飲みもの集合
拳だま・おりづるなど
6月1日のご膳
飲みもの集合
前回、「黑あめ・カリント」など、食べものをご紹介し
ました。ひきつづき、今回は「野菜ジュース・お茶」などの
飲みものをご紹介します。冷蔵庫の中から取りだして、テー
ブルにならべました。[実のある果汁]、[野菜一日これ一
本]、「クラフト・ボス・コーヒー」、[巨峰]、「山形県西
洋梨ストレート」など、ご覧のとおりです。(あとで気がつ
いたのですが、)このほかに「加賀・棒ほうじ茶」、「十
六茶」、「おーいお茶」などがあったのに、あわてて作業
してしていたので、ならべるのを忘れてしまいました。ごめ
んなさい。
いずれも、サシイレいただいたものばかりです。ホーム
「めぐみ」では「めぐみ」では、毎日3度の食事にお茶がつ
きものですが、食事と食事の中間でも、スタッフが部屋まで
来て、お茶をついでまわります。とりわけ、コロナ・ウィル
スさわぎがおこってからは、「水分不足で、熱中症」となら
ないようにと、気をくばっているようです。
わたし自身はどうか。ふりかえってみると、「お茶をたて
て、飲み、その味をゆっくり楽しむ」という上品な趣味は、
身についていないようです。いつか、どこかで、ゆっくり時
間をかけて、たててくださった緑茶を飲ませていただき、
「これ、ほんとにウマイ」と感じたことはあります。しか
し、さて、自分の部屋で、①お茶の葉とお茶うけの菓子を用
意する。① 湯をわかし、すこしだけさます。③菓子を一口
かみしめる。④急須にお茶の葉をすえ、さした湯をそそぎこ
む。⑤その湯を茶碗にそそぐ。⑥その湯を口に入れ、菓子の
アマミから茶の湯のウマミにいたるまでの経過を思いだし、
楽しむ。これだけのテマ・ヒマをかけた記憶は、ほとんどあ
りません。
日本のお茶についてこんな状態ですから、西洋から伝来し
たコーヒーについては、縁がうすいようです。牛乳もそうで
すが、わたしの胃腸は、もともとコーヒーを消化吸収する能
力が不足しているように感じています。それで、コーヒーを
口にすることは、できるだけエンリョさせていただくことに
しています。紅茶については、日本茶につぐお茶として、違
和感なく飲んでいます。
その点、ジュース類については、シルモノ[汁物]という
ことで、あれもこれも、なんの差別もなく、受けいれていま
す。その呼び名が「ジュース・シル」など、s-,z-音ではじ
まっていることから、みんな同類だと感じているのかもしれ
ません。日本語でいえば「リンゴのシリ[尻・後]をスル[擦]と、スリ切れて、シル[汁]になるのが、その「道理」
です。漢語でいえば、ジフtiep汁zhi(汁)//シムt’iem瀋shen(汁。垂れ下がる液体)などと呼ばれるのが「道理」。英語でいえば、juice(ジュース)をはじめ、soup(スープ), sup(すする),
sop(ビショぬれのパン切れ),
sip(チビチビ飲む)などと呼ばれるのが「道理」。いず
れも、s-もしくはz-音がリードする語形となっています。
日漢英3言語にわたる、これほど大規模な音韻対応関係は、
単なる偶然の一致とは考えられません。民族のワクをこえて、共通する音韻感覚があり、そのハタラキによって生まれた現象と考えてよいでしょう。
こんどは、拳だま・おりづるなどの作品をならべてみまし
た。いずれも、毎日午後、3~9f(日替わり)で実施された「
機能訓練」のフロク(=手芸教室)での作品です。拳だま・
花・舟・おりづる・カブト・青ガヱルなど。わかい人たち
には、簡単な作業かもしれませんが、手先の器用さがうしな
われた老人にとっては、けっこうつかれる作業です。
お手本の作品をしばらく観察し、手順を考えながら、自分
のユビでオリガミを折ってゆきます。ゆきづまったら、スタ
ッフの助言にしたがいます。テマ・ヒマかかった分だけ、思
い出がのこり、簡単にポイすてする気になれません。「しば
らく、のこしておこう」。信子の写真のわきにならべておく
ことにしました。
拳だまは、すこしちがった感覚です。筒の部分は、プラの
カップをそのまま2段重ねにして利用しました。タマの部分
は、新聞紙をモミクチャにしてタマの形をつくり、その中
にヒモを埋めこみ、そのヒモの端をカップの腰にむすびつけ
る。これで、デキアガリです!アッケラカンとして、21世
紀ふう、現代的な感覚といえますが、シットリした風格とは
無縁です。
その点、おりづるなどの場合は、一段一段、折り目の深さ
や折る角度などについて、こまかな気くばりがもとめられ
