2019年7月16日火曜日

タナバタの季節






社会人大楽塾 6/13


民謡の会  6/14 


退教協総会  6/25 


6花かご 6/26




 日本海文化悠学会  6/28


タナバタかざり  6/29  


音を聞く会  7/3  


『古事記』を読む会  7/7   



社会大楽塾
6月13日(木)、午後9fで「社会人大楽塾」が開かれ、出席しました。ここで取り上げられた曲目は「鐘の鳴る丘」、「チャンチキおけさ」、「山小舎の灯」、「高校三年生」など。白板に掲示された大判歌詞カードを読んだり、テープながされるメロデーをきいたりしているうちに、そしてまたリーダ―の身ぶり手ぶりにもうながされ、自分でも声をだしたり、手足を動かしたりするようになってゆきます。第三者から見れば、なにをウナッテいるのやらと思うかもしれませんが、そんなことはどうでもオカマイなし。高齢者にとっては、最高の機能訓練となっているかもしれません。
 ここまで来ると、ところどころで挿入される「ワッハッハ」や「アリガトウゴザイマス」などにも、ほとんど違和感なく発声できるようになっています。

民謡の会
614()午後、9fでボランティア民謡の会があり、出席しました。三味線・胡弓・ササラなどの囃し方をそろえた「加賀山流・なぎさ会」のみなさんが、「こきりこ節・むぎや節・八尾おわら節」をはじめ、全国各地の民謡を歌と踊りで披露されました。とにかく、迫力のある演技でした。

富山県退教協総会
6月25日()午後2時から、呉羽ハイツで、富山県退職教職員協議会総会に参加しました。むかし富山市で中学校教員として勤務し、日教組の教研集会に参加していたころからのながれで、ことしも参加させていただきました。
 富山県退教協の会長は立山町坂田勲さんです。その坂田会長が開会あいさつの冒頭でいきなり「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」(芭蕉)の一句を朗詠されました。わたしは、これを聞いたとたん、「わざわざ呉羽ハイツまで足をはこんだカイがあった」と感じました。
 この暑い季節をえらんで、おおぜいの会員に呼びかけ、総会で議論したり、そのあと宴会で酒をくみかわしたり…。その状態は、客観的に見て、「閑かさ」とは正反対で、「暑苦しい」、「やかましい」、「にぎやか」、「せわしない」などの状態です。坂田会長をはじめ、退教協役員のみなさん、どうもおつかれさまでした。
 退教協の仲間と話してみて、なんとなく気づかされたことがあります。それは、共通の経歴をもつ中で身につけた「共通の人生観」みたいなものです。もちろん、一人一人ちがった個性をおもちですが、現役のころ、つぎの時代の日本を背負って立つ子供たちのために、「生きぬく力」を育てるために、小中学校の教育現場で全力をつくして働いたという共通の経歴をもち、退職後の現在でも、環境のちがいに応じて、具体的な対処の仕方はさまざまですが、「イマのイマを、いちずに生きる」だけという姿勢には、「閑かさ」が見られるということでしょうか。
さて、呉羽ハイツは富山の市街地から近く、ゆっくり温泉にはいれるということで、これまでもずいぶんと利用させていただきました。ただし、あまり広すぎて、割りあてられた居室と会議場・宴会場・大浴場などを行ったり来たりするのに時間がかかります。わたしは歩くのがニガテで、フラフラよろけそうになりながら歩いていると、役員の方が気づいて、さっそく車いすをさがしてきて、おしてくださいました。お世話になりました。
 参加者の中で最高齢ということで、総会場でも宴会場でも、会長さんのとなりの席にすわらせていただきました。また、高齢者への記念品(扇子)もいただきました。
宴会場でも、わたしは自分の席にすわったままで、おおぜいの方から声をかけていただいたり、お酒をついでいただいたりしました。実は、ホーム「めぐみ」では、お酒を飲むことは一切ありません。外出さきの会合などでは、その場のフンイキ次第で、お酒をいただくことがあります。それも、ほんとうに「ウマイ」と感じるのは、ビールなら最初のカンパイ用コップ1パイだけ。あとはだんだんニガクなるので、マネゴトだけでカンベンしてもらっています。
 この席で、わたしはかねて持参していた作品「ワ・ワタル・waterの系譜(ヌキズリ「教育・文芸とやま」第24号、2018)を数人の方にお渡しすることもできました。


花かご
626()。退教協総会の日程は、朝食までで終了。そのあと役員の方の車に便乗、丸の内ホーム「めぐみ」まで送っていただきました。おかげさまで「楽しく、充実した」一泊旅行ができました。ありがとうございます。
午後、桑名保明さんが「めぐみ」までたずねてこられました。実は、先日桑名さんから電話があり、「ひさしぶりで会いたい」といわれ、わたしの都合にあわせて、「26日午後3時ころ」と打ちあわせていました。
桑名さんと知りあったのは1956。桑名さんは、わたしが富山市立東部中学校に勤務していたころ、職場や関係サークルの仲間たちといっしょに、「ちんぐるまの会」という文芸サークルをはじめたときの会員(当時は高校生)でした。そのご、わたしが転勤を命じられるなどのことがあり、「ちんぐるまの会」の活動も休眠状態においこまれたのですが、半世紀あまりの年月をへだてて、その桑名さんと再会することができました。
直接のきっかけは、「旧友(富山県教職員厚生会発行)3月号の特集記事「慶寿会」。「白寿」該当者として「喜びのことば」が(イズミの顔写真つきで)掲載されていたこと。桑名さんはこの記事を見て、イズミへ再会希望の電話をする気になったとのことです。
 桑名さんは、わたしの健康を祝して、りっぱな花かご(写真)を持参されました。ミゴトすぎて、せまい部屋のどこにかざればよいか、心配になるくらいですが、まずは亡くなった信子の遺骨の正面にあたる台のうえにかざることにしました。
 桑名さんからは、ご自身がその後高校の国語教師を勤められたことや、「ちんぐるまの会」仲間の水野信利さんの近況などについて報告されました。わたしからは、その後「日漢英3言語の音韻比較」作業にのめりこんできた経過について報告し、関係資料としてわたしの作品「スミ・シム・SMITH…スミノエ神はSMELTING MAGICIAN」、「現代日本語音図(日漢英共通64音図)」、「コトダマの世界Ⅱ」、「ワ・ワタ・ワタル・waterの系譜」などを贈呈しました。
ひさしぶりに、自分の話をじっくり聞いてもらえる相手が見つかったことがうれしくて、まるで独演会みたいに、いいたい放題しゃべっていました。反省しています。

日本海文化悠学会
628()午後、茶屋町豊栄稲荷神社で開かれた日本海文化悠学会研修会に出席。会員五十嵐俊子さんから「中番にある水神宮…燈籠台に刻まれた城下の町名」にかんする研究報告を聞かせていただきました。A4判9㌻にわたる、写真・地図つきのレジュメを配布されましたので、たいへんわかりやすく、よい勉強になりました。そのお礼をかねて、わたしの感想をしるします。
  「歌碑」の表記法について富山藩士月窓の歌で、1808年の作とされていますが、「歌
碑」の読みとり(再生)がむつかしく、同一部分について「満(みず)もれ農(の)」、「まもれこの」、「防げこの」など、解釈が分かれるとのこと。どの解釈が正しいか、それも問題ですが、こうした問題がおこること自体がヤマトコトバのおもしろいところだと、わたしは思っています。たとえば、ミズ[]歴史カナヅカイではミヅであり、ミヅガキ[瑞垣]のミヅに通じます。このミは、もと甲類カナとよばれ、この1音だけでミ「水・神・見・三・御」などの意味を表わすことができます。これに対して、乙類カナのミは、「実・身・箕・廻・己」などを表わします。甲乙とも、ミの音形(音価)は同一ですが、甲類のミはウム[生・産]・カム[噛・咬](能動)の立場、乙類のミはウマレル・カマレル・コモル(受動)の立場を表わしているようです。
このように見てくると、ミズ[水]など平生なにげなしに使っている用語でも、すこしていねいにたずねてみると、そのコトバのうらに、長期にわたる、さまざまな社会情報がヨミコマレテいることがわかると思います。
  「富山町づくし」(天保12年)についていたち川周辺の町名を記入した地図を拝見し
ました。わたし自身、「大日本帝国敗戦」で中国から帰国以来、いたち川左岸、雪見橋わきの砂町に住所をかまえているので、ご近所の町名には格別の関心があります。石倉町・餌指町・東四十物町・仁右衛門町・東(西)仲間町・上(下)金屋町・鍛冶町・材木町・門前町など、どの町名にも、それぞれ命名の由来があり、職芸集団の分布をしらべる手がかりとなります。とりわけ、アイモノ[四十物]町については、上代語2音節動詞としてアフ[逢・合・会](四)・[合・和](下二)・[饗・設](四二)が成立していること、また動詞アフ[饗・設]の名詞形アヘ[饗](ごちそう。もてなしの食事)が成立していることから、アイモノ=アヒモノ⇒アヘモノ[饗]と解釈してみたことがあります。また、ニエモン[仁右衛門]町についても、この漢字表記法はいかにも漢語らしく見えますが、もとはヤマトコトバのニヘ[贄]モノ[物・者]であり、漢字・漢語が伝来したことにより、こうした漢語風表記法が流行したなごりだと考えているのですが、いかがでしょうか。
 いたち川の語源についても,イタチ(動物名)・イタチ[射立](出で立ち)・エダチ[役](労役)など、さまざまな説があり、結論は出ずじまいのようですが、いたち川周辺の町名をしらべるだけでも、各種職芸集団の分布・配置がわかり、富山城下町・富山藩政基盤作りの過程などについて、重要な情報資料をえることができると思います。
共同で歴史研究をすすめる場合、用語の意味用法を確認してから調査をはじめ、報告の文言をととのえることが必要ですが、現実には、用語の意味用法を確認しないまま議論をすすめてしまい、「議論がカミあわない」、「ミズカケ論(時間のムダ使い)で終わる」ことがしばしばおこります。はじめにすこしだけ時間をかけ、統一された用語でムダのない議論をすすめ、客観的・合理的説得力のある結論がえられるようにしたいものです。

