2017年4月21日金曜日

大国主と少彦名の話など


日文悠研修会 3/24


Atukoさん来訪 3/28 


花鉢 3/28


『古事記』を読む会 4/2


クラがサイタ! 4/6




<日誌>
3月24日()午後、茶屋町の豊栄稲荷神社で日文悠の研修があり、佐藤稔さんが「度田八幡塚古墳出土の埴輪の一考察」と題して報告されました。研修会のあと総会も。

3月28日。東京から来られたAtukoさん(信子の姪)といっしょに藤の木病院へ面会に行ってきました。Atukoさんは、この数年来「春のサクラ」「秋の紅葉」の見物旅行で同行したときの写真アルバムを持参。それを見た信子も、あらためて当時のことを思いだし、なつかしんでいました。
Atukoさんから、お見舞いとして鉢植えの(写真)をいただきましたが、病院へ持ちこむわけにはゆかないので、自宅に置いてあります。まだたくさんのツボミが残っているので、みんな咲いてくれるまで水やりをすることが、わたしの日課となりました。

4月2日()午前、茶屋町の豊栄稲荷神社で古事記を読む会の研修会があり、藤田富士夫さんの講話をきかせていただきました。第1部、太安万侶と『古事記。第2部、八千矛神の歌物語。講話のあと、藤田さんをかこんでの昼食会となりました。

 46日(木)。サクラが サイタ。つい先日まで、かたいツボミのままだったいたち川べりのサクラですが、きょうはみごとな花をさかせてくれました。「オマチドオサマ」とアイサツしている感じ。まだほんの23分咲きといったところですが、このあとが楽しみです。 水神社への遊歩道も、サクラが咲いたことで、いっぺんに春らしい感じになりました。

