雪見橋から 7/22
イチジク 7/22
日文悠 研修会 7/22
ゴミ集積所 7/21
聖徳太子の 話
7月22日(金)。朝の 散歩の おり、定点観測と して 雪見橋から 下流の 景色を スマホに 収めました。また ご近所の 庭で、イチジクの木が、ことしも
しっかり 実を つけているのを 見つけました。
この日、午後から
豊栄稲荷神社で 「日文悠」(「日本海文化悠学会」の 略称) 7月研修会が
開かれ、針山 康雄 さんと イズミが それぞれの 研究テーマに ついて 報告しました。
針山 さんは「聖徳太子と わたくし」と 題して、「聖徳太子とは」、「太子の 業績」、「真実の
飛鳥時代」、「万葉集に 見る 聖徳太子」、「太子の 伝記・伝説」、「太子信仰」、「太子と 浄土真宗」、「太子と 工匠」、「勝興寺の 太子像」などの 項目ごとに、これまでの
研究成果を 報告され ました。
「聖徳太子は いなかった」説 などと いわれても、学習不足の わたしには、討論に 参加する 資格が なさ そうです。聖徳太子を
めぐって これほど さまざまな 問題が 提起されると いう ことに おだろきながら、神妙に 拝聴させて いただき ました。ありがとう ございます。
ニヒ[新]と ネヒ[婦負]の 話
つづいて、イズミから「ニヒ[新]と ネヒ[婦負]…富山県の n-p音地名を 読む」と 題して
報告させて いただきました。報告の 内容は、「教育・文芸とやま」第22号(富山県教職員厚生会。2015年12月)に 掲載された、同名の論文の とおりです。要約して、紹介させて いただきます。
0. はじめに
富山県の 地名の 中に、ニヒカハ[新川]郡・ネヒ[婦負]郡 など、n-p音を もつ 地名がある。ヤマトコトバ音韻組織の
原理・原則に 照らして、その 語音を 分析し、そこに こめられた
意味を 読みといて みたい。
1. n-p音の 日本語
上代語の 段階で、ナフ[萎・綯]・ナブ[隠・並]・ヌフ[縫]・ノブ[伸・延]などの 2音節動詞が 成立し、その まわりに ナハ[縄]・ナヘ[苗]・ナベ[鍋]・ニハ[庭・丹羽]・ニヒ[新]・ニヘ[贄]・ネブ[合歓木] などの 名詞・形状言 などが 成立している。
1.1.ナフ ものが ナハ
上代語に「ナフ[綯]」の 用例は 見あたら ないが、「ナハ[縄]を ナフ[綯]」場合、素材の ワラが ヨリを かけられ、ナフ[萎]・ナブ[隠・靡・並]の 姿と なり、やがて 1スヂのナハ[縄]と なる。ここでは、動詞 ナフの 未然形が そのまま「~した もの」を 意味する 名詞形として 定着した。動詞 ノブ[延]の 名詞形 ノベ[延] なども 同類。
1.2.ナハ[縄]と ナヘ[苗]は 同族語
ナヘ[苗]は、草木の 種が いちど 地中に 並べて 隠され、やがて あらたな イノチと して 根や 芽を 張りだす 姿。それは、ワラが
ナハに 変身する のと おなじ 姿。ナハシロ[苗代]は、若い 草木を
並べ、隠しておく シロ[城・代。ナベ[鍋]も、食品を ナブ[並・隠]する シロ[城・代]。
1.3.ニフの
川が ニハカニ つくる ニハ
日本列島には 火山が
おおく、いたるところに ニフ[丹生](火山灰の 地層)がある。水源地帯の
雪が とけだすと、川水がニフ[丹生]・ニブ[鈍]色と なる。その ニフの 川が 平野部に ノビ出る とき、ニハカニ 羽を 広げて 洪水を おこし、やがて
水が 引いた あと、ニハカづくりの ニハ[庭・丹羽]を のこす。
この ニハは、ニヒタ[新田]・ニヒバリ[新治]と して、イネ農耕に 利用され、収穫された
穀物は ニヒナヘ[新嘗]と して 神に ささげられた。
ニヘ[贄]は、ニヒタ[新田]で
とれた 新穀の 意。ニフブニは、「すこし 赤土を つけた(ベニを さした)」顔つき。ニホフは、もと「ニ[丹]+ホ[穂]+フ[生]」の 構造で、「美しく 色づく」姿の意 だったが、やがて「カヲル[香・薫]」の 意にも 用いられる。ついでに いえば、富山市内の 旧町名 ニエモンマチ[仁右衛門町](江戸期~昭和40年)は、「ニヘモノが
住んで いる 町」の 呼び名 だったと 解説されて いる。ニヘモノ[贄者] =
ニヘビト[贄人]。「国ツ神、名は ニヘモツ[贄持]の 子」(記.神武)以来の 伝統を もつ 職業(船頭。漁師)。