タナバタかざり
629日(土)午後、ホームの住人が集まって、タナバタ祭りのカザリをつくりました。タンザクに一言、願いごと・ユメを書いて、ヒモをとおしてササカザリの枝にぶらさげます。
「七夕」、「健康第一」、「ビール大好き」、「令和婚」など、さまざまな思いが伝わってきて、にぎやかです。ついでにチョウチンもぶらさげて、タナバタかざりはほぼ完成。
 それにしても、いまの世の中、いつ・どこで戦争がはじまるかわからない状態がつづいています。「世界中が平和でありますように!」ひそかにイノルばかりです。

音を聞く会
7月3()午後、9fで「音を聞く会」に出席しました。この日歌われた曲目は、
「始まりの歌」、「銀座の恋の物語」、「遠くへ行きたい」、「上を向いて歩こう」、「星影のワルツ」、「愛燦燦」など。先日みんなでこしらえた「タナバタかざり」(彦星と織姫の物語)
わきにかざられ、演出効果をあげていたと思います。

『古事記』を読む会
77日(日)午前、茶屋町豊栄稲荷神社で開かれた『古事記』を読む会に出席。これまでしばらく上巻末、「天孫降臨」あたりを中心に読んでいましたが、今回からしばらく中巻「神武東征」を中心に読んでゆくことになりました。さしあたり、この日出席者全員で「神武天皇」の項(①東征。②五瀬命の戦死。③熊野の高倉下。④八咫烏の先導。⑤兄宇迦斯と弟宇迦斯。⑥久米歌。⑦皇后の選定。⑧当芸志美々命の反逆)を輪読しました。
この日は、中巻・「神武東征」の初日ということで、格別具体的な問題提起や研究報告などはありませんでした。わたし自身は、いまのところ「ヤ[]の系譜」と「ワ[]の系譜をたどる作業で精いっぱいの状態。今回も、いちおう「古事記からたどるヤ[]とワ[]の系譜」(メモ)を提出、配布していただきましたが、これは自分が思いついた項目をメモしただけのもので、このまますぐ討議資料としていただけるものにはなっていません。8月は研修会が夏休みとなっているので、そのあいだに「神武東征」をふくめた討議資料をまとめたいと考えています。「神武東征」のくだりでは、[]の系譜として「カムヤマトイハレヒコ[伊波禮毘古]」、「ナミハヤノワタリ[]」、「イタグシ[]」、「ヤタガラス[八咫]」、「ヤソタケル[八十]」、「オホムロ[大室]」、「ワ[]の系譜」として「ナミハヤノワタリ[浪速]」、「イハオシワクノコ[石押]」、「シギワナ[]」、「アザワラフ[]」、「ミワノオホモノヌシ[美和大物主]、「(手足)ワナナキ[和那那岐]」などが採集できるかと思います。

m-m音語の系譜…日本語の系譜(5)
 「k-k音の系譜」にひきつづき、「m-m音の系譜」をたどる作業にはいりたいと思います。ただし、「k-k音の系譜」の作業でテマ・ヒマをかけすぎ、疲れてしまった感じもします。その教訓にまなんで、m-m音については、できるだけ簡潔に、要点をしぼって議論をすすめたいと思っています。よろしくお願いします。
擬声・擬態語
 例によって、まず擬声・擬態語からと考えていましたが、m-m音タイプの擬声・擬態語が見つかりません。上代語はおろか、現代語でもゼロのようです。
 m-単音節の上代語として、[喚犬](犬を呼ぶ声)[牛鳴](牛の鳴き声)が成立していあることから考えて、m-音と擬声・擬態語と「相性が悪かったから」とはいえません。単音節擬声語としてのメ・ムが成立したのに、どうして2音節の擬声・擬態語がゼロなのか、その原因がよくわかりません。

マ行音が表わす意味
 m-m音語(複音節)の議論をするまえに、まず単音節のマ行音が表わす意味をたしかめておきましょう。上代語の段階で、マ行単音節語としてマ・ミ・ム・メ・モがすべて成立しています。それぞれの「音形と意味との対応関係」はどうなっているでしょうか?以下、『時代別国語大辞典・上代編』(略称『上代編』)の解説をご紹介します(各項、*印以下の注は引用者の責任)。
[間・際]①空間。②時間。【考】二つのもの・所・時にはさまれたあいだをさす。*動詞ム[生・産]の未然形、兼名詞用法。モノがウマレルときの空間や時間。「ム[生・産]するもの」の意。
[鬼・魔]魔物。中国語[]の借用語か。
[]うま。*漢語マ[]からの借用語かもしれない。また、それ自体がさらに西方言語からの借用語かもしれない。
[目・眼] []の交替形。*カ[髪・毛]・ケ[]、タ[]・テ[]などとおなじ感覚の造語法。また、採集経済の時代には、「目をツケルこと」(発見)がそのまま「ウムこと」(生産)につながっていた。
[真・信]形状言。真実の・完全な・純粋ななどの意をあらわす。
[]接頭語。動詞・形容詞・副詞などに接する。
接尾語。擬声語、形容詞語幹、打消しの助動詞ズ、状態を意味する接尾語ラなどに接し、これらの語の持つ状態の意を固定する。
[喚犬]擬声語。犬をよぶときの呼び声。
[]水。ミ~、またはミナ(ナは連体の助詞)の形で複合語中にのみ見られる。*甲類カナ。動詞ム[生・産]の連用形、兼名詞形。ウムこと。ウムもの。地球上のイノチは、すべて水と太陽光線のウム作用から生まれた。
[]神霊。接尾語的に用いられる。*甲類カナ。カミツク・クヒツク・ミタスもの。カミ[]のミは乙類カナ。受け身の姿。
[] 見ること。見た目。見ルの名詞形。
[]三。*甲類カナ。サラ・ナベ型の容器(クボミ)があり、フタがかぶさっている姿がフタ[二]。さらに、そのクボミ部分へ魚・肉・野菜などの食材をワリこませ、ミタス[満]姿がミ[三]。順番にヒト[]・フタ[]・ミ[]となる。ミ[]は、やがて「漠然多数」を意味するようになり、さらに絶対数を表わす数詞として定着した。
[]接頭語。畏敬の念をもって物を指すときや物をほめたたえていうときに用いる。*実質的には、前記[水・神・三]と同様に、ミズ[水]がもつ威力を理解したことによる意味用法。『古事記』「三輪山伝説」(崇神)のミ[三]・ワ[輪]と共通する感覚による用法。⇔ミワ・ワタ・ワタツミ・water.
接尾語。形容詞の語幹に接して用いられる。
接尾語。動詞連用形に接し、~してみるの意の副詞句を作る。
[]①果実。果肉。サネ[]。②内容。中味。③鞘の中に入れる刀の刃のついた部分。④
容器の物を入れる側。フタの対。*乙類カナ。()が「ウミ[]だすもの」(主体)を示すのに対して、()は「ウミ[]だされたもの」(受け身)の姿を示す。
[]①肉体。からだ。②肉。けものや魚の肉。③身の上。*乙類カナ。
[]み。穀類をあおりふるって穀と塵などを分けるのに用いる道具。*フリワケ・ウミワケられる[](受け身)の姿。
[]まわり。めぐり。【考】語源は、曲がりめぐる意の動詞ム(上二)の連用形ミ(乙類)に求められる。*乙類カナ。
[]①蛇。②十二支の第六。【考】正倉院文書戸籍帳だけでも「ネ[]麻呂・牛麻呂・牛売・刀良売・竜麻呂・犬麻呂・猪麻呂」などの命名がある。*乙類カナ。
[]六。*[生・産]と同源[]とともに「漠然多数」を意味する。ミとムとは、語尾母音が交替関係。
[]身。ミの交替形。複合語中に用いられる。⇒ムクロ・ムザネ・ムネ。*「ウミ[]だされたもの」(受け身)の姿.
[牛鳴]擬声語。牛の鳴く声。
ム[産]動四。産む。
動上二。曲がりめぐる。
ム[将]助動特殊。非現実の事柄について予想をあらわす。
メ[女・雌]①めす。ヲ[雄]の対。②女。女人。③妻。*ム[生・産]作業の主体。甲類カナ。
[目・眼] マを交替形とする。①目。視覚器官。②顔。姿。③逢うこと。見ること。【考】動詞ミル[]と同根。*乙類カナ。①ミル[]作業をすすめるために使われる道具。②その作業の結果としてウマレタもの。
[]物と物との合わせ目。【考】マ[]と関係を有する語。*乙類カナ。
[]。草木の芽。*乙類カナ。水と太陽光線の作用の結果としてウマレルもの=命の目。
[海藻]わかめ・あらめ・など海藻の総称。メはメ[]の意とも、モ[]の転ともいう。*乙類カナ。
[]イモ[]のイが約音のため消えた形。
[裳・裙] []。主として女子が腰から下にまとった長いスカート状の衣。
[] []。①凶事。わざわい。②喪。人の死後その親族が屋内に憂いに沈んで謹慎していること。
[方・面]方向。あたり。オモ[]のオが落ちたものともいわれる。
[]も。海や淡水の中に生える藻類。
接頭語、真・完全・純粋の意を添える接頭語マと異形の関係にあるものか。⇒モナカ・モハラ・モトモ。
 以上の記述から、マ行音が表わす基本義を仮設してみました。ご教示をおまちします。
 m-音…口の中にたまったイキが両クチビルからモレ出る語音。鼻での共鳴をともなう鼻音でもある。m-音を発声するとき、発声器官にウマレル感覚(視覚・触覚など)m-音語の基本義を決定する。①子音m-は、「クチビルからモレル」、「鼻で共鳴する」などの触覚をあらわす。②母音のちがいは、発声時の口形などのちがい(視覚)をあらわす。
mam-するもの。→[真・間・目]
mim-すること。→ミ[神・水・見//身・実]。
mum-する。→ム[生・産]
mem-するもの。マの交替音。→メ[女・雌//目・芽]。
mom-するもの。マの交替音。→モ[裳・藻・面]。

