2017年2月17日金曜日

雪・水仙から、ムロ・帳臺まで


シロガネ公園の 雪 1/23


「鬼は 外」(まちなか)  2/2  


ヒナかざり(まちなか) 2/2  


『古事記』を 読む 会  2/5 


『古事記』を 読む 会  2/5  




画像に ついて

シロガネ公園の 雪 1/23…数年まえに 前立腺の 治療を 受けて 以来、いまも 2カ月ごとに 通院(寺田ヒフ科医院)して います。薬を いただいての 帰り道は、なんとなく ほっとした 気分に なり、途中の 白銀公園で 一服するのが 習慣に なって います。ただし、この日は ドカ雪が ふった あとだった ので、公園内は 白一色。立ち入った 人の 足跡も 見あたりません。しばらく、道路わきから 雪景色を ながめた だけで、また 家路を たどりました。

「鬼は外」(まちなか)  2/2…デイサービス まちなかでは、季節感の ある ゲームを つぎつぎ とりあげて います。この日は 節分に あわせて、豆まき ゲーム。青鬼の 画像に むかって、通所者が「鬼は 外」と さけびながら、豆 (豆のはいったオテダマ)を 投げつけると いう 趣向です。スタッフの 一人が 赤鬼の 面を かぶる など、念入りの 演出でした。

ヒナかざり(まちなか) 2/2…すこし 早すぎると いわれるかも しれませんが、まちなかのロビーには、33日に むけて、みごとな ヒナかざり(七段)が 陳列されて います

『古事記』を 読む 会  2/5 …本文参照。

水仙(雪見橋下流)  2/16…ひさしぶりに 雪見橋あたりを 散歩しました。遊歩道や 土手にも 雪は 残って いませんが、サクラ並木の 枝を 見ても、墨 一色。春の  いぶきは 感じられません。それでも やがて、雪見橋 下流 右岸の 土手 いちめんに、水仙が 白い花を 咲かせて いるのが 見つかりました。青色の 葉は、雪の 重みで 押し倒された 姿からまだ 回復しきれて いない ようですが、「がんばって いるんだな」と 思いました。



『古事記』に 見る 建築用語

25()午前、茶屋町の 豊栄稲荷神社で、『古事記』を 読む 会の 研修会が あり、針山 康雄 さんが「古事記に 見る 建築用語を 考える」と 題して 報告されました。わたしは 針山さんから あらかじめ レジュメを いただいて おりましたので、わたしなりの 解釈を まとめた うえで、当日の 研修会に 参加させて いただきました (この ブログ1223日号を 参照)。

 ひとくちに「古事記に 見る 建築用語」と いっても、具体的に とりあげて みると、かなり 広範囲に わたり、たくさんの コトバが 出てきます。報告の あと、出席者たち、それぞれの 視点から、さまざまな 質問や 意見が 出されました。

 t-r音の 建築関連用語と して、タルキ[垂木]・テラ[]・トリヰ[鳥居]などが あげられますが、t-r音が 表わす 基本義と しては「ツルツル、ツキデル」、「テ[]の姿に なる」、「(クボミに 手や 棒を) タル・タラス[垂]姿=(タル[]・タラス[足・帯]姿)」などが 考えられます。いずれも、その音形と 意味 (事物の 姿)との あいだに 一定の 対応関係が 見られます。たとえば;

タルキ[垂木]=タレ[]さがる キ[]

テラ[]=動詞テル[]の 名詞形。テラテラ・テリ[]輝く もの。地上 たかく デル・テル 構造物。トリヰ[鳥居]=トリが ヰル ところ = 樹木 = tree。鳥は、神の使者。鳥もtreeも、ツルッと した姿。



 このように 見てくると、ヤマトコトバに かぎらず、漢語や 英語の t-r音との 対応関係に ついて 調べてみるのも 参考に なると 思われます。

 t-r音 漢語…『学研・漢和大字典』の 中から、t-r音漢語の 一部を 紹介します。語音に ついては、日本漢字音・上古漢語音・漢字・現代漢語音の順に 表記します。ご覧のとおり、現代漢語では t-r音が 見られませんが、上古漢語では t-r音の音節が 成立し、その後 語尾子音-rが 脱落した ことが 分かっています。