<コトダマ ひろば>
◆グンマ・クラモチとキョウ族の対応関係
3月24日、悠学会の研修会で、佐藤稔さんが「保度田八幡塚古墳出土の埴輪の一考察と題して報告されました。群馬県高崎市の古墳から発掘された人物群像の中に「王が携帯する大刀の柄頭に記されたマーク」を発見したことから、このマークが「中国・美族を出自とする豪族のシンボルマーク」だとする仮説をたてたとのことです。歴史学や考古学の知識がとぼしいわたしには、分かりにくいことばかりですが、たいへんロマンチックで、おもしろいと思いました。
 できれば、おもしろい「仮説」から、たしかな「通説」になってほしいと思いますが、それには、もういちど調査資料の客観性をたしかめ、仮説の客観性・合理性・説得力を高めるなどの作業が必要かもしれません。コトバの音形と意味との対応関係にこだわる立場から、わたしはつぎのような点に注目し、問題点を考えてみました。
  そのマークを当事者たちがどう呼んでいたのか(音声言語として)?…また、そのマークが周辺へ伝播する過程で、その呼び名はどうなったか?
  美族を示す漢字キョウ[]は、ショウ[]・ヨウ[羊・養・様]などとともに、音符羊を共有している。この事実をどう解釈するか?・・・ヨウ[羊・養・様]はいずれも上古音giang、現代音yangで、「神への供物として善い」姿なので、音義とも同系のコトバといえる。ショウ[]は上古音giang、現代音xiangだが、ほぼ同系のコトバ。
  おなじくヨウ[]の字形を共有しながら、グン[]・ゼン[]・ビ[]などは、音声言語としてはヨウ[]とは異質の音形となっている。この事実をどう解釈するか?…音声言語の世界では、音形がちがうコトバは、別のコトバとして区別しなければ混乱を招く。[グン[giuanqun], [ゼンdhianshan], [miuermei]などの音形は、[ヨウgiangyang]との共通点がとぼしいので、同系のコトバとはいえない。ただし、しいていえば、これら[羊・群・善・美]の語音に、ya, yuなどのヤ行音(拗音)が組みこまれているという点では共通している。ここで、これ以上こみいった議論はムリだが、案外、そんなところから、あらたな議論のテガカリがえられるかもしれない。ヤギ[山羊]=みごとなヤ[矢]()をかざす動物と考えれば、やがて日本語ヤナギ[楊・柳][]のような枝をもつ木)と漢語ヨウdiang楊・陽yang(天空をとびかける太陽=矢の鳥)との接点がみえてくる。­
   日本語地名グンマ[群馬]や人名クラモチ[車持]・イリヒコ[入日子]などの語音は、漢語キョウ[美]やヨウ[羊]などにつながるだろうか?…結論からさきにいえば、もともとムリな難題。テマ・ヒマかけてもムダになる可能性がある。まず、地名グンマ[群馬]とは、日本語か、それとも漢語のつもりか?クナガヒ[婚合]・クニ[]・クニツチ[国土]・クヌカ[]・クヌギ[]などのk-n音ヤマトコトバは成立しているが、クン・グン(語尾母音ゼロ)のような音タイプのヤマトコトバは成立していなかった。そうだとすれば、ヤマトコトバではどう呼んでいたのか?「グンマ[群馬]は、もとクルマ[]と呼ばれたから」ということになれば、こんどはk-r音語なので、またしても問題はフリダシにもどることになる。
  それくらいなら、「グンマは、もとケ[食]の国だったから」と解釈するほうがわかりやすくないだろうか?「カミツケの国」・「シモツケ[下毛]の国」に共通する「ケ[食・笥」の国]。 つまり、「豊かな食糧を生産する国(地域)」という誇り高い呼び名。そう解釈すれば、「ケノクニ」と「クルマ・クラモチ」との接点も見えてくる。イナニ[稲荷]イナリ[稲荷]に変化したように、「ケノクニ」などのn-音がr-音に変化してクラ・クルマ・クラモチなどのコトバが生まれた可能性もある。
  マークの「」は、どう呼ばれているか?漢語では「よせ集めてまとめる」姿と見て、ジフdhiepshiと呼ぶ。その点では、シフdhiepshi(ひろう)と同音・同義。やがて、「まとまったもの=  とお(数の単位)の意味・用法となる。日本語ではトオ(トヲ)、ト・ソと呼ぶ。英語では、「タテの線をヨコの線で切る」姿と見て、crossと呼ぶ。こんなぐあいで、一つの事実を表わすのに、日漢英それぞれちがった語音(音形)となる。まったく無関係、テンデンバラバラのようにも見える。ただし、どこかでかすかにツナガッテいるようにもみえる。そこらに散らばっているものを拾い集める姿はダブダブ・デブデブの姿。やがて英語doubleの姿とダブってくる。日本語でいえば、人のからだをキル[切・斬]ことは、やがてコロス[]ことになる。英語で考えて見ても、cross=ヨコギル。十字架。Crossする(十字架にかける)ことは、やがて人をkill(殺す)することを意味する。この段階(音素の段階まで分解)では、日本語と英語は単語家族まるごとでかなりの対応関係を持つことが推定される。