m-m音タイプの動詞 音型と意味
 つぎにm-m音タイプの動詞について、「音型と意味の対応関係」を中心にチエックしてみましょう。といってはみたものの、いざ『上代編』をのぞいてみると、m-m2音節動詞はモム1しかありません。
モム[揉・縒]動四。もむ。手で物をつかんでくりかえし和らげほぐす。
上代語だけではありません。『広辞苑』をみても、マム・ミム・ムム・メムなどの音形をもつコトバがみあたりません。つまり、これらのm-mタイプ2音節動詞は成立していないということです。たしかにフシギです。

m-m音タイプの名詞など
 それでは、動詞以外の品詞語ではどうなっているでしょうか?
ママ ガケ〔崖〕。急斜面のことか。*ガケは、ヤマ[山](陸地)の一端がカケル[欠]姿。ママは、マ[]のマ[]。また、ヤマの一端がモミ[]とられ、モギ[]とられて、そこにマ[間]がウマレル姿でもある。
ママ[継]接頭語。実の親子、あるいは兄弟関係でないこと。*双方たがいに[]をおかれた関係。
マミ[目見]目もと。目つき。*目のあたりの見え方。
マメ[豆・大豆]①まめ科に属する植物。また、その実。②特に大豆をいう。*マ[真]メ[目・芽](神があたえた食品)の感覚か。
ミマ[孫]貴人の孫の称。ミは接頭語。マは孫の意。
ミミ[耳]①耳。聴覚器官。②耳で聞いたこと、話、うわさ。
ミメ[妃・皇妃]ミ[御]メ[妻]の意で、高貴な人の妻。
ムマ[馬]馬。→ウマ[馬]。【考】用例が防人歌と書紀古訓などなので、上代において中央でムマという形がどのくらい用いられたか疑わしい。
モミ[籾]もみ。【考】(用例では)手で揉んだからモミという、という語源解釈を含んでいるようである。*⇒モミチ[黄葉]・モミツ[黄葉]。
モモ[股]もも。脚の膝から上の部分。*左右の脚がモミあう姿。
モモ[百]①百。②多数。
モモ[桃]もも。いばら科の落葉小高木。実は食用とし、実の中の核を薬用に供した。【考】上代に中国大陸より伝来したものらしい。桃の実には細かい毛が生えているので、ケモモとも言った。中国では、桃は邪気百鬼を払い制する仙木とし、記紀の神話にも桃の実を投げて黄泉の鬼を退散させた例が見える。

漢語・英語のm-m音語との比較
 参考までに、漢語や英語の場合、m-m型の語音が成立しているのかどうか、成立しているとしたらどんな意味用法になっているのか、しらべておきたいと思います。
漢語の中のm-
 さて、漢語の中のm-m音語はどうなっているでしょうか?満を持してとりくみかけたとたん、いきなり難問にぶつかりました。m-m型の漢語が見つからないのです。現代漢語についていえば、中国語教科書(入門編)にかならず「中国語音節一覧表」が表示されていて、そこでくりかえし発音練習をするのですが、その一覧表を見ると、音節語尾に用いられている子音は-n-ngだけで、あとはすべて母音となっています。したがって、現代漢語に~m、m~m型の音節が成立していないことは、中国語学習者にとってほぼ常識のはずです。ただ、それがアタリマエと考え、ナゼ・ドウシテと追求することもしませんでした。
 現代漢語として通用しなくても、上古漢語では成立していたかもしれません。そう考えてしらべてみましたが、m~m型上古漢語の用例が見つかりません。やむをえず、m~型と
~m型の用例を採集・調査することにしました。

m~型
バイ
バイ媒333.mueg>mei. ①なかだち。②なこうど。③二つのものをけつごうさせる手づるとなること。//某は「口の中に・印を含むさま+木」の会意文字で、梅の実を口に含むさま。梅と同じ。媒は「口+音符某」の会意兼形声文字で、互いに不明な男女の間に立ち、理解させようと努めること。

ビ尾382.miuer>wei. ①お。動物のしっぽ。②細長い物の末端。しり。③雌雄が交尾する。つるむ。④二十八宿の一つ。基準星はいまのさそり座に含まれる。//「尸(しり)+毛」の会意文字で、しりにはえた毛のこと。ビ[眉・媚]と同系。
ビ微449.miuer>wei. ①かすか。②身分が低くて、目だたない。③小さくて、目だたないもの。④わずかに。かすかに。⑤ひそかに。⑥ない。⑦一の百万分の一。//[](よくわからない)・マイ[](暗くてよく見えない)などと同系。
ビン
ビン敏567.miein>min.さとい。神経がこまごまとよく働く。とし。行動がきびきびとはやいka//「毎(草がどんどんはえる)+攵(動詞の記号)」の会意文字で、休まず、どんどん動くことを示す。毎は音符ではなく、意符である。

フ巫400.miuag>wu. みこ。かんなぎ。//「工+人二人」の会意文字。神を招く技術を示したものであろう。ブ[]と同系。
ブン
ブン文574.miuen>wen.①あや。きれいな模様。②きれいにかざったさま。③かざる。④文字。⑤ふみ。文章や手紙。⑥武に対して文といい、文化や教養学芸など。//もと、土器につけた縄文の模様のひとこまを描いた象形文字で、こまごまとかざりたてた模様のこと。紋の原字。
ベン
ベン勉161.mien>mian. ①つとめる。はげむ。②はげます。//免は女性が股を開いて出産するさまを描いた₊象形文字。勉は「力+音符免」の会意兼形声文字で、むりをして力む意。*産婦がムリをしてリキミかえった結果、赤ん坊はせまい産道からマヌカレ、世間にウミ[生・産]おとされる。

ボ母697.mueg>mu. ①はは。②物をうみだす根源。③実母になぞらえた女性。//乳首をつけた女性を描いた象形文字で、子を産み育てる意味を含む。マイ[]・バイ[梅・媒]・ボク[]などと同系。
ボウ
ボウ望619.miang>wang. ①のぞむ。見えにくい遠方を見ようとする。②のぞむ。まだかまだかと待ちわびる。③のぞみ。④よい評判によって得た信用。⑤もち。満月。//zz7/2
望の原字は「臣(目の形)+人が伸びあがって立つさま」の会意文字。望は、それに月と音符ボウ[亡]を加えた会意兼形声文字で、遠くの月を待ちのぞむさまを示す。
ボウ

ボウ貌1249.mog>mao.かたち、顔のかたちや姿。かたどる。//「貌の編(けもの)+旁(音符)」による会意兼形声文字で、人や動物のあらましの姿をあらわす。
ボウ
ボウ貿1257.mog>mao. ①もとめる。あきなう。目がみえない。//ボウ[]は、むりに窓をこじ開けて,中のものをもとめるさま。貿は「貝(財貨)+音符卯」による会意兼形声文字で、相手の手のうちをむりのおしあけて、利益をもとめること。ボウ[謀・冒]・ム[]などと同系。
ボウ帽410.mog>mao. ①頭を隠すかぶり物。帽子。②物にかぶせるキャップの総称。//「巾(ぬの)音符(目におおいをかべせる)」の会意兼形声文字で、かぶせ布のこと。
ボウ亡39 miang>wang. ①ほろびる。②ない。③にげる。*「人+(カコミ)」の会意モジ。人をカコミ、カクス姿。
ボク
ボク墨287.muek>mo. ①墨。②墨で書いたもの。③入れ墨。④隅なわ。大工道具。//コク[黒]は「煙突+炎」の会意文字で、煙突のふちに点々とすすのたまったさまを示す。墨は「土+音符黒」の会意兼形声文字で、土状をなしたすすの塊のこと。コク[]・バイ[]・カイ[晦・海・灰]などと同系。
マイ
マイ埋275.mieg>mai. うめる。うずめる。*⇔バイ買meg>mai. (不足分をウメル姿)。ウム[生・産]⇔ウム[埋]。
マイ
マイ毎697.mueg>mei. ①ごとに。②むさぼる。//(頭に髪をゆったさま)音符母」会意兼形声文字で、とくに次々と子をうむことに重点をおいたことば。*ムクムク、くりかえし、あらたなメ[目・芽]・ミ[実・身]をムキだす(ウミだす)姿。
マツ末624.muat>mo. ①すえ。こずえ。また、はしの部分。②物事のたいせつでない部分。
マン
マン曼614.muan>man. ①ながい。②ひく。ながく跡をひく。//「冂(おおい)+目+又(て)の会意文字で、ながいたれ幕を目の上にかぶせてたらすことを示す。
マン慢491.man>man. ①おこたる。ゆるがせにする。②あなどる。③ゆるい。//マン[]とは、目をおおい隠すさま。長々とかぶさって広がる意を含む。慢は「心+音符曼」の会意兼形声文字で、ずるずるとだらけて伸びる心のこと。マン[幔・蔓]・メン[綿]などと同系。
ミョウ
マン蔓1128.miuan>man. ①つる。②のびる。③はびこり、広がるさま。//「艸+音符(おおいかぶさってのびる)」の会意兼形声文字。mミョウ妙323.miog>miao. ①きめ細かい。細かくて見分けられぬ不思議な働き。②たえ。きめ細かくて美しい。③巧みな。④若い。なんとなくか細い。//ショウ[]は「小+ノ印(けずる)」の会意文字で、小さく削ることをあらわす。妙は「女+少」の会意文字で、女性の小がらで細く、なんとなく美しい姿を示す。ビョウ[](細い目)・秒(細い間)・苗(細いなえ)などと同系。
ミン
ミン民701.mien>min. たみ。おさめられる人々。権力をもたない大衆。また、広く、人間。//ひとみのない目を針で刺すさまを描いた象形文字で、目を針で突いて見えなくした奴隷をあらわす。もとミン[]と同系。のち、支配下に置かれる人々の意となる。