スイdhiuarchui 垂る。垂れる。垂らす。*もと、穀物の穂などが タレル[]姿。

スイdhiuarchui おもり。おもし。*タレ下がる もの。

スイdhiuarchui 地の果て。*都から タレ下がった ところ。

スイdhiuarshui ねむる。ねむり。*マブタが タレ下がる 姿。

スイ・ツイdiuarzhui 落ちる。落とす。*上から 下へ タレ下がる 姿。

タ・ダt’uartuo つばき。*口から タラス もの。⇔ヨダレ[]

タイ・テイterdi そこ。*タレ下がり、とどまる ところ。

タイ・テイterdi ひくい。ひくまる。*タレ下がる 姿。

タイ・テイterdi 諸侯が 都に 来た時に とまる 宿舎。貴族の やしき。低い 平屋。*テイ[底・低]などと 同系。タル[]・デル[]・ツキデル 姿。

ダイ・テイderdi おとうと。*「ひもの 垂れた さま+棒ぐい」の 指示文字で、棒の低い所を ノ印で さし示し、低い位置を あらわす。兄弟のうち、背たけの 低いのを 弟と いう。テイ[低・悌]と 同系。

ダイ・テイderdi ついで。段階。やしき。*もと、竹の節が 順序よく 一段一段と 並ぶ 姿。ダラダラ・デレデレ、タル[]・デル[]・ツキデル 姿。



 t-r音 英語…『A.H.D.』フロク「インド・ヨーロッパ語根と その派生語」の中から、その一部を 紹介します。語根・基本義・派生語の 順。

del-(to count数える) tell語る, tale語る, talk語る。*コトバが タル[]・デル[]・ハナレル[] 姿。

deru-(to be firmしっかり している, solid, steadfast) tree樹木, true真の, truth真実, trust信用, tray盛り皿, trim形を 整える。*デル・テル・トル姿。手に取る、トリモツ・トリシラベル・トリノゾク 姿。

dher-(to hold firmlyしっかり持つ,  support支える) farm農場, firm1堅固な, confirm確かめる, throne玉座. *基本義は、前項deru-に 近い。⇔タル[垂・足]・テル[]・デル[]。⇔スイdhiuar垂。タイ・テイter邸。ダイ・テイder第。チョウダイ[帳臺]との 音韻対応関係は 認められない。 チョウtiang帳も ダイdeg臺も、 ともに t-g音タイプ。

dhreg-(to drawひきずる, slideすべる) drinkのむ, drenchずぶぬれに なる。*ツルツル・ヅルヅル、ヒキヅル[釣・吊] 姿。

dhreu-(to fall落ちる, flow流れ出る, dripしたたる, dropしたたり) drizzle, drop, droop垂れ下がる, drip滴らせる。*ダラダラ・デレデレ、タル[]・シタタル[] 姿。

tele-(to lift持ち上げる, supportささえる, weigh重さを量る) toll1苦労する, talent才能。テダレ[手足], Atlas天空を ささえる 巨人、translate翻訳する。

tere1- (to rubこする, turnまわす) turn, returnもどる, drillドリル, throw投げる, trauma外傷。*キリキリマイする姿。その結果、ツル・ツラヌク 姿。そして、キズつく 姿。

tere-2 (to cross overよこぎる, pass through通り過ぎる) thrillスリル, nostril鼻孔, through~を貫いて, trunkトランク。*ツル[釣・吊・蔓・弦]・ツラ[]・ツラヌク[貫・面抜] 姿。

ters- (to dryかわかす) thirstyのどが かわいた, terraceテラス, terrierテリア犬, territory領土, into~の中へ, Mediterranean,地中海の toast1トースト。*太陽が デル・テル、日光を タラス[垂・足]・テラス[] 姿。湿地の 水分を トリのぞき、耕地・領土と する 姿。

trei- (three) three, thrice三度, thirteen, thirty30, trio三人組, third三番, triple三重の, contest試合, protest抗議, testify証明する。*三角形の ツリバリでツル[釣・吊・連]・ツラヌク 姿。



ムロ[]から チョウダイ[帳臺]まで   

 この日の 研修会で、もう一つ よい勉強をさせて いただきました。ムロ[]・ムロヤ[室屋]に 関連して、豊栄神社宮司でも ある 五十嵐 顕房さんが 神社建築の 用語に ついて解説された 中で、チョウダイ[帳臺]という コトバを 教えて いただいた ことです。神社建築の いちばん 奥まった 場所に 設定され、もっとも 神聖な ヘヤ[部屋](=ムロ[])の一部が チョウダイ[帳臺]と 呼ばれた とのこと でした。