◆オホとスクナのナゾとき
4月2日、古事記を読む会の研修会では、藤田富士夫さんから「太安万侶と『古事記』」「八千矛神の歌物語」など、貴重なお話をきかせていただき、よい勉強になりました。その感想もいろいろありますが、ザンネンながら時間がありません。カネガネ考えていることを、ひとことだけ申しあげます。
 『古事記』は漢文調で書かれた「地の文」と万葉カナで書かれた「歌謡」の部分との合作になっています。当時はモジといえば漢字だけの時代。漢字は漢民族のコトバを表わすために考案された表意モジ文字なので、漢語を記録するには便利ですが、ヤマトコトバの音韻組織は漢語とがちがうので、漢字だけで意味を表わしつくすことができません。とりわけ助詞(テニヲハ)の用法などがそうです。そこで、表意モジの漢字を表音モジとして使う「万葉カナ」方式が考案されたわけです。
 『古事記』では合計112篇、うち「八千矛神の歌物語」だけで5(No. 25)の歌謡が採用されています。すべて表音モジで記録されているので、ヤマトコトバの音韻研究資料として第一級の貴重な資料です。
 たとえば漢字[]の漢語音は上古音mieng現代音mingだけで、あきらかに典型的なm-k音語だとわかりますが、日本語の文脈ではイノチともミコトとも読まれます。「大国主命」の[]がイノチではなくミコトと讀まれるのはナゼか?それは、歌謡の中でミコト[美許等・美許登]・イノチ[伊能知]など、万葉カナで書き分けられていることがキメテになっています。
 それからもう一つ。『古事記』の記事の中には、ヤマトコトバの語源解説そのもの、あるいは語源解釈のヒントになるものがゴマンとつまっています。その典型的な例の一つが、オホクニヌシのオホとスクナヒコナのスクナとの対応関係です。
 人間関係としては、国主命(神)が一国の王者で、彦名神が外来の協力者ということのようです。ただし、国土開発や経営の面でみれば、大国主はその名のとおり大地主保守派。少彦名は先進的技術をもたらすスケット[助人]で改革派。それまでの「ツキボウ[突棒]で穴をほり、種イモを埋める」、あるいは「焼き畑」農耕中心だった生活が、スキ[鋤](鉄利器)で地面をスキおこし、よりスクナイ労力でよりオホク[大・多の食糧を収穫できるように改善された。日本列島改造のご先祖様みたいな存在でした。
 音韻の面から、スク・スクナの意味・用法を整理してみましょう。上代語としてサク[咲・開・割・裂・放・離]・シク[敷・布・及]・スク[鋤・助・漉・送・次]・スグ[]・セク[]・ソク[退・除]などのs-k 2音節動詞が成立しており、そのまわりにたくさんの名詞・動詞・形容詞などがが組織されています。スクナは、もと「スク[]+ナ[]」の構造で、「スク[鋤]ためのナ(道具・利器)」を意味するコトバでした。
 オホa-p音タイプのコトバということになりますが、上代2音節動詞としてアフ[逢・会・合・和・敢・堪・饗]・イフ[]・オフ[覆・負・追・逐・生]・オブ[佩・帯]・ユフ[結]・ヨブ[]・ワブ[]・ヱフ[]・ヲフ[]などが成立しています。
(以下、結論だけいいます)
 上代語にオフ[白貝]の用例が見られることに注目します。『上代編』の解説に「貝の名。ハマグリ[]の大きなものか、というが、未詳」とあります。現代とちがって,ハマグリなどの貝は主食にちかい食料資源であり、また食品などの容器、工芸品、さらには通貨の役割をはたした例もあります。そのまま地名ともなっていたようです。
 ハマグリなどのカヒ[]がオフとよばれるようになったのはナゼか?それは、「カヒの身がカヒガラをオフ[]」姿だからです。オフ[]姿は、オブ[佩・帯]姿ともいえます。
  視点を変えれば、「カヒガラがカヒの身をオホフ」姿となります。「覆いつくす」姿は、カヒの身にくらべてカヒガラのほうが「より大きい」姿。そこで、具象的な名詞オフ[白貝]動詞オフ[覆・負・追]から抽象的な形状言オホ[凡・大]が生まれたと推定されます。
 以上、勉強不足のまま、粗雑な提案になりましたが、ご教示をお願いします。




2017年4月1日土曜日

タガ[箍]・タク[宅]・tagの タグイ[類]


…日漢英t-k音語の 系譜を タグル


富山市日中友好協会総会 3/10


春遠からじ 3/12 


河津桜 3/13 


桜餅づくり 3/14 




<画像メモ>

富山市日中友好協会総会
310日。ホテルグランテラス富山で、富山市日中友好協会の総会が開かれ、記念講演として、富山大学経済学部教授馬駿先生が「製造漁業の国際競争力に関する日中韓比較」について報告されました。ひきつづき開かれた懇親会では、田添等楊さんと同席、ひさしぶりで、いろいろ思い出話などさせていただきました。



春遠からじ
 312日。散歩のおり、いつものとおり「雪見橋下流の風景」をスマホにおさめました。そのあと、よく見ると、カモ一家が水面をさかのぼってくるところでした。あわてて、もう一度スマホのシャッターを切りました。

 日ざしの関係で、カモ一家の姿が分かりにくいのがザンネンですが、あのときわたしはあの詩の文句を思い出していました。「冬来たりなば、春遠からじ」



河津桜
  313日。デイサービスまちなかの集会室に、先日からかざられているサクラですが、この日、みなさん帰宅準備で移動し、無人になったテーブルにおきかえて、スマホにおさめました。
 この年になると、クルマの運転もできず、めったに旅行もできません。まちなかへ通うだけで、居ながらにして本格的な「ヒナ飾り」をながめたり、「静岡県川津のサクラ」をながめたりしていると、それだけで季節感をとりもどし、イノチのよみがえりを感じることができます。楽しみです。