ム・ブ毋697miuag>wu. ①なかれ。禁止の意をあらわすことば。②ない。//「女+一印」からなり、女性を犯してはならないとさし止めることを一印で示した指示文字。ム[]・マク[]と同系。
ム務162.miog>wu. ①つとめ。②つとめる。③つとめて。//矛は、困難を排して切り進むほこ。孜は、むりに局面を打開する努力を示す。務は、さらに力を加えた会意兼形声文字で、困難を克服しようとりきむこと。
ム夢300.miueng>meng. ①ゆめ。②ゆめみる。③くらい。//[]の上部はベツ[](細目)の上部と同じで、羊の赤くただれた目。よく見えないことをあらわす意符。ム[]は、この意符に「冖(やね。おおい)+夕(つき)」を付加した会意文字で、夜のやみにおおわれて、物が見えないこと。
ム霧1452.miug>wu. ①きり。水蒸気が冷えて、細かな水滴となって空気中にただよい、物の姿を隠すもの。②もやもやとあいまいなさま。//務は、手さぐりして求める意を含む。霧は「雨+音符務」の会意兼形声文字。
メイ
メイ明594.miang>ming. ①あきらか。あかるい。②物事にあかるい。③あきらかにする。④ものを見分ける力。⑤曇りのない知恵。⑥あける。あけ。夜あけ。⑦あかり。光線。//+「日+月」ではなくて、もと「冏(まど)+月」の会意文字で、あかり取りの窓から、月光が差しこんで物が見えることを示す。また、人に見えないものを見分ける力を明という。モウ[(見えないものをのぞむ)・萌(見えなかった芽が出てくる)]などと同系。
メイ名214.mieng>ming. ①な。人の名前。②内容を「実」というのに対して、それをあらわすことば。③な。評判。④有名である。⑤なづける。命名する。⑥人数を数えるときのことば。//「夕(三日月)+口」の会意文字で、薄暗いやみの中で自分の存在を声で告げることを示す。
メイ鳴1534.mieng>ming. ①なく。鳥がなく。獣などが声を出す。②鳥や獣のなき声。人のなき声やうめき声。③なる。物が音を出す。また、その音。④ならす。楽器などをならす。⑤なる。音がきこえる。//「口+鳥」の会意文字で、鳥が口で音を出して、その存在をつげること。メイ[名・命]と同系。
メイ命226.mieng>ming. ①命。神や目上の人からのさしず・いいつけ・お告げ。②いいつける。③天からの使命。④運命。⑤いのち。⑥名づける。//「A(あつめる)+人+口」の会意文字。人々を集めて口で意向を表明し伝えるさまを示す。メイ[名・鳴]などと同系。
メイ冥125.meng>ming. ①くらい。おおわれて光がないさま。②道理に暗く何もわからないさま。③死者の世界。//「ベキ[](おおう)+日+六(入の字の変形)」のかいい文字。日がはいり、何かにおおわれて光のないことを示す。*視覚がたよりにならず、マク[]・マグ[]・モグ[捥・潛]・モム[]など、触覚にたよって判断するさま
メン
メン面1458.mian>mian. ①おも。おもて。②おもて。まわりを線でかぎった平らな広さ。物体の外側。③かおを向ける。//「首(あたま)+外側をかこむ線」からなる会意文字。あたまの外側を線でかこんだその平面をあらわす。

モ摸551.mag>mo. ①さぐる。②なでる。③まねる。④まねるもとになる手本や型。//バク[]は、草の中に日が没して見えなくなるさま。ない、ない物を捜すなどの意を含む。摸は「手+音符]」の会意兼形声文字で、ないものを手でさぐること。ボ[]・マ[]などと同系。
モウ
モウ毛699.mog>mao. け。生物の表皮にはえる細いけ。②髪のけ。③地表に草木・作物が生える。また、その草木・作物。//細いけを描いた象形文字で、細く小さい意を含む。
モク
モク木622.muk>mu. ①き。葉や花をかぶったもの。②き。材料としての、き。また、きでつくったもの。③五行の一つ。方向では東。色では青。時間では春。十干では甲と乙。④木星。⑤飾り気がない。質朴。//立木の形を描いた象形文字。上に葉や花をかぶった木。モク[沐]と同系。*葉や花がムクムク・メ[]をムク・ムキダス・カムサル姿。
モン
モン門1398.muen>men. ①かど。通路をおさえて作った門。②せまい入り口。転じて、最初の手引き。//左右二枚のとびらを設けた門の姿を描いた象形文字で、やっと出入りできる程度に、狭くしているの意を含む。モン[悶・問・聞]などと同系。
モン問238.miuen>wwen. ①とう。たずねる。といただす。②とい。問いただすこと。③問う。人をたずねる。//門は、二枚のとびらを閉じて、中を隠す姿を描いた象形文字。隠してわからないの意。わからない所を知るために出入りする入り口などの意を含む。問は「口+音符門」の会意兼形声文字で、わからないことを口で探り出す意。ブン[聞](耳でわからないことを探る)と同系。
ライ
mライ來630.mleglai. ①くる。きたる。②きたる。こさせる。③これから先のこと。未来。④このかた。//ライ[來]は、穂がたれて実った小麦を描いた象形文字で、むぎ(麥)のこと。麥(麦の原字)は。それに「足を引きずる姿の印」を添えた形声文字で、「くる」の意をあらわした。のち、「麥」をむぎに、「來」をくるの意に誤用して今日に至った。ライ(來)とバク・マク(麥)とは、上古のml-という複子音が、lmとにわかれたもの。西北中国に定着した周の人たちは、中央アジアから小麦の種が到来してから勃興したので、神のもたらした結構な穀物だと信じてたいせつにした。