 家に 帰ってから、すこし 調べて みました。

チョウダイ[帳臺]…昔、室内に一段高く臺を設けて、其の四隅に几帳を垂れた處。貴人の寝所に用ひた(『大漢和辞典』、大修館)。

チョウダイ帳台…平安時代に貴人の座所や寝所として屋内に置かれた調度のこと 。御帳

台(みちょうだい)、また御帳(みちょう)ともいう。 (Wikipedia

チョウダイガマエ[帳台構]…書院造における設備のひとつ。「構え」とは建築物 における設備や機能の意。  書院造の上段の間は、正面に床と床脇棚が並び、広縁の側に付書院、、そしてその反対側に帳台構えを設ける。帳台構えは敷居を畳より一段上げ、鴨居を長押より一段低く設けた区画に4枚の襖絵を入れる。中央の二枚は左右に引き分けることができるが、外側の二枚は嵌め殺しとなっている。引手には組緒を総角(あげまき)に結び端に房を付けて提げ、帳台構えの敷居鴨居とその間に立てられている縁(ふち)はすべて黒塗りとし、その上から金鍍金の金具を打ちつける…。(Wikipedia

 現代の 住宅建築に ついて 考えてみても、寝室は、玄関から 入って すぐでは なく、応接間・居間などより 奥まった 場所に 設定されるのが 普通です。『古事記』や 『萬葉集』の時代に 「ムロヤ[室屋]」、「ムロホキ[室寿]」、「ムロツミ〔館・客館堂]」、「ニヒミロ[新室]」、「ウツムロ[無戸室・空室]などと 呼ばれた 「ムロ[]」が、やがて 中国大陸から 先進的な 建築技術の伝来と ともに、「チョウダイ[帳臺]」などの 漢語で 呼ばれるように なった 経過が すこし 見えてきた 感じです。

  いずれにしても、日本語 タル[垂・足]・タラス[垂・足・帯]・テラ[]・テル[]・デル[]・テラス[]と、漢語 スイdhiuar垂、タイ・テイter邸、ダイ・テイder第、英語 terraceテラス、throne玉座などの 語音を ならべて みると、国籍や 民族の ワクをこえて、t-r音独特の 音韻感覚が はたら いている ことが 実感されると 思いますが、いかが でしょうか?


2017年1月26日木曜日

あけまして… 

石倉町の延命地蔵尊, 1/1



雪景色A,1/15 


雪景色B、 1/15   


ゴルフ ゲーム(まちなか版) 


年賀状①



年賀状② 


年賀状③ 


ことしも どうぞ ろしく
 信子の 認知症が 進行するに つれて、わたしども 二人の 日常生活が 不安定な ものになって きました。「認知症だ」と いうことは 分かりましたが、食事の とき 毎回の ように ハキモドシ するのは なぜか?肺や 胃腸などの 病気に よる ものか、それとも 体調を 無視した 飲食に よる ものか?どうにも 判断が つきません。そこで、「あとは 入院して、検査し、判断して いただく ほか ない」と いうことに なりました(12月下旬)。そして117、ようやく 藤の木病院へ入院。それまで、ドタバタ・ジタバタの 毎日でした。わたしは 「いたち川散歩」を 楽しむ 時間も、パソコンに むかって ブログを つづる 時間も ふっとんで しまった 感じでした。しかし、ぎゃくに 「これくらいの ことで、へこたれて おられるか」と 自分を シッタ・ゲキレイする 声も どこかから きこえて いました。

 入院から 1週間 すぎた きょう(125日)、おくればせ ながら 新年の ごあいさつを申しあげます。ことしも どうぞ よろしく お願い申しあげます。

 

1月の 風景
 スマホに うつっている 写真を 見ても、年末年始に かけて、あまり パッとした ものが 見あたり ません。ぎゃくに いえば、わたし自身の 「ブツロな 心」の 反映かも しれません。

  石倉町の 延命地蔵尊 11日、ひさしぶりに いたち川べりを 散歩しました。という よりは、山王神社まで ゆく 体力が ないので、石倉町の お地蔵さんの 水を いただいて、初もうでを すまそうと いう ことです。ことしは 雪が なくて、足もとが 安全なので、初もうでの 人たちが つぎつぎと 姿を 見せて いました。