1.4.ヌフ・シラヌヒ・ニヒバリ
ヌフ[縫]は、「針や 糸で 布などを つなぎあわせる」こと。草木の 種が ネ[根]や メ[芽]を ノバス[延] 姿 とも、「大地と 天空を ヌヒあわせる」姿 とも 見る ことが
できる。
ここで、枕詞 シラヌヒ[白縫]に 注目する。国語辞典は、「ツクシ[筑紫]に かかる 枕詞だが、語義 および かかり方 不詳」と するが、シラヌヒ=[白縫]=[不知梭]と 解釈するほうが 分かりやすい。シラは 動詞 シル[知・識]の 未然形 であり、また
形状言 シロ[白]の 交替形。敵を シル[知]には、体を スリ・コスリ[擦]あわせれば よい。大根の味を シル には、スリ[磨・擦」おろして、その シル[汁]を 飲めば よい。
シル・シラ・シロ などの s-r音は、動詞 シラク[白](白くなる)・シラグ[精](白くする。精製する)・シラス[知る]・シルス[記]や 名詞 シラカ[白髪]・シラギ[新羅]・シロカネ[銀] などと 同源と 考えられる。シラギ[新羅]は、木材や 石材では なく、金属を シラグ[精錬] 技術を もつ 国。英語の silk, silver などとの 関連も 考えれる 語音。
シラヌヒ=「金属精錬に よる 針で ヌフ こと」=「金属製の スキ[鋤]・クハ[鍬]で 大地を たがやす こと」と 解釈すれば、枕詞 シラヌヒと 地名 ツクシ(筑紫・土筆・ツクシ[突石・突串])との 対応関係も 見えて くる。
1.5.ネヒ郡と
ツギネフヤ
n-p音の 動詞 ネフの 用例は 確認されて いないが、上代語に 動詞 ネバフ[根延]・ネブル[睡]、名詞 ネブ[合歓木]・ネハリ[根張] などの 用例が ある。また、枕詞 ツギネフの
用例が 多数 あり、これを ツギネフ[次嶺経]と 表記し、動詞と 見る 説も ある。
この ネフを 「ネ[根]+フ[生]」の 構造と とらえ、「根が 生えて いる 姿」と 解釈する ことも
できる。「根が ハエル・フエル・ノビデル」意の 動詞 とも、「根が 生えて いる ところ」の 意の 名詞 とも 解釈できる。名詞・動詞 とも 同一音形の 例は、タツ[竜・立]・ハル[春・張・墾]・ユフ[夕・結]・ワク[枠・分・別] など
多数 ある。
1.6.メヒ
から ネヒ へ
ここで、ネヒ[婦負]と メヒ[姪・婦負]との 関係を 整理して おきたい。
メヒ[姪・婦負]に ついては、上代語の 用例が ある。メヒ[姪]は、兄弟姉妹 から 生まれた 女の子。ヲヒ[甥]の 対。親子・兄弟と 同様の 近親関係を 示す コトバ。メヒノコホリ[婦負郡]は、メヒガハの 流域。この
川の 本流・支流・分流・合流の 姿を 人間社会の 親族関係に 見たて、メヒガハと 呼んだ こと から、やがて 地名 メヒノコホリ[婦負郡]が
生まれたと 推定される。
『萬葉集』で メヒと
呼ばれた 地名が、『和名抄』で ネヒに 変化して いる ことに ついては、その 途中で 日本語が 音韻変化を とげた 結果と 考える ほか ない。m-音 からn-音へ 変化した 例には、ミラ[韮]→ニラ、ミナ[蜷]→ニナ などが ある。
2. n-p音の 漢語・英語
前述の とおり、ヤマトコトバは もともと チャンポン語で
ある。その 語源を さぐるには、ヤマトコトバの 原理・原則に したがう ことが 必要だが、ヤマトコトバの 素材を提供した 周辺諸民族の 言語の 実態を 知る ことも 必要。ここでは、漢語・英語の n-p音に ついて 考える。
2.1.n-p音の
漢語
現代漢語に n-pタイプの 音節は ない。しかし、上古漢語では ニフniep入ru// ナイnueb内nei// ナフnep納na などの n-p音語が 成立して いた。その 意味・用法は、ヤマトコトバの ナフ[綯]・ナブ[隠・靡・並]・ヌフ[縫]・ノブ[延] などと かなりの 対応関係を 示す。
たとえば、ニフ[入]の 甲骨文は、「2筋の ワラをナフして、1筋の ナハとする」姿とも見え、ぎゃくに「1本の 木や 草 から,2筋の ネ[根]が ハエル・ノビデル・シノビコム」姿とも
見える。また、漢語 語彙体系の 中で「n-p音は ごく 少数派」と いう 点も、きわめて 暗示的だ。
2.2.n-p音の