~m型
アン
アン暗604.em>an. ①くらい。閉じこめられてくらい。②道理や知識にくらい。③やみ。くらやみ。④ひそかに。目につかぬ所で。⑤そらんずる。口ごもってくり返しつつ覚える。//オン[音]は、+言の字の口中に[、]印を加えた会意文字で、口の中に何かを含んで口ごもるさま。暗は「日+音符]」の会意兼形声文字で、中に閉じこもって光のささないこと。イン[]・キン[]などと同系。
イン
イン陰1421.iem>yin. ①くらい。②くもる。③かげ。④かくす。⑤かくれる。⑥人の生殖器。⑦陽の対。⑧ひそかに。かげで、こっそりと。//ヨウ[陽](日の当たる丘)の反対。つまり、日の当たらないかげ地のこと。中にとじこめてふさぐの意を含む。キン[]・イン暗]と同系。
エン
エン奄314.iam>yan. ①おおう。上から大きくかぶせる。②ふさぐ。ふさがる。//「大+申(伸びる)」の会意文字。伸びたものを、上から大きくおおうことを示す。*⇔ヤミ[]・ヤム[止・病]
オン
オン音1467.iem>yin. ①おと。ね。口をふさいで出すウーというふくみごえ。声帯をふるわせて出る音。舌や唇などの調整が加わったこえを「言」といい、調整の加わらないこえを「音」といった。②おと。ね。ことばをなさず、高低大小のあるおとすべてをいう。③きこえてくることば。しらせ。おとずれ。//言という字の口の部分の中に・印を含ませた会意文字。
カン
カン拑519.giam>qian. はさむ。ふくむ。//カン[甘]は、口の中に、・印をふくみこむさま。拑は「手+音符甘」の会意兼形声文字で、入り口を閉じてなかにはさみこむ動作のこと。
カン鉗1372.giam>qian. ①くびかせ。②くびかせをかける。くつわをはめる。③はさむ。//鉗は「金)音符甘」による会意兼形声文字で、金属のわくではさんで物をとじこめること。*カム・クム・フクム姿。また、ハム・ハマル。ハメル姿。
カン敢569.kam>gan, ①あえてする。②あえて。思い切って、はばからずに。//敢は、古くは「手+手+ノ印(払いのける)音符甘」の会意兼形声文字で、封じこまれた状態を、思い切って手で払いのけること。
カン陥1418.ham>xian. ①おちいる。おとしいれる。②はまりこんで、よくない状態になる。③城などを攻めおとす。また、攻めおとされる。④おとし穴。//「阜(土もり)音符臽」の会意兼形声文字で、土の穴におちること。*カム・クム・フクム姿。また、ハム・ハマル。ハメル姿。
キン
キン今46.kiem>jin. ①今。現在。②今に。まもなく。//「A印(ふたで囲んで押さえたことを示す)+一印(とり押さえたものを示す)」の会意文字。のがさずに捕らえ押さえている時間。
ケン
ケン倹.80.giam>jian. ①つつましい。②引き締める。きりつめる。//「A(あつめる)+口二つ+人ふたり」の会意文字。多くの物をひと所に集約することを示す。
ケン剣149.kliam>jian. つるぎ。まっすぐで、両側に刃があるかたな。また、それを使ってする武術。//「刀+音符ケン[僉](そろう)」の会意兼形声文字。
ケン嫌334.hlam>xian. ①きらう。いやがる。②うたがう。③きらい。うたがい。//兼は禾(いね)を二つ並べ持つ姿。いくつも連続する意を含む。嫌は「女+音符兼」の会意兼形声文字で、女性にありがちな、あれこれと気がねし、思いが連続して実行をしぶることを示す。
ケン謙1234.k’am>qian. ①へりくだる。②控えめでつつしみ深い。③あまんじる。//「言+音符ケン」の会意兼形声文字で、くぼんで退き、後ろに控えること。
ケン鎌1388.gliam>lian. かま。草をかり集めるのに用いる農具。//「金)音符兼」による会意兼形声文字で、草を刈って集める金属製の道具。レン[廉・簾]などと同系。
ケン欠678.k’iam>qian. ①腹がくぼんで、からだが曲がる。がっくりする。②あくび。③かく。かける。くぼむ。④借り、借金。//ケツ[缺]とは、もと別字だが、意味が似ているため混用され、欠を缺に代用するようになった。
ケン験1505.ngiam>yan. ①ためす。②しるし。証拠。③しるし。ためした結果としてあらわれたもの。④しるし。きざし。//ケン[験]の偏は、物をよせ集め、まとめること。験は「馬+音符検の略体」の会意兼形声文字。もと、馬を乗りくらべて、よしあしをためすこと。
サン
サン三8.sam>san. ①みっつ。②三番目。③いくつも。④みたび。//三本の横線で三を示した指示文字。参加のサン[参]と通じて、いくつもまじること。シン[森](なん本もまじった木立)と同系。また、サン[杉・衫]などの音符サン[] の原形。*二本の横線のスキマにもう一本の横線をウメこみ、スミこませ、ミタス姿。
サン参192.sam>san. みつ。みっつ。//三つの玉のかんざしをきらめかせた女性の姿を描いた象形文字。入りまじってちらちらする意を含む。*サン[三]の項を参照。
ザン
ザン斬579tsam>zhan. ①きる。刃が食いこんで切れ目をつける。②たつ。たえる。③首または胴体をきり落とす重い刑。//「車+斤(おの)」の会意文字で、車をおのできることを示す鋭い刃が割りこむこと。ザン[塹・漸]などと同系。
シン
シン森655.siem>sen. ①たくさんの木がびっしりと茂ったさま。②こんもりとして暗い。こもった感じで陰気。③もり、たくさんの木が茂ったところ。//「木三つ」を合わせた会意文字で、サン[三・参]などと同系。
セン
セン占.184.tiam>zhan. ①占う。占い。②しめる。どれかを選んでそれに決める。自分の持ち分を決めて、いすわる。//「卜(うらなう)+口」の会意文字。この口はある物やある場所を示す記号。卜(うらない)によって、一つの物や場所を選び決めること。*モノのあるべき場所(マ[]・ミチ[道])をモトメ[求]ておもいをめぐらし、キメたあとは、その
いたマ[]・ミチ[道]にトドマリ、マモルこと。
セン染641.niam>ran. ①そめる。そまる。②しみこむ。//染の原字は「九+木」で、液体・色汁を入れる箱。染は、これに水を加えた会意文字で、色汁の中に柔らかくじわじわと布や糸をひたすこと。
セン閃1399.thiam>shan. ①ひらめく。さっと門にはいる。ちらっと見える。②きらめく。③.いなびかり。//「門+人」の会意文字で、人かげがちらっと一瞬みえて、すぐ門のかげにかくれることをあらわす。
ゼン
122.niam>ran. しなやかなさま。長くたれたひげの姿。//ふたすじのひげがしなやかに垂れた姿を描いた象形文字。セン[](じわじわと汁に浸す)・ネン[](やわらかくねばりつく)と同系。
タン
タン担521.tam>dan. ①になう。重い物を肩にかつぐ。②になう。その仕事や責任を引き受ける。③かつぐ荷物。
テン
テン店418.tan>dian. ①みせ。決まった場所に建物を構えて、物を売る家。店舗。②はたご。宿屋。旅館。//占は、占(うらない)をして、どれか一つに決まること。店は「广(いえ)音符占」の会意兼形声文字で、行商人とは違い、一つの場所をきめて家を構えた意を含む。
ネン
ネン念461.nem>nian. ①おもう。心中深くかみしめる。②心中おもいつめた気持ちや考え。③よむ(口を大きく動かさずに)。④二十。ニジフni-ziepがつづまって、最後のpmとなった。//今は「△(ふさぐ)+¬(かぎ形の壁でかくす)」から成り、中に入れてふくむことをあらわす会意文字。念は「心+音符今」の会意兼形声文字で、心中深く含んでかんがえること。ギン[]とも近く、うなるように含み声でよむこと。
バク
バク麦1547.mluek>mai. むぎ。紀元前十世紀ごろ、中央アジアから周(今の陝西省)にもたらされた植物。//ライ[來]は、穂が左右に出たむぎを描いた象形文字。麥は、それに足をそえた会意兼形声文字。遠くから歩いてもたらされたむぎをあらわす。がんらい、ライ[來]が「むぎ」、バク[麦]が「くる、もたらすの意をあらわしたが、いつしか逆になった。
ハン
ハン凡130.biam>fan. ①あたりまえのさま。②全体をおおっているさま、③およそ。//広い面積をもって全体をおおう板または布を描いた象形文字。ハン[帆・汎・範]などと同系。ヤマトコトバのハム[嵌・填]・ハマル・ハメルなどにアテハマル語音。
ハン汎710.p’iam>fan. ①ただよう。うかぶ。水面がふわふわとひろがる。②あまねし。あまねく。③あふれる。わくをこえて広がる。*ハメ[羽目](ワク)にハマっていた水がアフレ出す姿。
フウ
フウ風1481.pliuem>feng. ①ゆれ動く空気の流れ。②ゆれる世の中の動き。③姿や人がらから発して人の心を動かすもの。//ホウ[鳳]〈おおとり〉とフウ[風]原字はまったく同じ。中国では、おおとりをかぜの使い(風師)と考えた。篆文は「虫(動物の代表)+音符凡」からなる会意兼形声文字。凡は帆の象形。古くはpl型の複子音もち、ブルブルとゆれ動く意を含んでいた。
ホウ
ホウ鵬1540.beng>peng. おおとり。想像上の大きな鳥。//「鳥+音符朋」の形声文字。
ラン
ラン嵐395.blem>lan. 山の清らかな風や、空気。山気。もや。//風の発音は太古にplem,
blem型であった。そのpが脱落してlが残ったのが嵐であり、lが脱落して韻母もかわったのが風piungである。
レン
レン廉423.gliam>lian.①かど。境め。②、物事のけじめ。折りめ。③いさぎよい。④やすい。 //「广(いえ)音符兼」の会意兼形声文字で、家の中に寄せあわせた物の一つ一つを区別する意を示す。転じて、物事のけじめをつけること。
レン斂573.gliam>lian. ①あつめる、絞るようにしてあつめる。②おさめる。おさまる。たるんだものを引きしめる。③死体を棺の中におさめる。//「攵+音符[斂-攵]」は、多くの物をつぼに寄せあつめたさまを描いた象形文字。のち、「A印(集める)+二つの口+二人の人」の会意文字で示し、寄せあつめることを示す。斂は、これを音符とし、動詞記号[]をそえた会意兼形声文字で、引き絞ってあつめること。

まとめ 
 不十分ながら、ひととおり漢語m-音の意味用法についてさぐってみました。意外な展開の連続でしたが、そのこと自体、全体として日本語m-音とよく似た展開をしめしているようにも思われます。このあとも、さらに追究しつづけたいと思います。

おわび
 英語m-m音についてもとりあげる予定にしていましたが、時間切れのため、次回にまわさせていただきます。おゆるしください。m-m音英語では、ヤマトコトバのメモリ[目盛り]の対応する語音してmemo, memory, rememberなど、落語・漫才のネタみたいなものも出番をまっているようです。




2019年6月18日火曜日

山王まつりの「酒まんじゅう」など



『古事記』を読む会 5/12



 富山市民国際交流協会総会 5/28



おはらい  5/31


山王まつりの「酒まんじゅう」6/1 


『古事記』を読む会 6/2 


音を聞く会  6/5  



 訪問販売 6/7







『古事記』を読む会

 5月12日(日)。午前10時から、茶屋町豊栄稲荷神社で、『古事記』を読む会に出席しました。月例の研修会なので、会員がそれぞれ独特の視点からの研究成果をもちよって報告・提案し、討論することになっています。『古事記』のどの記事をとりあげるかは自由ですが、しばらくは「天孫降臨」あたりを中心に考えてみようとことになっています。

 会の代表でもある服部征雄さんからは、毎回専門の医学・薬学の視点から、『古事記』にみられる「当時日本列島の薬草・薬剤・治療法の実態」や「大和朝廷の成立における隼人族の役割」などの資料がよせられており、よい勉強になります。この日の研修会では、ℍさんから坂本信幸さん(高岡市万葉歴史館館長)の文章「新しき御代[令和]」(「万葉を愛する会だより」第86号所載)が紹介されたほか、「古事記解釈のためのキーワード」などの資料が提供されました。ただ、わたしは高齢のため難聴気味で、みなさんの討論内容を即座に把握することが困難な状況です。その点、事務局の五十嵐さんが毎回の研修会にあわせて「」を発行・配布してくださっているので、その記事を見ることで前回研修会での状況などを確認することができています。

 わたしのばあい、古事記や万葉集はヤマトコトバの宝庫だと考えています。その中からいくつかのキーワードを採集し、「音形と意味との対応関係」(原理・原則)にてらしあわせて単語家族を再構成し、漢語や英語とも比較・検討してみたい。それができれば、「人類のコトバ」の一員として、ヤマトコトバや漢語の「位置づけ」も見えてくるかもしれません。ブログ(426日号)でも、そのユメとりあげていたところ、さっそく今回の会報49で丸ごと紹介していただきました。