  雪景色A115日、ついに ドカ雪が 来ました。雪の 白と サクラの 黒だけ では 水墨画の 世界ですが、ビルの 壁が ピンクで、あたたかい 感じがします。雪を かぶった ベンチに 雪の妖精が すわったら…ついつい 空想を めぐらせて いました。

  雪景色B115日。いつも どおり、雪見橋から 下流を のぞむ 定点観測。まさに 水墨画の 世界でした。

  ゴルフ ゲーム119日。デイサービスまちなか、ゲームの時間。この日は、ゴルフや ゲートボールに 見たてた ゲームでした。まにあわせの 道具の ヨセアツメなので、ハプニングが 続出。そこが ゴアイキョウです。

 

ことしの 年賀状から
 年末から いろいろ ありましたが、おかげさまで、どうやら 無事2017年の 新春を むかえる ことが できました。ことしも どうぞ よろしく お願い いたします。

 数年まえに 年賀状中止を 宣言したのですが、それでも あいかわらず 年賀状を よせられる方が あり、ありがたく 拝見して います。その中から、3通だけ ご紹介させて いただきます。

  Fktさん…毎年 版画作品の 賀状を いただき、目の保養に なって いました。ことしの テーマは「七福神が 乗りあわせた 宝船」。そして 版画の わきに、「来年度からの 賀状の ご挨拶を なしと させて 戴きます」と ソエガキして ありました。わたしが 中学校の 教員として 初めて 担当した クラスの 生徒さん ですが、あらためて「戦後 70年」の 重さを 感じました。

  Kskさん…「一 富士、二 鷹、三 なすび…」という コトワザ(?)が ありましたが、こちらは「雲より 高く、太陽を めざす 富士山」、「その 富士山の 頂上で、トキノコエを あげる ニワトリ」という 構成。たしかに 21世紀を 感じさせる 年賀状ですね。

  Knkさん…「越中 五箇山 菅沼集落」の 写真に、ひとこと 賀詞を そえた ものでした。「一年の 計は 元旦に あり」と いいます。年の はじめに、まず 郷土の 歴史・伝統を よく 観察し、その 延長線上に 新年度の 計画を 設定する ように すれば、それだけ 成功の 確率が 高まる ことでしょう。

なお、画像の ご紹介は ひかえましたが、福岡市の Kwnbさん からの 賀状に「今年も平和を希望し、祈って止みません。時代の激変に体力不足で口惜しいです」と あり 「松過ぎや 生きねばなららぬ 仕事あり」の 1句が 添えられて いました。



藤の木病院へ 入院
117()午前、信子が 藤の木病院へ 入院しました。くわしく いえば、第2病棟の 2階で、4人部屋です。

この病棟の 担当医師が もと 市民病院院長の Ⅰ先生 だと 聞かされ、びっくりしました。直接 お目に かかったのは はじめて ですが、診察の 仕方、患者への コトバかけ などが ものしずかで、ていねいな こと。こころから 敬服させられました。

たまたま 昼食の 場面も 見学させて いただきました。11で 介助を 受けながら 食事している 患者さんたちも おおぜい おられました。

このさき、どんな 結果に なるか、それは まだ 分かりませんが、これだけの スタッフが そろって おられるのを 拝見して、ここに 入院できて よかったと 思います。「ここなら、最高・最善の 治療を していただけるに ちがいない」と、信じる ことが でき、ひとまず ほっと している ところです。

なには ともあれ、2017年の 新春を むかえる ことが できました。それだけで、ありがたい ことだと 思って います。

ここまで たどりつけた のも、美織さんが 自分の 母親を 介護してきた 経験から、お医者さんや ケアマネさんと 相談する など、いろいろ ダンドリして くれた おかげです。また、入院に 当たって、さまざまな 衣類を 数セット づつ 用意しなければ ならないのですが、それも 美織さんが 用意して くれました。その 衣類には、すべてに 氏名の記入が 必用です。点数が 多いので、これも ひと仕事です。わたしが やったのは、この記名作業を 一部 担当した くらいの もの。つまり、なにもかも 美織さん だのみと いうわけです。

わたしは 信子の 夫として、自分の手で 介護の作業を したいと いう 気持ちは あります。しかし、それは ただの ユメに すぎず、96歳老人には そのユメを 実現させる だけの 気力・体力が ありません。ここで わたし自身が ぶっ倒れて しまったら、 元も子もなくなります。そう ならない ように、なるべく 手をぬいて、気力・体力を 温存する ことが 自分の シゴトだと 考える ことに して います。