◆桜餅づくり
 314日午後、どうにか美織さんの都合がついたとのことで、藤の木病院へ面会に行ってきました。この日はちょうど、ボランテアの方々が「桜餅づくり」を実演しておられる
ところでした。許可を得て、その場面をスマホにおさめました。信子は菓子屋の娘として育ったので、むかしのことを思い出したようで、「桜餅の皮の作り方は…」などとしゃべりはじめ、ゴキゲンでした。実演のあとは試食会。見学していたわたしたちにまで配給され、試食させていただきました。とてもおいしかったです。ゴチソウサマ。





<コトダマ ひろば>

タガ[]・タク[]tagの タグイ[](仮説)

…日漢英t-k音語の 共通基本義を さぐる…

  前回、多賀大社の タガと 桶・樽の タガ[]との 話を させて いただきました。そして、ひととおりt-k音日本語の 戸籍しらべを すませました。もちろん まだ 不備な 点やまちがった 点なども 多数ある ことと 思いますので、お気づきの 点は お教え いただければ 幸せです。

 わたしは、「t-k 2音節動詞を 中心に、t-k音の 各種品詞語が 整頓し、t-k音単語家族を 形成している」、「そこには、日本語の 音韻組織原理や 原則が はたらいている」と 考えています。前回の議論で、t-k音日本語の 組織原理や 原則が ほぼ 分かってきたと 思いますので、ついでにt-k音の漢語や 英語に ついても、単語家族の 組織原理や 原則をたしかめ、やがて 日本語と英語の 音韻対応関係を さぐる 手がかりを つかみたいと いうわけです。

 「そんなムチャなことを・・・」といわれるかもしれませんが、わたしはずっと以前から、これが「ごくアタリマエの方法・手続き」だと考えています。「日漢英t-k音語の対応関係」にかんする提案も、こんどがはじめてではありません。200912月発行の「教育・文芸とやま」第15(財法、富山県教職員厚生会、年刊)でも、小論「タク・ダク・タクル・タックル」を発表させていただきました。その内容は、年内に刊行予定の『コトダマの世界Ⅱ』に掲載することにしいますが、以下そのご紹介かたがた、これまでたどりついた「日漢英t-n音語の対応関係」(仮説)をまとめてみます。

 「コトバの意味は子音できまります。「t-k音語の意味は、t-音とk-音が表わす意味(物の姿)の連合である」という前提で、話をすすめます。



1.t-k音の日本語
香をタク[焼・焚]。櫛で髪をタク[]。櫂で舟をタク(漕ぐ)…現現代日本語ではあまり見かけない用例もありますが、いずれも上代語に用例があるものばかりです。タク=「タ[]+ク[]」の構造で、「手が出て来る」、つまり「ツキデル」姿が共通基本義だと考えてよいでしょう。

タクものがタカ・タケ。タクことがタキ…動詞タクの語尾母音をa, e, i,oと交替させることによって、タカ[鷹・高・竹]・タキ[]・タケ[竹・丈・長・岳]・タコ[]など、さまざまな名詞をつくることができます。語尾母音の変化はt-k音語にゆたかな「意味のひろがり」をもたらしますが、あくまでt-k音の基本義の範囲内。「(手足が長く、高く)ツキデル」姿というタガ(ワク)がはまったままです。

「タク[焼・焚]、タク[](タガネル)、タク(漕ぐ)などをまとめて1語と見るか、それぞれ別語と見るか、それも問題ですが、かりに別語と見る場合でも、はじめにまずタク[手来]のような動詞が成立し、やがてそのまわりに同音で類義の動詞タク[焼・焚・綰…]が成立したと考えることができます。また、名詞タカ・タキ・タケ・タコなどの場合は、動詞タクの語尾母音が交替しただけで、基本義は共通なので、「動詞タクから派生した名詞」と考えてよいでしょう。      



2.t-k音の漢語
 『学研・漢和大字典』の解説を参考に、t-k音漢語の基本義を考えてみます(発音表記は、日本漢字音・上古音・漢字・現代音の順)

