、ツルを巻きつけ
た棒の上端を一印で示した指事モジで、上のほうの意を含
む。姉は、「女+音符市」会意兼形声モジで、女兄弟の
うち、上位にある年長者をさす。世話役の意を表わす。
シ柿 640 dzier>shi かき。果樹の一種。また、その実。*柿の皮を水につけ、そのウワズミ[上澄]からシブ[渋]をとりだした。サル・シル・スル・セル・セリダス姿。
ㇱ旨 590 tier>zhi.①むね。考えや意向。②天子の考えや意向。③うまい。こってり。うまみ。*デル・セリダス姿。
ㇱ脂 1060 tier>zhi.①あぶら。②アブラぎっているさま、③アブラをぬる。③べに。くちべに。ほほべに。*デル・セリダス姿。
ㇱ鮨 1527 dhier>shi. ひれ。魚のヒレを、馬のタテガミ[鬣]になぞらえていう。*デル・セリダス姿。
ㇱ指 527 tier>hi. ①ゆび。②ゆびさす。さす。あらわし示す方向。*旨・脂・鮨と同系。サシシメス姿。
ㇱ尸380 their>shi. ①しかばね。人間の死体。ピンと硬直して伸びた人体。②かたしろ。 ③死体のように紅潮して動かない。*サル・サラス・シル・スル・スリキレル・セル・セリダス姿。「t-音からs-音へ」(破裂音→摩擦音)、音韻変化の典型。
ㇱ屍 384 their>shi.しかばね。死体。*日本語の感覚でいえば、「動詞シク[敷]の未然形兼名詞形」用法と解釈できる。
ㇱ矢 903 their>shi. ①や。まっすぐ直進する。ズバリ直言する、②直線状で、短いクソ[屎]。③神前にちかう。④つらねる。
ㇱ屎 384 their>shi.くそ。大便。*シ[矢・尸・屍]と同
系。⇔シト[尿](小便)。
ㇱ視 1135 dhier>shi. ①みる。まっすぐ目を向ける。②いたわり世話をする。③職務をまじめに行う。④なぞらえる。*デル・セル・セリダス姿
ジ次 679 ts’ier>ci ①つぎ。②つぐ。③つぎに。ついで。④順序。⑤(単位)物事の回数。⑥ある行為をしたとき。そのさい。*デル・ツキデル姿。
ジ茨 1103 dzier>ci ①いばら。ギザギザと小枝が出て、トゲのある低木の総称。うばら。②草の名。地にはってはえる。③ふく。くさぶき。④端がギザギザにふぞろいな形につみかさなる。また、ふぞろいな草木でおおう。
シャ貰 1256 diar>she.①おきのる。掛け売りや付け買いをする。②ゆるす。処罰をのばして、とりあえずゆるしておく。*許して、ツキダス姿。また、許してもらい、ツキデル姿。弁済の時期をズラス姿。
ジャ・タ・ダ蛇 1151 t’ar>tuo, she. ①へび。体が長くのび
るくちなわ。また、へびのようにまがりくねったさま。②
星の名。③しゃくとりむし。*もとt-r音グループだっ
た が、現代音では、一部s-音に変化している。日本漢字音
としてもおなじ。
スイ錐 1383 tiuer>zhui ①きり。先の鋭くとがった工具。②鋭い金属のヤジリがついたもの。*スル・スレル・スリキレル姿。また、シラ[白]・シリ[尻・知]・シル[汁・知]・シレル[知・痴]・シロ[白・城・代]の姿。*イヅ[出]・デル[出]姿。
スイ椎 656 druer>chui ①つち。物をたたくための、重くずっしりしたつち。②うつ。うちのめす。③ずっしりと重い。にぶいさま。④こぶしの形をした骨。脊椎骨。⑤椎の木。
スイ・ツイ。錘 1383 diuar>chui ①おもし。おもり。②重
さの単位。③つむ。紡錘。
スイ鎚 1388 diuer>chui ①つち。②つちうつ。ハカリのお
もり。
スイ垂 272 dhiuar>chui.①たれる。上から下へたれ下がる。②たる。たらす。③後世に残す。④なんなんとする。⑤国土の果て。*穀物の穂や糸をつむぐときのオモリなどがタレさがる姿。⇔タル[垂]・タレ[垂]。
スイ唾 237 t’uar>tuo. ①つばき。つば。②つばきする。つばを吐く。③つばを吐いて、いやがる気持ちを示す。*タル・タレル姿。⇔タル[垂]・ヨダレ[涎]・シタタル[滴・下垂・舌垂]。
スイ陲 1423 dhiuar>chui.ほとり。さかい。大地の果て。*タレサガル姿。