 120()午前、美織さんと ともに 藤の木病院へ。I先生から 入院後の 観察結果を 聞かせて いただきました。

ハキモドシは 入院後も 続いている。その 原因などは、まだ よく 分からない。肺の写真を 見ると、なにか カゲが 見られる。本人に たずねたが、まったく 心当たりが ないという。(…夫の わたしにも、美織さんにも、心当たり なし…)あるいは、結婚以前の ものかも しれない。肺の検査 などの 方法も あるが、高齢者には すすめられ ない。

 この日は、なにかの 都合で、11時ころの 昼食。見たところ、信子は 順調に 食事を していた のですが、やはり 最後に かるく ハキモドシを して いました。在宅の ころと まったく おなじ 状況です。ハキモドシ しても、本人は ケロッと しています。わたしも、最初の ころは ビックリしたり、オロオロしたり でしたが、しだいに なれてきて、なるべく 気にして いない フリを する ことに しました。まわりの ものが おおさわぎ すると、それが ストレスと なり、ハキモドシの 原因と なる 可能性も あると 考えた からです。


ヘルパーさん、きりかえ
 これまで 週4回、ヘルパーさんに 来てもらって いましたが、信子が 入院した ことで、いちおう 中止と なりました。そのかわり、こんどは わたしの ために、水・金・土の3回 来てもらう ことに なりました。
 なお、信子は 入院のため、デイ サービスへの 通所を 中止しましたが、わたしの方は これまで どおりです

2016年12月23日金曜日

楽 あれば、苦 あり…2016年 師走 



チンドン 登場 12/19


バナナの たたき売り 12/19 


名月 赤城山 12/19 


八尾 おわらぶし 12/19



ゆず湯  12/22


『古事記』に 見る 建築用語

 日本海文化悠学会も、『古事記』を 読む 会も、1月は お休みですが、『古事記』の 12月例会の 席で、針山 康雄 さんから 2月例会で 発表予定の レジュメを いただきました。タイトルは「『古事記』に 見る 建築用語を 考える」。一級建築士の 肩書を 持つ 針山 さんが、建築工学の 目で、『古事記』の 中から 建築関係の 用語を 拾いあげ、分析・整理の 作業を すすめて おられます。

 建築や 土木に ついて、わたしは まったくの 門外漢ですが、せっかくの チャンス なので、いっしょに 勉強させて いただきたいと 思って います。わたしに できる ことといえば、針山さんが とりあげた 用語に ついて、まず 戸籍しらべを する こと。すこし具体的に いえば、日本語(ヤマトコトバ)の 原理・原則に てらして、その 単語家族関係を たしかめる こと。あわせて、できれば 漢語や 英語などとの 音韻対応関係に ついても 考えて みる ことです。意外な 対応関係が 見えて くる かも しれません。どこまで やれるか、楽しみに して います。

 針山さんは『古事記』の 記事の 順番に あわせて、建築関係用語を とりあげて います。全部は 紹介 できませんが、わたしが かってに 選んだ だけ でも、「ツクロフ[修理]・ハシ[]・ハシラ[柱」・トノ[殿]・ト[]・カド[]・カキ[]・タルキ[垂木]・モヤ[喪屋]・タタミ[]・ウブヤ[産屋]・イハオシワクノコ[石押分之子]・ムロ[]・ムロヤ[室屋]・カハヤ[]・カナトカゲ[金戸蔭]・カツヲ[堅魚]・ミヤ[]・ミカド[御門・朝廷]」など、いろいろな 語音の コトバが 採集されて います。さて、これだけ 雑多な 語彙資料を どう 分析し、どう 整理すれば よい でしょうか?

 わたしは、まず ヤマトコトバの 組織原則に したがって、音形ごとに 単語を 区分します。そのうえで、基本的な 音形意味(事物の 姿)を 共有する 単語を まとめて 単語家族と して 分類・整理 します。具体的には、イズミが 考案した「64音図(50音図の 改良版。日本語だけ でなく、漢語・英語にも 適用できる)を 利用する ことで、比較的 簡単に 分類作業が すすみます。たとえば; 

  