ます。そのかわり、完成した作品から、古典的な、シックリ・シットリした感じをもらうことができます。大判の花も、テマ・ヒマはかかりますが、不器用な指さきでも、失敗することはないようです。ながめているだけで、おおらかさ・ゆたかさが伝わってくる感じです。
ちょっと予想外の傑作ともいえる作品がありました。小
の青ガヱルです。青のイロガミを折ってカエルの形をつく
り、メやハナを描きこみ、腰の部分を二段重ねにして、カエ
ルの姿を強調した姿です。その腰のあたりを、手の親指でつ
よくおさえたあと、パッとはなすと、「あんなところまで」
とビックリするほどトビあがり、みごとに着地します。痛快
な感じをあじわうことができます。
6月1日のご膳
6月1日(月)は、富山市山王神社のおまつりです。お昼の
ご膳に、赤飯とテンプラが出ました。テンプラは、エビ・白
身魚・ナス・サツマイモの盛りあわせ。すまし汁や菜の花
の辛しあえのほかに、食後のデザート用にあじさいゼリー
までセットされていました。まさに典型的なおまつりセット
のご膳です。
おいしくゴチソウをいただきながら、ちょっとだけサビシ
イ感じがしました。それは、例年なら、食後のデザートとし
て、(あじさいゼリーではなく)「酒まんじゅう」を口にす
ることができたはずということです。コロナ・ウィルスさわ
ぎで、発売元の竹林堂が自粛要請を受け、6月1日を「休業
日」と宣言してしまったからです。
1日おくれの「酒まんじゅう」
6月2日(火)。きのうは、は「酒まんじゅう」のことで、ついついグチをこぼしてしまいましたが、それがきょう昼のご膳にフロクとして提供されました。「1日おくれのツイタチまんじゅう」というわけです。食事をすませたあと、さっそくカブリつきました。ムシあがったばかりの、ホッカホカという感じでした。いろいろあったアトなので、いつもより念をいれてかみしめ、この「独特のアマミ」をゆっくりアジワウことにしました。
食べおわったあとの包み紙を部屋に持ちかえり、要項をよ
んでみました。「名称:生菓子(酒まんじゅう)。品名:甘酒
まんじゅう」となっています。ちょっと分かりにくいです
が、「名称」=お役所むけのナマエ。品名=お客さまむけ
のナマエ、ということでしょう。時代の流れにしたがって、
商品の呼び名が微妙に変化してきた経過が推察されます。
s-音英語の基本義…日本語の系譜(第15回)
「s-音日本語・漢語の基本義」にひきつづき、今回は「s-音英語の基本義」について議論
してみます。まずは、A.H.D.(『アメリカの遺産・英語辞典』・フロク「インド・ヨーロッパ語根とその派生語(一覧表)」の中から、s-音関連項目を採集し、ご紹介します、各項日本語訳文、および*印以下の注は、引用者の責任。
sa- (satisfy満足させる)sad悲しい sage賢人, asset長所,
satisfy.*ヤマトコトバの音韻感覚との接点は見つけにくい。しいていえば、satisfyは「サチ[幸]ス[為]ハヒ[這]と解釈できるかもしれない。サキ[幸](=サチ)・サキハヒ[幸]などに通じる可能性もある。サ[矢・箭]を使ってサス[刺]・サク[裂・割]・イタメル[傷]姿。また、忌み清めた食品を神にササゲル姿。
se- (to sew縫う) sew, seed送る, season季節, semen精液,
seminaryゼミナール.*男性がもつサ[矢](精子・イノチ)を女性器にヌイコム・シミコマセル姿。あるいは、穀物のタネを大地にヌイコメ、やがてメ[芽]・ネ[根]が生まれ、ハナ[花]がサキ[裂・咲]、そしてミ[実]がミノル[実乗・稔]など、四季のツナガリを示すコトバ。
seue¹- (to give birth) son息子.*「so+n」の構造を持つ音形。男と女がスリ[擦]アウ・シリ[尻・知]アウ結果として、「ソコ[其処・底]にネ[根]が生え、やがてミ[実]がノル[乗]」までの経過を示す語音。セ[兄・背](男性)のイノチをウエ[植]コム姿。
seue²- (to take liquid液状の)ものを飲む soupスープ, sup²すする, sop食べ物を浸す, sipちびちび飲む, suck吸いこむ, soak滲みこむ,
suction吸いこみ, succulent水分の多い. *クチビルでサワル・スイコム・(水分を)シミコマセル・ヒタス姿。⇔スウ(スフ) [吸]・スブ[総]・シブ[渋]・シボル[絞] //ジフsiep渋se//ジフdhiep十・拾shi// シュtsiog手show//ジュdhiog受shou.