英語
『アメリカの 遺産 英語辞典』(略称AHD)フロク「インド・ヨーロッパ語根と そ
の 派生語」を 見ると、n-p音 英語が かなり 多数 成立している
ことが 分かる。その いくつかの 例を 紹介する(語根・基本義・派生語の 順にしるす。日本語訳・*印
以下の解説 などは 引用者の 責任)。
nau- (boat)(小舟), naval舟の,
navigate航行する, navy艦隊. *ナベ[鍋]の 姿。
nobh- (navelへそ) naveへそ,
navelへそ. *フネも
ヘソも ナベ[鍋]の 姿。
nebh-(cloud雲) nebula星雲,
nimbus雰囲気. *ネ[根]が ハフ[延] 姿。⇔ネバフ[根延]・ネバル[根張・粘]・ネブル[睡]。
nehw-is (near近くに) near, neighbor近所の 人, next次の. *根を ハリダス・ノバス姿。⇔ツギネフ。
nepot- (grandson孫, nephew甥)
nephew, nepotism縁者びいき, niece姪. *根や 芽がノビデル 姿。⇔ネバフ・ツギネフ・ネヒ[婦負]・メヒ[姪・婦負]。
newo- (new新しい) new, neo-新,
nova新星, novel小説。新奇な, innovate革新する. *ノビル 根の 先端部。ネ[根]ホ[穂・秀]の 姿。⇔ニヒ[新]・ネヒ[婦負]・ツギネフ。
ただいま 主夫 修業中
ここまで、「聖徳太子(ウマヤドノミコ)」とか、「n-p音の 地名 ニヒカハ・ネヒ」
などの 話を して きました。当の 本人に とっては「生きている ことの アカシ」と いえるほどの 重要問題 なの ですが、まわりの人が 見れば、「ミアラクモン[身楽者]」、「浮世ばなれ した、けっこうな
ご身分」と いう ことに なるかも しれません。その ミアラクモンの 生活が、いま ピンチに 立たされて います。
わたしと 信子は
1945年(大日本帝国 敗戦の
年)に 結婚しました ので、かるく 半世紀を こえる 歴史経過を もって います。敗戦と ともに、わたしの 人生観・世界観は180度 ほど 転換しましたが、二人の 人間関係は ほぼ 一貫して
いると 思います。自営業・教員(途中退職)・専門学校講師 など、つぎつぎ
職業を 変えて きましたが、いつも わたしが 決断し、信子は だまって ついて来て くれました。どちらかと いえば 病身者で 神経質な わたしとは 対照的に、いつも元気で、
楽天的。銀行に 勤めていた ことが あり、ソロバンも できました。
炊事・洗濯・掃除・家計簿 など、家事を
すべて こなして くれるので、わたしは これまで 炊飯器や 洗濯機の 使い方も 知らずに 過ごして きました。それが、今年に入ってから、信子の 認知症が 目立ち はじめ、家事を こなす 体力も 気力も 落ちている ことに
気づかされ ました。
そこで、わたしも、これまでの 方針を 転換して、すこしずつ
家事を 分担する ことにしました。96歳で 家事修業 コトハジメと いう
のも、いささか シンドイ 話ですが、まずは 朝の「ゴミ出し」から はじめ
ました。家の中の ゴミを、「生ゴミ」「もえる ゴミ」「もえない ゴミ」などに 分け、市の ゴミ収集 スケジュールに あわせて 集積所に もちこみます。わが家の
冷蔵庫は、期限切れの 食材や 食べのこしの 食品で 満杯に なり そう なので、「生ゴミ」の
処理だけ でも、たいへんな シゴトだと 思い知らされ ました。
いまの ところ、信子は 洗濯機の あつかいは できて いますが、2階 ベランダの 物干し場を 使う 作業は ムリの ようです。そこで
わたしの 書斎(パソコンの ある 部屋)にサオを わたして、物干し場の 代用と しました。ここなら、エアコンが ある ので、雨の日でも 確実に 物干しが できます。ノブコ=洗濯機を あつかう 人、わたし=洗濯物を
干す 人、と いう 家事分担です。
「急いては、事を仕損じる」とか なんとか
リクツを ならべて、ポツリポツリ「主夫修業」を つづける 予定です。なにとぞ、おてやわらかに!
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