スイ錘 1383 diuar>chui.①おもし。おもり。②重さの単位。③つむ。機織り機の部品。紡錘。④火を吹きつけて、金属をきたえる器。*タレサガル姿。
スイ睡 898 dhiuar>shui.ねむる。ねむり。*マブタがタレ
さがる姿。
スイ遂 1326 diuer>sui.①とげる。たどりつく。②一定の方向にそって、すらすらと進む。すくすくと育つ。③ついに。*ツラヌク・ツキデル姿。
スイ隧 1434 diuer>sui.みち。墓の奥まで通じるみち。また、トンネル。*ツラヌク・ツキデル姿。
ズイ随 1428 diuar>sui. ①したがう。②なりゆきにま
かせる。*ツラヌク・ツキデル姿。
ズイ瑞 842 dhiuar>rui.①しるし。形のよい玉。②天の神が
善政をほめてくだすしるし。めでたい兆候。
セイ凄 128 ts’er>qi. ①雨あしがそろって。ひさめの降りしきるさま。②はだ寒い。③すさまじい。冷たさや、寂しさがはだみにこたえるさま。 *「冫(こおり)+音符妻」の形声モジで、ヒサメ[氷雨]の足がそろって、肌を切るほどにさむいこと。サイ[妻]、夫と肩を並べて家事を処理する女性の意。セイ[斉](ソロウ)・セツ[切](コスルようにして切る)と近い。
s-r音の英語
これまでどおり、『À.ℍ.D.(アメリカの遺産・英語辞典)第3版』フロク「インド・ヨーロッパ語の語根とその派生語」(一覧表)の中から関連項目を採集し、ご紹介します。語根・基本義・派生語の順に表記。日本語訳および各項*印以下の注記は引用者の責任。
sal- (salt塩) salt, siltシルト。沈泥, sauce空間, saladサラダ. サラダ用生野菜, salamiサラミソーセージ, salary給料, saline食塩の. *sal-は、「sa-+-l」の構造で、「サ[箭・矢]の姿にナル」こと。食材がもっている有害物質を塩分がトリサル[去]意を表わす。saltの語尾-tは、sal-作業のシテ[仕手](主格)を表わすテ[手]と解釈してよい。
sawel- (the sun太陽) sun, Sunday日曜, south南, southern南の,
solar太陽の, parasol日傘, heliumヘリウム
*スウ[居・据]・スヱル[据]・スワル[座・据]姿。最大の典型が、宇宙の一画にスワル[座・据]太陽。地球上の動植物は、太陽の光線・熱線をうけることで発生し、成長することができる。ただし、その量が過度になると、生物のミガラ[身柄]が焼けただれ、カレ[枯]てしまう。地上にスヱつけられた器物なども、太陽の熱線で溶かされ、固形からトロトロのドロ[泥]状態に変化、容積がゼロにまでヘル[減]ことになる。
sel- (to jumpとぶ。はねる ) exult狂喜する, insultはずかしめる, salmonサケ[鮭]. *セル[競る]・セリダス・サル[去]・ハナレサル姿。
ser-¹ (to protect保護する) observe見守る, preserve保存する, hero英雄. *ゾロゾロ集まる・ソロウ・ソロエル・サラウ姿。また、サフ[禁・障]・サブ[錆・渋]・サブラフ[侍]・サヘ[鉏・鋤]・サモラフ[候・侍]・サムラヒ[侍]の姿。
ser-² (to line up一列に並べる) series一続き, insertさしこむ, sermon説教, sort部類,
consort連れあい. *前項とおなじ姿。
skel-¹ (to cut切る) shell貝がら, shale頁岩,
scale¹ウロコ, scalp人間の頭皮, shield楯, skill技術, shelf棚,
half半分, sculpture彫刻. *「s-k+l」の語音構造。*参考:「サカ・サキ・サク・サケ・シカ・シキ・シク・シケ・シゲ・シコ・スキ・スギ・スク・スグ・スケ・スゲ・セキ・セク・ソク・ソグ・ソコ」→「サカリ・サカル・サガル・サクラ・サクル・サグル・サケル・サゲル・シカル・シキル・シケル・シコリ・シコル・スガル」
skel-² (to be under an obligation奉納) shall未来を表わす助動詞。*willとほぼ同義。自分の支配下にあるモノの一部をサキ[裂・割]、(神へ)サシアゲル[差上]姿。