◆タカク、ツキデル、ツキダス
タクtokzhuo 抜きんでる。台。ツクエ。*ツキデル(目立つ)姿。タク[]・テキ[擢・的]と同系。

タクdogzhao (舟をこぐ)かい。*タカク・ツキデル姿。

テキdokzhuo ぬきんでる。ヌキダス。*ツキヌケル姿。



◆ダクダク・ツギツギ、汗がデク[出来]…日本語では、血や汗がツギツギ流れ出る姿を「ダクダク」、「汗ダク」などと表現します。このダクは、上代語タクと同系、つまりタク[手来]・デク[出来](ツキデル)の姿を表わすコトバと考えられます。そこで、日本語タク・ダクなどに対応するようなt-k音漢語があるか、さがしてみることにしました。T-k音漢語(漢字)数は大量ですが、テマ・ヒマをかけ、汗ダクになってさがせば、該当しそうなt-k音語がツギツギ出てきます。

タクdakze サワ。つや。うるおい。*ツギツギつながる沼。

ヤクdiok 譯yi ある言語を他の言語に直して、意味をつなぐ。*コトバをツギツギつなぐ。

エキdiok yi+ 厩。宿場。*ツギツギ連なるさま。

エキdiak 液ye 一滴ずつ、ツギツギ垂れる汁。



ヤネ・ハネ・ワキの下にダク

タクdakzhai すまい。すまう。*ヤネの下で」定着(定住)するさま。ダク・ダカレル[]姿でもある。タク[]は、草が地下にじっとネヲ定着させたさま。

タクt’aktuo 預ける。のせる。物をのせる受け台。*ダカセル[]姿でもある。

タクt’aktuo まかせる。かこつける。*ダカレル・ダカセル[]姿でもある。



◆タク[手来]・タクル・タクル・ヒッタクル

タクdakze えらぶ。*タ[][]・タクルに通じる感覚の語音。ツギツギ容疑者を調べあげ、犯人をエラブ・タクルさま。

チョdog調diao, tiao ととのう。ととのえる。あしらう。しらべる。みつぎ(物納)。

tsagzu みつぎ(年貢)。かりる。かり賃。*ショ[且]は、一線上に物を重ねたさま。租は、収穫した作物の上にかかって徴収されるもの。組(糸をツギツギ重ねる)・祖(ツギ笠重ねる世代)などと同系。

チョウtiengzheng めす。もとめる。きざす。*ツキデル・ヒキアゲル姿。トウ[]・ショウ[昇・証]と同系。

シャクdhiokshao ひしゃく。*ツキダス・スクイトル姿。シャク[]・チョウ[]と同系。

シャクtiokzhuo (酒を)くむ。*ツキデル姿。タク[櫂・卓]・チョウ[]と同系。

チョウtogdiao つる。つり。*ツキデル姿シ。ャク[杓・酌・的]と同系。



タク・ダク・イタダク・タクワエル

チョウtengding いただく。頭上にのせる。いただき。*ツキデル・ツキアタル姿。テイ[丁・釘・亭]と同系。

セイdhiengcheng, sheng もる。さかる。さかり。*ツキデル姿。

チョdiag苧zhu カラム。麻の一種。*じっとツキタツ姿。チョ[](たたずむ)と同系。

チョdiagchu 設ける。用意しておく。設ける(利益を得る)。*ショ[諸・庶]・チョ[]と同系。

ゾウdzangcang, zang 隠す。隠れる。クラ。内臓。*掌中に納め、包み隠す姿。ソウ[]と同系。

ソウts’angcang くら。*食糧をタクワエル納屋。

タイtegdai いただく。ジッと頭の上にのせておく。*ジッとツキタツ姿。タイ[]・ダイ[]と同系。

チクt’iokchu タクワエ。タクワエル。

チクtiokchu かこって飼う動物。飼う。たくわえる。やしなう。*もと、栄養分をたくわえて作物をやしない育てる黒い土のこと。シュ[]・シュウ[]と同系。とくに、チク[]に近い