カタ・ケタは、k-t音タイプ
カツヲ[堅魚]・カド[門・角]・ミカド[御門・朝廷]」などは、k-t音を 共有している ので、k-t音タイプの コトバと して 分類する ことが できます。上代語の2音節動詞と して、カツ[]・カツ[](合わせる)・クツ[]・ケツ[]などが 成立し、その まわりにカタ[方・肩・形・像・潟・葛]・カチ[]・カヂ[梶・櫂]・カヂ[鍛冶]・カテ[]・キタ[]・キダ[分・段]・クダ[小角・管]・クチ[口・鷹]・クツ[履・沓]・クヅ[]・ケタ[]・コト[琴・言・辞・殊・異・別]などの2音節名詞も できて います。多音節の 動詞では、カタス[]・カタツ[](あがめる)・カタドル[像・象]・カタブク[傾・斜]・カタム[堅・固]・カタヨル[片縁]・カタル[]・カヅク[]・カヅラク[]・カトル[主・校・制]・キタム(こらしめる)・キタル[来・来至]・キヅク[杵築]・クダク[]・クタス[]・クダス[下・降]・クダル[]・クツガヘス[]・クツガヘル[]・クヅル[]・ケヅル[削・梳]・コタフ[答・応・対]・コトヅ(口に 出して 言う)・コトホク[言寿・賀]などが あります。

カツは もともと「合わせる」こと ですが、「米を カツ[]」と いえば、「玄米の 一部を カチ割る」 こと(精米) です。剣道の 試合で いえば、「相手の 面を カチワル」ことが カツ[]ことに なります。

「コトバは コト[言」の ハ[端]、カタリ[語]の ワン カット]と 考えて みるのもおもしろいと 思います。カチワル 姿は、漢語でも カツ[割]、英語でもcutです から、音形・基本義とも カッチリ 対応して います。腰を すえて、キッチリ しらべてみる 価値が あると 思いますが、いかが でしょうか?

 富山弁には、カチアゲル・カチコム・カチコワス・・カチワル・カツカル・カツケル・カッチャ[搗屋]・キトキト など、かなり たくさんの k-t音語が ある ようです。



タツ・タタムは、t-t音タイプ
タタミ[]は、動詞 タタムの 連用形 であり、また 名詞形 でも あると 考えます。タムは、もと「タタ[楯・縦]+ム」の 構造で、「タタ[縦・楯]の 姿に する」こと。その タタ[縦・楯]は、動詞 タツ[絶・裁・立・断]()[](他下二)の 名詞形で、タテ[縦・楯]の 交替形。つまり、2音節動詞 タツを 中心に、名詞 タタ・タテ・タタミや 動詞タタム などが タチならび、t-t音の 単語家族を 組織して いると 考える ことが できます。タテや タタミ だけでは ありません。タチ[大刀・舘]や タツ[竜・辰] なども、t-t音語と しての 基本義タツ[立・断・絶・建]もの」の 姿を 共有して います。さらに いえば、上代語 2音節動詞と して、タツと ならんで、ツツ[](伝える)・トヅ[]が 成立して いる ほか、その まわりに ツタ[]・ツチ[土・椎]・ツチ[土・地]・ツツ[筒・管]・ツト[+]などの名詞が成立。3音節以上では、タタク[]・タタカフ[]・タタズム[]・タタヌ[](=タタム)・タタフ[]・タタフ[]・タタル[]・タヅヌ[]・タテマツル[奉・献]・タトフ[]・チダル[千足]・ツタフ[](伝わる。伝える)・ツツク[](自四)[](他下二)・ツツム[]・ツツシム[]・ツドフ[]・ツトム[]・トダル[十足]・トツグ[]・トトノフ[]・トドマル[]・トドム[留・停]・トドロクなどの 動詞も 成立して います。動詞の まわりには、もちろん t-t音の 名詞・形容詞・副詞 なども 成立して います。

 この作業を すすめる 場合、どんな 漢字で 表記されて いるか も 問題ですが、漢字は もともと 漢語に あわせて 作られた モジ であり、ヤマトコトバの ために 造られた モジでは ありません。いわゆる「訓読み」の 漢字は、アテジ[当て字]に すぎません。漢字の 便利さに たより すぎると、ヤマトコトバの 実態を 見失う おそれが あります。字の 字形は 参考に とどめ、あくまで コトバの オト(音形)を たよりに、t-t音 単語家族の 実態を タヅネル[] べき だろうと 思います。