sker-¹ (to cut切る) shearガラス・ブリキなどをキル[切]、また毛・羊毛などをカル[刈], share¹分け前, score得点表, short短い, shirtシャツ, skirtスカート, screenスクリーン, carnationカーネーション, carnival謝肉祭, carrion腐肉, sharpするどい, scrap¹キレハシ[切端], scrapeこすってきれいにする, screwねじくぎ. *サク[裂・割・咲・避]・サケル[裂・避]・シキル[仕切]・スク[透・鋤・空]・スッキリ・スギル[過]・スル[摺・擦・刷・摩・掏]・セク[堰・急・咳]・セル[競]・ソグ[削・殺]・ソル[反・剃]・キル[切・斬・着]・キレル[切・斬・着]姿。
sker-² (to turn回転させる, bend曲げる) shrinkシリゴミする, ring¹ワ[輪], range領域, rank¹地位, rinkスケート場,
arrange配列する, ridge分水嶺, curbフチイシ[縁石], curve曲線, crestトサカ, crepeクレープ, チヂミ[縮], circle円形, searchさがす, crownカンムリ[冠]. *前項とおなじ姿。「水源地で、大地のサケメ[裂目]・ワレメ[割目]から地下水がまわりにモノをサキワケ、ワキデル姿」=サークルを描き、その先端部で地面をサク・サクル・サグル姿。
sker-³ (excrementくそ, dung肥し) dreckくそ. *サ[箭](矢)・サク[箭来・裂・割・咲・避]・サケル[裂・避]・スク[助・透・鋤]・スケル[鋤・透・空]姿。また、カル[刈・狩・駆・借]・カラ[殻・柄・空]の姿。*「s-k+e-r」=「サク[裂]+エル[得]ヱル」の語音構造。「サケル[裂・割]姿でアラワレル[現]」意をしめす。
skribh- (to cut切る, separate切り離す, siftフルイにかけて、より分ける) scribe筆記者, script手書き, Scripture聖書. subscribe寄付を約束する, transcribe筆記する. *「木・竹をキル[切]・cutスルことにより、木簡・竹簡をツクル姿」=「木簡・竹簡にモジの字形をサキ[裂・割]ウツス[写・移]・キザミ[刻]コム姿。
sleb- (to be weak弱い, sleepねむる) sleep. *スルスル・スルリ・ズルズル・ズルリ・、ズレル・スベリコム姿。
sleg- (to be slackたるんでいる) slack¹, relaxゆるめる,
languish弱る、しおれる.*ズルズル・ズルリ・ズル・ズレ
ル・スベル(すべル結果、位置がズレル)姿。
sleubh- (to slideすべる, slip滑るように走る) sleeveそで。たもと, sloop一本マストの縦帆装船. *スラスラ・スルリ、よくスベル姿。
sli- (bluish青味を帯びた) sloeサクラ属の低木, livid青ざめた. *ズルズル・ヒキズル、ズレル姿。
(s)mer-¹ (to remember思い出す) mourn嘆く, memorable記憶すべき, memorandum覚え書き, memory記憶力, remember. *目で見たモノの姿を心にキザミツケル、木や竹の板にキザミツケルさま。⇔メモル[目盛・目守]・メモリ。
(s)mer-² (to get a share of something割り当てを分担す
る) merit価値, emeritus.名誉教授。*ウム・ウマレル・
ウミダス・ウメル姿。
sper- (to strewばらまく) sprawl手足を投げ出す, sprout芽を出す, spurt噴き出す, spread広げる, spray¹シブキをかける. *ズバズバ・スッパリ、ス[素]のハ[歯・葉・刃・羽]をハリ[張・貼]ダス[出]姿。スベル・スベリダス・スベラセル・ヒロガル・ヒロゲル・スバラシク見せる姿。