 いまの日本では、「そのコトバ、どんな字(漢字)で書くの?」など、コトバの音形(発音)よりも字形にこだわる傾向があります。しかし、よく考えてみると、コトバはもともと音声言語が基本であり、モジは「コトバを記録する道具」に過ぎません。ただ、音声言語が発声された直後に消滅する飛び道具」なのに対して、モジは「コトバを記録し、時間・空間の制約をこえて伝達する装置」です。モジはやがて、表意モジ(漢字など)と表音モジ(ギリシア文字、ローマ字など)にわかれます。漢字は漢語を記録するために発明された表意モジで、一つのモジ(1音節)が一つの事物を表わすようになっているので、たいへん便利なモジです。

 日本列島では、ヤマト朝廷が成立した当時、まだモジをもたなかったのですが、応神天皇のころ(5世紀?)漢字が伝来したとされています。ただし、漢語とヤマトコトバとは「音韻感覚がちがう」などのため、漢字だけでは十分な意味表現ができず、カナ(万葉カナ・カタカナ・ひらがな)という表音モジを補充して使用することになります。

 表意モジが便利なモジであることはたしかですが、時代の流れとともに「新生事物」が生まれ、漢字の総数は数万。あきらかに限界に達しています。国民の日常生活の面から見ても、また国語教育の面から見ても、これまで「きわめて便利な道具」と評価されてきたはずの漢字ですが、いつの間にか「きわめて不便な道具」、「漢字のヨミカキ習得についやす時間がモッタイナイ」など、マイナス評価をする動きがあることも無視できません。

 朝鮮半島では韓国も北朝鮮も数十年まえに漢字をやめ、ハングルに切りかえました。いま世界中で漢字をつかっているのは、中国と日本だけ。その中国では、数十年まえから「簡体字」(徹底した略字)を使用するとともに、小学校入学早々まず中国語ローマ字つづりを自由にヨミカキできるように指導したうえで、そのローマ字つづりをたよりに漢字の発音をおぼえるようにしました。その結果、義務教育を修了した段階ですべての子どもたちが全国共通語(北京語)を話せるようになりました。

 さらにいえば、「中国語ローマ字つづり」を制定したさきには、「漢字のままではムリだが、ローマ字つづりの中国語なら、世界中の人たちにうけいれてもらえるだろう」という世界戦略もかくされています。それにくらべて、いま日本の文科省当局は、どんな方向を目ざし、どんな国語政策、どんな世界戦略をすすめているのでしょうか?



富山市民国際交流協会総会

528日午後、富山駅前 CICの3fで開催された富山市民国際交流協会総会に出席しました。老人ホームに入居してからは、毎日散歩に出かけるだけの体力もなくなり、協会の会合に参加することもめったになくなりました。昨年1111日の「国際交流フェスティバル2018」も体調不良で出席できませんでした。

総会終了後の記念講演として、布村幸彦さんが「東京2020オリンピック・パラリンピック大会の準備状況」について報告されました。布村さんは、富山市出身で、富山高校を経て、東京大学法学部卒。1978年文部省入省。2009年スポーツ・青少年局長,20141月より(公財)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会常務理事 、副事務総長、という経歴の方です。

記念講演のあと、懇談会にも出席しましたが、むかしから顔なじみの方の出席はほんのわずか。「大正・昭和は遠くなりにけり」と痛感した一日でした。



山王まつりのおはらい

531日午後、山王祭りの前夜祭ということで、お神輿が町内を巡幸してゆきました。昨年はたしか1f桝谷内科のロビーまで獅子舞い一行がはいりこみ、在席した人たちが頭を嚙んでもらっていたと記憶していますが、ことしはお神輿が路上で待機、正装した神主さんがロビーでノリトをあげ、おはらいをすませ、お神酒やお米などをうけとってゆかれました。



酒まんじゅう

 61日。ホームの昼食は、山王まつりのスペシャル・メニューとなりました。まずは「おまつり」と書いたカードをかざり、「赤飯」と「テンプラ」でオマツリ気分を盛りあげます。そしてオマケに、竹林堂の「酒まんじゅう」までそえてありました。その包み紙には「まんじょや、まんじょ。まんじょ、いらんけ。まんじょ」という文句が印刷されています。毎年61日になると、早朝からおおぜいの子どもたちが楽しそうに歌いながら売り歩いたという、その文句です。



古事記』を読む会

 62日(日)。午前10時から、茶屋町豊栄稲荷神社で、『古事記』を読む会に出席しました。その記録をのこそうとパソコンにむかったのですが、とんでもないことに気づきました。ごらんのとおり、研修会のスナップ写真はスマホにのこっていますが、当日配布された会報50号その他の資料が、一つも見あたりません。まことに申しわけないことですが、記録作成は見送りとさせていただきます。記憶喪失(ボケ症状)については、かねがね気にしていましたが、ついにここまで来たかと感じています。



音を聞く会

65日(水)午後、9fで「音を聞く会」に参加しました。この日歌われた曲目は始まりの歌」から「夏の思い出」、「バラが咲いた」、「安里屋ユンタ(沖縄)」、「オジー自慢のオリオンビール」、「港町十三番地」、「川の流れのように」まで。

 わたしはまったくの音痴で、聞くのはすきですが、歌うのはニガテ。歌いたいと思っても、まともな声が出てくれません。それが毎回「音を聞く会」に参加してきたおかげで、ほんのすこしだけ進歩してきた感じがします。まずは歌詞のコトバヅカイをたよりに「歌われている情景」を思いうかべる。つづいて、歌声の高音・低音やリズムにあわせて、自分の体を動かしてみるなどしています。

 そう簡単に上達するはずもありませんが、楽しいひと時をもてるだけでアリガタイと思います。



訪問販売

67日(木)午後、9fで「訪問販売」がありましたので、のぞいてみました 。いつものとおり、食品を中心に日常成生活用品までそろっていました。その中に「黒糖棒」という名の菓子があり、むかし子どものころ味わった「カリント」のことを思いだして、一袋(400円)買うことにしました。いまの歯(総入れ歯)では、すこし固すぎる感じですが、毎日すこしずつかじっています。



折り紙

68日(土)午後、「機能訓練」のフロクとして、折り紙で「帆かけ舟」と「」の作り方を教えていただきました。けっこうムツカシイですね。それだけ、どうにか完成したときの達成感もおおきい。いずれ、数日後には作り方をわすれてしまうでしょうが、それはそれでかまいません。必要なら、もういちど教えてもらえばよいと考えることにしています。



漢英k-k音語の系譜…日本語の系譜(4)

 前回は「k-k音日本語の系譜」をとりあげました。今回は、参考までに、「漢英k-k音語の系譜」をとりあげることにします。

 はじめにおことわりしておきますが、ひと口で「k-k音漢語」といっても、k-k音をもつ漢字の総数が何百字あるかさえ確認できない現状なので、正確なすすめ議論をるのはきわめて困難です。まずはしばらく、試行錯誤をくりかえすほかありません。

 日本漢字音にk-k音がみられることなどから、上古漢語にk-k音語が多数存在したことは確認されています。しかし、現代漢語ではk-ng(コウ工kung>gongなど)タイプ以外のk-k音語が通用していないことも事実です。つまり、上古漢語音(カク[各・角・革・郭]・コク[穀・谷・国]など)の語尾子音-k, -gがすべて脱落したと考えられています。ただし、音形が変化しても、その意味・用法は基本的に変化がないようです。

 ここでは、『学研・漢和大字典』の中からk-k音漢語を(ほんの一部だけですが)えらんで紹介します。「日本漢字音・漢字・上古音・現代音・意味・解字」の順。ただし、各項*印以下は引用者の責任。また、参考までに漢字出典のページ数を付記。



カク各208 kak>ge.①おのおの。めいめい。②つかえて止まる。//「人の足+口印」の会意文字で、歩いてい人の足が四角い石や障害につかえた姿を示す。カク[](つかえる枝)・カク[](のどがつかえる)・カク[]などと同系。カク・ヒッカカル。ヒッカケル姿。

カク角1199kuk>jiao. ①つの。かど。②すみ。③ます(升・桝・斗)//角は、ツノを描いた象形文字で、外側がかたく中空であるツノ。カク[](かたいカラ)・カク[](かたい)・カク[](かたい)などと同系。*かたいものでヒッカク姿。
カク画856. huek>huo. ①限る。②区切り。③はかる。④はかりごと。//カク[](区切る)・キ[](区切りをつけるコンパス)などと同系。


カク客355k`ak>ke.①まろうど。訪問者。②旅人。③いそうろう。④見知らぬ人。//各は、足が四角い石につかえて止まった姿を示す会意文字。格(つかえる木)・閣(門のとびらをとめるくい)などと同系。

カク格644. kak>ge. ①こつんとつかえる心棒。人間がもつ本質。人格。②こつんとつかえる。③いたる。いたす。④ただす。*カク・ヒッカカル。ヒッカケル姿。

カク挌525. kak>ge.うつ。かたい物をぶつけて、なぐりあう。挌闘=格闘。

カク閣1405. kak>ge. ①とびらがいきすぎないように止める、杭や石。とびらどめ。②たかどの。③台脚でささえた御殿や役所、見はらし台など。④「内閣」の略。//「門+音符各」の会意兼形声文字。

カク郭1346. kuak>guo.くるわ。外側をへいや城壁でとりまいた町。また、町の外がこいのへい。

カク廓424. k`uak>kuo.①くるわ。②とりで。③がらんと中空になったさま。カク[](ひろげる)・[画](区切って囲む)などと同系。

カク較1295.1 kok>jiao. ①車のはこの両わきにさし出た横木。乗った人がつかまる。②角をつきあわせる。くらべる。2 kog>jiao. ①くらべる。つきあわせる。古くはコウと讀んだ。//較は「車+音符交」の会意兼形声文字。のち、校(交差させて、つきあわす)に当てる。