so- (thisこの, thatあの) theその, she彼女は. *他者と(はじめて)スレ[擦]あった時の感触をサス・シメス語音。⇔ソ[其・彼]。//シsieg思・斯si//シthier矢shi//ソsag素su。
su- (well申し分なく, good良い) swastikaまんじ[卍].*マン[万]字。功徳円満の意。十字形のサキ(先端)が直角に曲がるサマ。モノゴトが自由自在にススム[進]姿をシメス語音。Su音の日本語でいえば、「スースー・スクスク・スッカリ・スッキリ、スグニ・スク[鋤・空・好]、ソダツ、スス[煤]がたまり、家屋㋨防腐作用がススム[進]」姿。あるいは、「ス[素]+ワ[輪]+スヂ[筋]+カ[処]」のような語音構造か。漢語では、マンmiuan卍wanと読む。
su- (pig豚)
swine豚, hog豚, socket受け口, sow植えつける.*ブタの口にエサをスエル・ソエル姿。地面に植物のタネをスエ、土をソエル・マキツケル姿。スレあうことで、ツナガル(ヒロガル、フエル)意を示す。⇔ソンtsuen尊zun(酒を盛る容器)。
s(u)e- (the pronoun of
the third person三人称代名詞) self自身,
gossipうわさ話,
seclude引きはなす, secret秘密, secure安全な,selectえらぶ,separate分けておく, sureたしかな, soberしらふの, solo独唱,
custom習慣,idiom慣用句, ethic倫理.*self, gossipなどは、個体AとBがスレあう関係。seclude,
secret, select, separateなどは、相互に仕切られた(セキトメられた)セキ[席]にありながら、A・B・Cが✕とのスレ[擦]あいをセリ[競]あう姿。⇔サク[放・離]・サフ[禁・障](セキとめる)・セク〔塞・堰〕。
swo- (pronominal代名詞の stem語幹) so¹そのように, suchそのような.*日本語ソレ・ソノのソ[其]とおなじ感覚の語音。また、漢語ショsiag所swoに通じると考えられる語音。もともと、「サ[矢]をスエ[据]、サシ[刺]シメス[示]姿か。
syu- (to bindしばる, sew縫いつける) sew, seam縫い目, suture縫合術. *イト[絲]やヒモでヌウ・シバル・ツナグ・マトメル姿。根源的には、日本語ス[洲・砂・巣・酢・素・為]・スス・ススム・ススル・スル[擦・為]などのス音や、シカ[鹿・然]・シク[敷・布・如]・シゲル[重・繁・茂]・シゴト[仕事]などのシsi音に通じる可能性がある語音。また、漢語シsieg絲si(絹のより糸)などにも、通じそうな語音。
まとめ
今回は、はじめからs-音以外の子音をふくまないs-音
にしぼって採集し、s-音の基本義をさぐる方針で、議論を
すめすすめててきました。その結果として、むだなテマ・ヒ
マをはぶき、効率のよい作業ができたと思います。
漢語では、s-音語が比較的少数派であることとくらべ、
日本語や英語では、ともに多数のs-音語が並立しており、
相互に対応関係を示す音形や基本義が見られることから、
「人類の言語」の中での日漢英3言語の位置関係も見えてき
ます。s-音語にかんするかぎり、日本語は漢語よりも英語
に近い関係にあると考えられます。
蛇足になりますが、各項でとりあげた「s-音・日漢英3言
語の対応関係」について、まとめて例示し、確認しておきた
いと思います。
sa- (to satisfy)…satisfy ⇔サチ[幸]。
se- (to sew)…sew, season, send, semen. ⇔シム[浸・滲・染]・セム[責・攻・迫]・ソム[染・初]。
sewe¹ (to give birth)… son. ⇔サネ[實・核]。//ソンsuen孫sun.//ソクsiek息xi(息子).
sewe² (to take liquid)…soup, sup, sop, sip, suck, soak. ⇔サワル[触]・シフ[強]・
シブ[渋]・シブル・シボル[絞]・シミル[滲・染]・シャブル・スフ[吸]・スブ[総]・ススル[啜]・ヒタス[浸・漬]。//ジフsiep渋se//ジフdhiep十・拾shi// シュtsiog手show//ジュdhiog受shou.
so- (this, that)…the, she. ⇔ソ[其・彼]。//シsieg思・斯si//シthier矢shi//ソsag素su.
su- (well, good)…swastika. ⇔ス[素]ワ[輪]スヂ[筋]カ[処](?)。
su- (pig)…swine, socket, sow. ⇔(エサを)スエル[据]・ソエル〔添〕。//ソン
tsuen尊zun(容器).
s(u)e- (三人称代名詞)…self, gossip, seclude, secret, secure, select, separate, sure,
sober, solo, custom. ⇔・サク[裂・割・咲]
・セキ[堰・関]・セク[堰・急・咳]・セル[競]・シキタリ(仕来たり・為来たり)・タシカナ[確]・ナラハシ(習慣)。
swo- (代名詞語幹)…so¹, such. ⇔(ソレ・ソノの)ソ[其]。//ショsiag所swo.
syu- (to bind)…sew, seam, suture。⇔シカ[鹿・然]・シク[敷・布・如]・シゲル[重・繁・茂]・シゴト[仕事]・シバル[縛]・ス[洲・砂・巣・酢・素・為]・スス[煤]・ススム[進]・ススル[啜]・スル[擦・為]//シsieg絲si(絹のより糸。縫い糸).
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