タルキ・トリヰは、t-r音タイプ
タルキ[垂木]・テラ[]・トリヰ[鳥居] などは、t-r音を 共有して いる ので、これらを t-r音タイプと して 分類する ことが できます。上代 2音節動詞と して タル[垂・足]・チル[]・ツル[釣・吊]・テル[]・トル[] などが 成立している ほか、テラ[]・テラス[]・アマテラス[天照](神名)・タラシヒコ[帯日子](天皇などの人名)などの 用例も 見られます。

 ただ、「t-r音語の 系譜」に ついては、124日 「古事記を読む会」での 提案資料(補足)、サブ タイトル「アマテラス」と テラに よせて」と して、報告ずみ なので、くわしい 報告は 省略させて いただきます。



ツカ・ツク・ツクルは、t-k音タイプ
 ツク[衝・策・築・漬・給・尽・著・附]・ツグ[継・次・告]・ツクル[作・造]・ツクロフ[]などは、t-k音タイプと して 分類する ことが できます。上代語 2音節の 動詞と して タク[焼・焚・]・タグ[]・ツク・ツグ・トク[着・解]・トグ[磨・研・遂] など、名詞と して タカ[鷹・竹]・タキ[]・タケ[竹・嶺・岳]・タコ[]・ツカ[塚・握・束]・ツキ[坏・月・調]・トガ[]・トキ[]・トコ[] などが 成立して います。また、多音節動詞に、タカブ[](たかぶる)・タガフ[]・タガヘス[]・タカル(①高くなっている。②集まる)・タギツ[激・滝]・タクハフ[]・タグフ[]・タクム[]・タケル[]・チカヅク[近着]・チカフ[]・チギル[約束]・ツカサドル[]・ツカフ[用・役・仕]・ツカム[掴・攫]・ツカル[疲・労]・ツガル(つながる)・ツキタツ[築立・植]・ツキハム[]・ツクス[]・ツクノフ[]・ツクル[作・造]・ツクロフ[]・トキサク[解放] などが あります。・

テが ツク ところが ツカツカツカんで、ツギツギ・タクミに、さまざまな ものをツクル・ツクロフと いう ことに なります。ツク[付・附]と ツグ[継・次・告]の 関係についても、ク(清音)と グ(濁音)の チガイ だけ なので、基本義は 共通。Aと Bをツケル・クッツケル・ツナグ 姿は、やがて A(またはB)が ツナガル・ツグ[継]姿。Aが Bに むかって コトバを ツケル・ツナグ・ツグ[継]姿=ツグ[告]、と いう ことになります。



ミヤ・ウブヤ・ムロヤの ヤは、y-a音タイプ
 ここで 一つ、すこし かわった 音タイプの 語音に ついて 考えて みましょう。『古事記』に 出てくる ヤは いろいろ あり、建造物関連では ウブヤ[産屋・産殿]・カハヤ[]・ニヒナヘヤ[新嘗屋]・ヒトヤ[]・マヤ[]・ミヤ[]・ムマヤ[]・ムロヤ[室屋]・モヤ[喪屋]・ヲヤ[小屋]などが あります。すべて「~ヤ」の 構造で、ヤは 漢字で []と表記されるのが 普通ですが、[殿・谷]と 表記された 例も あります。ウブヤでも、カハヤでも、ムロヤでも、どれも みな、人や 動物を 入れる 構造物です から、ヤマトコトバと しては ヤ 1語で あり、漢字の 字形に こだわる 必要は ないと 考えることも できます。 

 それにしても、ヤマトコトバで イヘ[]と いう コトバが あるのに、同一事物を []と 呼んだので しょうか?「そんな ヤボな 話」と いわれるかも しれませんが、ここで ヤ[]の 戸籍しらべを して おきましょう。

 ヤマトコトバの 音韻組織を しめす「50音図」を みると、まず 母音が アイウエオ 5個 あり、以下 カ行音・サ行音など、それぞれ 5個ずつ ある ことに なって いますが、ヤ行と ワ行では、かなり 変則的な 現象が 見られます。ヤ行音 独特の 音形を もって いるのは、ヤ・ユ・ヨだけで、イの 段、エの 段では ア行と おなじ 音形と なって います。ワ行でも、ワ・ヰ・ヱ・ヲは ワ行音 独特の 音形を もって いますが、ウの段 だけは、ア行と おなじ 音形と なって います。