チョtiagzhu タクワエ。タクワエル。*ワクの中に財貨をツメコム・ツギ[]コム(集中する)姿。ト[都・賭]と同系。



◆シメツケル・セメツケル・スクメル

テイdegdi しまる。しめる。むすぶ。しめ。*手でまとめて」シメツケル・シメククル姿。

テキdekdi かたき。*まっすぐツキアタル相手。テキ[]と同系。

テキthiekshi ゆく。とつぐ。かなう。

テイtegdi 世界をまとめる最高神。みかど。*帝の甲骨文は、三本の垂れた線を一印でまとめてシメツケル・スクメル姿の象形モジ。オウ[]・コウ[]の字形を参考。

テイtegdi つまびらかにする。あきらか。まこと。*トキアカス姿。テイ[]と同系。

トクtokdu 見る。部下をとい締まって率いる。統べる。*目(視線)をからみツケル姿。シュク[叔・菽・淑]と同系。

セイtiengzheng ただしい。ただす。まともである。*字形は、足が目標の線めがけてまっすぐに進むさまを示す。セイ[]の原字。セイ[]・テイ[貞・挺]などと同系。

セイtiengzheng まつりごと。ただす。*もと、まっすぐに整えること。のち、社旗を整えるすべての仕事のこと。セイ[正・整]と同系。

セイtiengzheng いく。ゆく。うつ。もとめる。とる。*セイ[聖・整]と同系。

セイtiengzheng ととのえる。ととのう。きちんとそろっていること。

ソクtsiuzu あし、あゆみ。たりる。たす。*ツク・ツケル・ツケタス姿。

                                                                                                                                                                    

t-k音の英語

 『A.H.D.』フロク「インド・ヨーロッパ語の語根と派生語」の解説を参考に、t-k音英語

の基本義を考えてみます。

deik- ツク・ツキデル・ツケル

teach 教える。*知識や技能をツキダス・うエツケル。

dictionary 辞典。*コトバをツキダス・ミセツケル。

dictation 指令。*ある信号(コトバ・シグサなど)をツキダシ、そのとおり行動させること。

index 索引。*通の情報をある種の規準にしたがって整頓し、必要に応じて個別の情報をツキだサセル仕組み。

indicate 指摘する。*ツキトメル・ツキダスこと。

disk 円盤。*広く、遠く、ツキデルもの。



dek- デク[出来]・トク[解・説]

doctor 医者。*病気の原因・症状・治療法などをトキ[解・説]アカス人。

doctrine 学説。*モノゴトの筋道をトキ[]分け、トキ[説]明かすもの。

document 記録。*書きツケられて、デキ[出来]たもの。

dogma 独断論。*ひとりだけツキデル姿の議論。

paradox 逆説。*逆のトキ[]かた。

decorate 飾る。*デカデカと飾りツケル姿

dignity 威厳。*ダカク、ツキデル、タケダケシイ姿をまわりに見せツケルさま。


deuk- タグル・ツキダス・引きツケル

tug 引きツケル。

tow 引く。*ヒキツケル姿。

tie 縛りツケル。

dock 波止場。船をツケル場。

duct 導管。*ツキヌケル姿。

conduct 指揮する。*ツキソウ、いっしょにツキデル姿。

product ツクリ出す。

educate教育する。*才能をツキダス・ウケタス姿。



dhig- ツク・ツキサス・トリツケル

dike 堤。

ditch溝を掘る。

dig 掘る。

pretix 接頭辞。



tag- タク。手をツケル。タクル

tact 手ざわり。

taste 趣味。

tax 税金。

taxi タクシー。

contact ツキアイ。



teks- タグル・ツクル・デキル・テギワ

text 本文。

tissue 組織。

context 文脈。

pretextカコツケ。

technical 技術的な。



tong- ツキトオル・感じる

thank 感謝する。

think 考える。

thought 考え。



(s)teg- デク[出来]・デコ[]・ダク[]

thatch 草ぶき屋根。

deck ①甲板。②飾る。

tile タイル。

detect 見ツケル。

protect 守る。



<おわび>

 わたしの勉強不足で、今回も時間切れ。3月末までに公開の予定だったものが4月にずれこんでしまいました。しかも、「t-k音の英語」にかんする解説が未完成のまま、とりあえず公開することになりました。April fool状態になったことを、心からおわび申しあげます。