カク覚1195. kok>jue.①おぼえる。ぼんやりした意識がはっとかみあう。②さとる。さとす。さとり。//見聞きした刺激が一点に交わってまとまり、はっと知覚されること。コウ[]・カク[]などとも同系。

カク攪561. kog>jiao.①みだす。かきみだす。②x型に交差してまぜる。かきまぜる。//「手+音符覚」の会意兼形声文字で、x型にまぜること。

カク隔1431 kak>ge.①へだてる。へだたる。②へだて。へだたり。③横隔膜。//レキ[]は、中国独特の土器を描いた象形文字で、間をしきってへだてる意を含む。上半部には穀物がはいり、下半部と三脚には水がはいり、両部分は穴あき板でしきられている。隔は、「阜(壁や土盛り)+鬲」の会意文字で、壁やへいでしきることを示す。

カク劃154, huek>hua, かぎる。刀でくぎりのしるしを刻みこむ。くぎる。//「刀+音符畫」の会意兼形声文字。畫(筆でくぎりを記入する=画)・劃はすべて同じことばをあらわす。*固いものでカク・ヒッカク姿。

カク赫1268, hek>he. ①あかい。②あきらか。③かっとして、まっかになるさま。④勢いが盛んなさま。//赤は、「大+火」の会意文字。赫は、「赤+赤」の会意文字。*マッカ[真赤]に燃えあがる姿。また、(そのとき)まわりのものをヒッカケル姿。  

カク確913. k`ok>que. ①たしか。②かたい。//「石+音符寉」の形声文字で、もとかたくて白い石英。*カタイ石などでカク[搔]・カギル・カキアツメル姿。

カク獲828. huak>huo. ①える。外側を囲むようにしてとらえる。つかまえる。②つかまえて手に入れたもの。えもの。とり入れ。//カク[]は、隹(とり)を又()でつかまえて、目をきょろきょろさせるさまを示す会意文字。カク[]は、その略字で、作物をつかんで手に入れることを示す。カク[]は、「犬+音符蒦」の会意兼形声文字。カク[](外側を囲むワク)・『攫』(わしづかみ)・ゴ[](外側を囲んで、とられないようにする)などと同系。

カク穫943. huak>huo.①かる。とる。穀物をとりいれる。②えもの。手中にとりおさめたもの。//「禾+音符(手中におさめる)」の会意兼形声文字。*カキアツメル・カコム姿。

カク・コク殻695. k`uk>ke. ①から。貝や卵などのかたいカラ。かたい外皮。②かたい物をこつこつとたたく。//「殳(動詞の記号)音符カク[](殻の原字)」の会意兼形声文字。カタイ[固]カラ[殻]でカコム姿。



キク菊1112. kiok>ju. 草の名。邪気をはらい命をのばす効果があるとされる。//キク[]は、手の中に米をまるめてにぎったさま。菊は、「艸+音符匊」の会意兼形声文字で、多くの花をひとまとめにして、まるくにぎった形をした花。キク[]・キュウ[]と同系。

キク掬533. kiok>ju. ①すくう。②両手一ぱいほどの量。//「手+音符匊」の会意兼形声文字。*日本語キク[聞・聴](キキ耳を立てる)・英語kick(キ[杵]でケル[蹴])に通じる語音。耳もとをkickすれば、テコの原理もはたらいて、よくキク[利]、キコエル。

キク麹. k’iok>qu.①こうじ。米・麦・豆などを蒸して、まるくにぎっておき、こうじ菌を繁殖させたもの。キクジ[麹子]がなまって「こうじ」となり、日本語化した。//「麦音符匊」の会意兼形声文字。*キク麹(こうじ菌)がkickしたことのキキメ(効き目)として、コクモツ[穀物]の細胞がサケ[裂]、おいしいサケ[酒]が生まれた。

キク鞠1462. giok>ju. まり。けまり。かわで包んだまり。//「革音符匊」の会意兼形声文字。*丈夫な革でカコミ、コク[]・シゴク姿。



キャク却186. k’iak>que. ①しりぞく。②しりぞける。③かえる。かえす。//去は、ふたつきのくぼんだ容器を描いた象形文字で、くぼむ意を含む。却は[(ひざまずく)+音符) の会意兼形声文字。人がひざをまげてあとずさりするさまを示す。

キャク脚1062. kiak>jiao. ①あし。ひざで屈曲して後ろへくぼむあし。②物の下の部分。ささえとなるもの。//脚は「肉+音符」の会意兼形声文字。キャク[]は、人が後ろにくぼみさがること。

ギャク逆1311. ngiak>ni. ①さからう。たがう。②さかさま。③むかえる。④あらかじめ。//「辵+音符屰」の会意兼形声文字で、さかさの方向に進むこと.ガク[顎](上下さかさまにかみあわすあご)・ゴ[忤(さかさ)・誤(くい違い)]などと同系。*ヒッカカル・ヒッカケル姿。⇔gag.



キュウ九28. kiog>jiu. ①ここのつ。②九番目。③九回。九度。④ひと所に引きしぼり集める。キュウ[糾]に当てた用法。//手を曲げて、引き締める姿を描いた象形文字で、つかえて曲がる意を示す。*しめ[締]ククル[括]姿。

キュウ究944. kiog>jiu. ①きわめる。②きわまる。//「穴+音符」の会意兼形声文字で、穴の奥底の行きづまる所までさぐることを示す。訓の「きはむ」は、「きは[際]+む」から。*キハ[杵端]・キハム[究・極]の姿。また、しめ[締]ククル[括]姿。

キュウ鳩1533. kiog>jiu. ①はと。②あつめる。あつまる。//「鳥+音符」の形声文字。ひと所にあつまって群れをなす鳥。

キュウ久26. kiueg>jiu. ①曲がりくねって、くねくねと伸びているさま。//背の曲がった老人と、その背の所に、引っぱる印を加えた会意文字で、曲がって長いの意を含む。*老人が後ろから腰のあたりを「カカエラレル」、「カコマレル」、「ククラレル」、「かるくkickされる」、「そのキキメが長くつづく」姿と見ることもできる。

キュウ灸784. kiog>jiu. やいと。漢方療法の一つ。もぐさを皮膚の定められたところ(つぼ)に置いて火をつけ、その熱で病気をなおす。//「火+音符」の会意兼形声文字で、長くつづいてもえる火。

キュウ求707. giog>qiu. ①もとめる。散らないよう、また逃げないように引き締める。②自分のものにしようとする。さがしもとめる。//求の原字は、頭や手足のついた動物の毛皮を描いた象形文字。離れたり散ったりしないように、ぐいと引き締めること。キュウ[裘・糾・救・球]と同系。

キュウ球838. giog>qiu. ①たま。中心にむけて、ぐっと引き締まったまるい美玉。転じて、まるく締まった球状のもの。②たま。まるいボール。//球は「玉+音符」の会意兼形声文字。

キュウ救567. iog>iu. ①すくう。食い止める。助ける。②すくい。//救は「攵(動詞の記号)+音符求」の会意兼形声文字で、引き締めて食い止めること。

キュウ休54. >. ①やすめる。やすむ。やすみ。②仕事をやめる。//「人+木」の会意文字。人が木の陰にかばわれて休息する姿を示す。

キュウ臼1079. giog>jiu. うす。うすでつく//くぼませたさまを描いた象形文字。意符に用いられたときは、シュン[](ウスでつく)・ソウ[](穴にさしこむ)など、穴やウスをあらわす。

キュウ丘18. k’iueg>qiu. ①おか。②小高く土盛りをした墓。③おかのように大きい。//周囲が小高くて中央がくぼんだ盆地を描いた象形文字。

キュウ宮359. kiong>gong. ①みや。王宮。宮殿。②いえ。奥深く、いくむねもある建物。//「宀(やね)+二つの口印(口ではなくて、建物のスペース)」の会意文字。キュウ[窮・究](奥深い)・キョク[](細かくはいりこむ)と同系。

キュウ臭1077. hiog>chou. かぐ。鼻の穴をとおして、においをかぐ。//キュウ[]は「自(はな)+犬」の会意文字。もとは臭・嗅は同じ字であったが、のち「におい」「かぐ」の二つに分用された。



キョウ京42. kiang>jing. ①みやこ。王宮や政府のあるところ。②小高い丘。④数で、兆の十倍。今は万倍。//上部は楼閣の姿(高の字の上部と同じ)、下部は小高い土台を描いた象形文字で、高く明るく大きいの意を含む。上古の人々は洪水や湿気をさけて、高く明るい丘の上に部落をつくり、やがてそれが中心都市となり、ミヤコ[]の意を生じた。ケイ[](明るい日影)・ゲイ[](大きいくじら)・コウ[](高い台地)などと同系。

キョウ教567. kog>jiao. ①おしえる。先生と弟子の間に知識を交流させること。②おしえ。おしえる内容。③神や佛のおしえ。④領主の命令。⑤宗教。⑥しむ。せしむ。おしえて何かをさせることから転じて、使役の意をあらわす。// 「攵(動詞の記号)+音符交」の会意兼形声文字で、子どもに対して、知識の受け渡し、つまり交流を行うこと。コウ[交(まじえる)・效(=効。交流して習う)]・カク[](まじえ比べる)と同系。

キョウ狂818. iuang>kuang. ①くるう。②きちがい。③普通の型をこえてスケールが大きいさま。//「犬+音符王」の会意兼形声文字で、大げさにむやみに走りまわる犬。ワクをはずれて広がる意を含む。コウ[徨(むやみにさまよう)・晃(むやみと広がる光)]・キョウ[](やたらに歩きまわる)などと同系。