 どうして こう なったのか?それは、ヤ行音・ワ行音の 構造が、カ行音・サ行音などとくらべて、特殊な 構造を もって いる からです。たとえば、カは「子音k + 母音a」の 構造。サは「子音s + 母音a」の 構造」。ところが は「半母音y + 母音a」の 構造。ワは「半母音w + 母音a」の 構造。は、「母音iから 他の 母音に 変化する ときに 生まれる 音形」。Wは、「母音uから 他の 母音に 変化する ときに 生まれる 音形」。したがって、ヤ行 イ段が ア行の イと おなじ 音形と なり、ワ行の ウが ア行の ウと おなじ音形と いう のは、当然とも いえます。ヤ行の エに ついては、(ワ行の ヱの ように) いちど「y e」の 音形に なった ものの、その後y音が 脱落したと 解釈できる かもしれません。

 (時間が なくなり ましたので)以下、結論だけ 申しあげます。ヤマトコトバの ヤ音には、感動詞の ヤ[咄]、名詞の ヤ[矢・箭][屋・舎・家]、数詞の ヤ[八・弥]、副詞の ヤ[弥]、助詞の ヤ[哉・也] など、さまざまな 意味用法の ヤが あり、現代人の 感覚では、共通する 基本義が とらえにくく なって います。しかし、コトバは もともと 人々の 生活の 中で、必要に 応じて 生まれる ものです。口を ヨコ 一文字に ひっぱって、イーと 発声する、その姿が「イキを する=イキル」姿 であり、「ヤ[]が イク[行・射来]」 姿です。また、ヤマトコトバでは、動詞形(~する)の 語尾母音が -aに 変化すると、名詞形(~する もの)と なります。たとえば、サク[裂・割]と サカ[](裂ける地形)、ナフ[]と ナハ[](綯ったもの)など。

同様の 感覚で、仮設動詞ユ(イク・ユク姿)の 名詞形が ヤ[矢](イク・ユクもの)と 解釈する ことが できそうです。ユミも ヤも、ヤ行音の コトバ。もともと 狩猟や 戦闘に つかう もの ですが、矢を 数本 組みあわせる ことで、たちまち テント式の ヤ[屋・舎・家]が できあがります。

 数詞の []は、漠然多数を あらわす[]の 語尾母音交替Yoよりも さらに 大きく 口を 開くya音に よって、断然多数の ハチ[](=四の 倍数)に 当てた ことが 考え られます。

 その他、ヤマ・ヤマト、助詞の [哉・也]などに ついても、もとは 名詞[]から 意味用法が 変化した ものと 解釈する ほうが、より 合理的だろうと 考えて いますが、その議論を する 時間が ありません。くわいい ことは、「教育・文芸とやま」第22201612月、財法・富山県教職員厚生会)所載の 小論、「[矢・屋・谷・哉]の 系譜…日本人の 宇宙観を さぐる」を ご参照 いただければ 幸せです。



まちなか版・チンドン まつり

信子の 症状は、あいかわらず 一喜一憂の 毎日が つづいて います。食欲は ある のですが、「こんどは 大丈夫かな」と 思って いたら、しばらく して また ハキモドシが あり、見ている ほうが ガックリ。ご本人は、それほど クルシイと いう 気配を 見せず、そのあと また パクパク たべつづける ことも あります。かと 思うと、せっかく 用意した オカユを お茶碗の 半分も たべて くれない ことも あります。いったい どうしたらいいのか、オテアゲの 感じです。

まちなかへの 通所も、これまで 午後から だった のを、1111日からは 朝からの 通所とし、そこで 昼食を とれる ように なりました。食事の 内容に ついても、いろいろくふうして いただいて いますが、ハキモドシは やはり 止まらない ようです。

心配と いえば 心配ですが、92歳と いう 年齢を 考えれば、この年まで ほとんど 病気らしい 病気を せずに 生きてきた、それだけでも リッパな こと、ありがたい ことだといえます。心配ばかり して、わたしまで 倒れて しまったら、それこそ オシマイ。そうならない ように、介護の シゴトは できるだけ ヘルパーさんたちに お願いして、わたし自身の 時間を 確保したいと 思っています。この ブログだけは、さいごまで つづける つもりです。

まちなかでは、ひろい 浴室で ノンビリ 入浴できますし(22日は、ゆず湯)、そのあと マッサージも うけられます。1219日には、チンドンの みなさんが まちなか版・チンドンまつりを 公演して くださいました。



 あすは、クリスマス イブ。やがて おおみそか。そして お正月。みなさまに とって、どうぞ たのしい 年末年始で あります ように!