spere- (ankleくるぶし) spur拍車, spurnはねつける, spoor足跡を追う. *スフ[吸]・スブ[統]・スベル[滑・統]・スバル[昴]・スベ[便]・スボム[窄₊]・シバル[縛]・シラベル[調]・フミワケル[踏分]・トキアカス[解明・説明]姿。
sreu- (to flow流れる。あふれる) stream流れ, rhythmリズ
ム。律動. *(大根を)スリオロス、スリキレル、シルが
アフレル,流れ出る。そのシラベ[調]。
stel- (to put置く, stand立てる) still¹ジッとシテイル, apostle司徒, stall¹馬小屋 installエアコンなどをスエツケル, stalk¹クキ[茎〕 stilt竹馬, stout太った, *ズングリ・ムックリ・ドッシリ、立体構造を表わす語音。シツラエル[設]姿。シヅ・シヅカ・シヅム・シヅマル・シズメル姿。
ster-¹ (stiff曲がらない、固い) stareにらみ[睨]つける, stark全くの, starch洗濯用のり, stern¹きびしい, stereo-ステレオ, storkコウノトリ, strut気どって歩く, start出発する, startleドッキリさせる, starve飢え死にする, torpedo魚雷. *スヂバル[筋張]姿。 また、スヂ[筋]を張りすぎて、スリ[擦]キレル[切]姿。もとの使い道が失われ、やがてスタレル・ステ[捨]ラレル姿。
ster-²(to spread広がる) structure構造, construct建設する, destroy打ちこわす, instruct教える, obstructじゃまをする, industry工業, strew振りかける, straw茎.ワラ, street街路. *ツキデル・ツキトホル・スヂ[筋]をハリトホス[張通]姿。視点を変えれば。・ワル[割・悪]・ワラ[藁]・ワレメ。カラ[殻]とカラ[空]の関係に通じる。
ster-³ (star星) star, stellar星の, asterキク科の草, asterisk星印, asteroid小]惑星, disaster天災. *スヂバル[筋張]姿。
streb(h)- (to wind曲がる。巻きつく, turn回す) strop革砥, apostrophe省略記号¹, catastrophe大災害, stroboscopeストロボ。高速用照明. *スジ[筋]マク[膜]が関節部の骨をトリマク・チョウセツ[調節]する姿。
streig- (to stroke打つ, rubこする, press押す) strike打つ,
streak手足を伸ばす, stroke¹, strain¹引っぱる, strictきびしい, stringentきびしい, constrainシ[強]いる, prestige名声, restrict限る. *スデ[素手]をサシダス・サシアテル[差当]姿。また、シダル[垂+]・シタタル[下垂・滴]、シヅ[静]・シズカ[静・閑]・シヅク[滴]などの姿。
swel- (to eat 食べる, drink飲む) swillがぶ飲みする, swallow¹飲みこむ. *スフ[吸]・スヒコム、また、スヒコマレル姿。
swer- (to speak話す, talk話す) swear誓いを立てる, answer答える. *腰をスヱ[据]つけ、心身とも安定させた上で、神前でチカヒを立てる。チカヒのコトバをスヱつける。
swessor- (sister姉妹) sister, cousinいとこ, sorority女性だけの. *s-s-rタイプの語音。s-はマサツ音で、「サス・スス・スル・コスル・サスル」姿をしめす。英語では、“saddle, salt, same, sample, sad, sash, sit, sitter, sitting, set, setter, setting, skate, ski, skirt,some, sun”などのs-音。Ex. salt= 舌をサス・サク・ツキサスもの。sand= スナ[砂]。水流でチイ [小] サク・スリヘラサレタ土。 skirtキリサカレタ衣料。sun=太陽。その光線・熱線の威力で、地球上の生物を自在にイカス・コロス・サス・サク・ヤクことができる。