キョウ喬241. giog>qiao. ①たかい。②たかくする。おごりたかぶる。うわべだけを偉そうに見せかける。//高の字の上に、先端の曲がったしるしを加えた字で、上部が曲線をなしてたかいこと。また、「夭(まがる)+音符高」の会意兼形声文字と考えてもよい。高と同系だが、は先端がしなっている意を含む。橋(高くしなった橋の渡し木)・驕(背の高い馬→おごる)と同系。

キョウ僑96. giog>qiao. ①教理を離れて旅をする人。②外地に仮ずまいするひと。寄留者や出かせぎ人。③背が高いさま。すらりとしたさま。//「人+音符の会意兼形声文字で、高く抜き出てひとりだちする人の意。転じて、他郷で自活する人のこと。

キョウ橋672. giog>qiao. ①はし。曲線をなして高くかかったはし。②曲がって高くあがるさま。//「木+音符の会意兼形声文字で、高く曲がったはし。

キョウ嬌336. kiog>jiao. なまめかしい。こびを含むさま。//「女+音符の会意兼形声文字で、女がしなやかにからだをくねらせること。

キョウ蕎1129. giog>qiao.①薬草の一種。②「蕎麦」とはそば。草の名。食品の名。そば粉でつくる、そば。//「艸+音符(すんなりと背が高い)の会意兼形声文字。

キョウ共115. kiung>gong. ①ともに。いっしょに。②ともに。全部で。合計して。③とともに。…といっしょに。④ともにする。共有する。いっしょにわけあう。//上部はある物の形、下部に左右両手でそれをささげ持つ姿を添えた会意文字。挟(両手を胸の前にそろえる)・供(両手でささげる)の原字。ℱ両手をそろえる意から、「ともに」の意を派生する。

キョウ供69. kiung>gong. ①そなえる。②差し出す。③役だてる。//「人+音符)の会意兼形声文字で、恭(うやうやしい)・拱(左右の手を組む。こまぬく)と同系。



コウ工399. kung>gong. ①たくみ。わざ。細工や技術。②たくみ。職人。③つかさ。専門の技術で仕える役人。④工芸を職とする階層。⑤労働者。//上下二線の間にⅠ線を描き、上下の面に穴を通すことを示す指事文字。また、かぎ型ものさしの象形ともいう。工はコウ[](突き抜く)の原字で、コウ[](突き抜けたあな)・クウ[]()ときわめて近いことば。

コウ江709. Kung>jiang. ①中国大陸を東西に貫いて流れる揚子江のこと。②川。大きなかわ。//工は上下の面に穴をあけて突き通すことを表わす指事文字。江は「水音符)の会意兼形声文字で、つき通す意味を含む。コウ[](くち)・クウ[](あな)と同系。

コウ項1469. hung>xiang. ①うなじ。くび。②事がらの一つ一つ。//「頁(あたま)音符(まっすぐつらぬく)の会意兼形声文字。

コウ口199. >kou. ①くち。飲食物を取り、物をいうあな。②食べる人の数やたべぐぐあい。③あな。ぽかっとくちをあけたアナ。④くち。入りぐち。⑤くちずから。

コウ高1513. kog>gao.(場所や建物が)たかい。たかさ。②(位・人柄・腕まえなどが)たかい。すぐれている。//台地にたてたたかい建物を描いた象形文字。コウ[稿](コウリャンの茎)・キョウ[](たかい)などと同系。

コウ稿940. kog>gao. ①わら。穀物の穂をとり去った茎の部分。かわかしたわら。②詩文のしたがき。「草稿」。//「禾+音符)の形声文字。

コウ公111. kung>gong. ①おおやけ。みんなにうちあけ、みんなとともにすること。②一部にかたよらないさま。③個人のことでなく、官に関すること。④きみ。公・侯・伯・子・男の五等爵の第一位。//篆文の下部は私の原字で、三方からとり囲んで隠すことを示し、上部の八印はその反対に左右に開くことを示す。甲骨・金文は「八印(開く)+口」の会意文字で、入り口を開いて公開すること。個別に細分して隠さずおおっぴらに筒抜けにして見せる意を含み、工(突き抜く)・空(突き抜けた)・攻(突き抜く)などと同系。

コウ交40. kog>jiao. ①まじわる。互いに行き来しあう。②交わる。まじえる。(x型に)。③手渡して受けとらせる。④まじわり。⑤こもごも。//人が足を交差させた姿を描いた象形文字で、絞(なわや布をx型にしぼる)・跤(足をx型にねじる)・校(x型のかせ)などに含まれる。

コウ校646Kog>jiao.①かせ。木をx型に交差させ、手や足をしめる刑具の一つ。②交互にわたりあう。やりかえす。③くらべる。//「木音符の会意兼形声文字。

コウ効160. hog>xiao. ①しるし。かい。②きく。ききめがある。③いたす。力を出し尽くす。//「力音符の会意兼形声文字。

コウ黄1549. huang>huang. ①き。きいろ。きいろい。五色(青黄赤白黒)の一つ。五方では、中央、五行では土の色に当たる。地上の支配者皇帝の色。高貴な色とされる。③きばむ。きいろになる。//火矢の形を描いた象形文字。上は光の略体、下は、中央にふくらみのある矢の形で、油をしみこませ、火をつけて飛ばす火矢。光(ひろがるひかり)と同系。

コウ光104. kuang>guang. ①ひかる。ひかり。②ひかり。外に照りはえるかがやき。目だつ才能や名声。③かがやく。かがやかす。//人が頭上に火を載せた姿を示す会意文字。コウ[晃・煌・黄]と同系。



コク囗256. kuek>guo. くに。國の略字。//周囲をぐるりと囲んださまを示す指事文字。ヰ[](かこむ)の原字。

コク(ワク)503. huek>huo. ①ある。不定のものをさすことば。②あるいは。③まどう。//「戈(ほこ)+囗印の地区」の会意文字。ある領域を区切り、それを武器で守ることを示し、イキ[]やコク[]の原字である。

コク國263. kuek>guo. ①くに。境界で囲んだ領域。②国。国家の統治の仕組み。③くに。生まれ育った国家。//「囗(かこい)+音符或」の会意兼形声文字で、ワクで境界を限る意を含む。「或・域・國」はもと同系のことばであったが、のち,或は有、域は地域の意に用いられ、國は統治されたクニの意に専用されるようになった。

コク刻143.k’ek>ke. ①きざむ。②骨身を削るような苦しみをする。③むごい。④とき。漏刻(水時計)のきざみめ。⑤時間の単位。一刻は十五分。//「刀+音符刻(ごつごつした豚の骨組み)」の会意兼形声文字。

コク穀939. kuk>gu.①穀物の総称。かたいカラをつけた、食べられる粒状の実のこと。//「禾(穀物)音符殻(かたいカラ)」の会意兼形声文字。

コク告219. kok>gao. ①つげる。ことばで人に話しきかせる。②訴える。おかみに申し出る。③つげさとす。④官吏が休暇や引退の意を申し出る。//[]+囗(かこい)の会意文字。次項コク[]の原字。

コク650. kok>gu. てかせ。②しばりつけて動けなくする。//「木+音符告(かっちりつける)」の会意兼形声文字。

コク酷1355. k’ok>ku. ①むごい。きびしい。②むごいしうち。また、苦しみ。③むごいしうちに対するうらみ。④酒の味が強い。「コクのある酒」などの「コク」はこれから出た語という。⑤はなはだしい。//「酉+音符告(きつくしめる)」の会意兼形声文字。もと、舌をしめつける強い酒のこと。*固いものでカコム・コク[]・シゴク姿。

コク克106. k’ek>ke. ①かつ。がんばって耐え抜く。②かつ。かち抜く。③よく。耐え抜いて…できる。//上部は思い頭、またはカブトで、下に人体の形を添えた会意文字。*重く固いものがカブサリ、コク・シゴク姿。

コク剋145. k’ek>ke. ①かつ。がんばって相手にうちかつ。②きざむ。きざみつける。//「刀+音符克」の会意兼形声文字。克の原義をあらわし、また刻(力をこめてきざむ)に通じて用いる。

コク哭233. k’uk>ku. ①なく。大声をあげてなく。②葬式や墓前で大声でなく。//「口二つ+犬」の会意文字で、大声でなくこと。口二つは、やかましい意を示す。

コク谷1243. kuk>gu. ①たに。②きわまる。③コクモツ[穀物]//「八印(わかれ出る)二つ+口(あな)」の会意文字。水源の穴から水がわかれ出ることを示す。コウ[(くちの穴)・后(しりの穴)・喉(のどの穴)]と同源。



英語の中の「k-k音の系譜」

 例によって、「インド・ヨーロッパの語根とその派生語」(一覧表)の中から、関連項目をひろってご紹介します。「語根・基本義・派生語」の順(日本語訳および各項*印以下の部分は引用者の責任)。

akka- (to defecate脱糞する) poppycockたわごと, cacophonycaco=bad)耳ざわりな音, cucking stool懲罰いす.⇔(クソ・ウソを)コク[扱]・シゴク。コク[酷・梏・刻]。

eg- (hookホック。カギ, tooth) hook, heckleやじり倒す, hack¹たたき切る. *ヒッカク・ヒッカカル・ヒッカケル姿.⇔カク[掛・懸]・カギ。

ek- (to excrete排出する) copro- dung(コヤシ)の意味のギリシア語系造語要素。⇔コク・シゴク。

kenk- (to girdカコム, bindしばる) cinch馬の腹帯, precinct地区, succinct簡潔な. カコム・ククル。

konk- (to hang掛ける) hang, hingeチョウツガイ. ⇔ヒッカカル。