2019年9月19日木曜日

夏休みの季節


納涼祭 8/2



 音の会  8/7



 社会人大楽塾 8/8



墓まいり  8/14



訪問販売  8/20 




呉山・飛天、A  8/27 



呉山・飛天、B  8/27 



 ハンドベル・コンサート 8/28



花田豊志さん四十九日法要




『古事記』を読む会   9/1 



音の会 9/4 




納涼祭
8月2日⦅金⦆。ことしは異常気象ということで、まいにち「これでもか」とばかりに暑い日がつづきます。ホームでは、この季節をのりきる対策の一つとして、ことしも「納涼祭」が実施されました。この日午後、9f集会室に「水玉フウセンつり」、「射的場」、「たこ焼き屋台」などがセットされ、ホームの住人たちがすきなゲームを楽しんでいました。わたしも、まずは「フウセンつり」からはじめ、「射的」では2発とも的中(至近距離ですから当然)で、気をよくしたまま、さいごは幼稚園児になったつもりで「たこ焼き」に挑戦しました。
あとで考えてみても、この「納涼祭」はたしかに「なつかしい思い出」をのこしてくれたマツリです。ただ「射的」にかんしては、わたしどもの年齢では、「戦闘用の銃」を連想しないわけにはゆきません。戦時中、中学校以上の学校では、「教練科」が必須科目で、「三八式(明治38年式)歩兵銃」の操作訓練が中心でした。

音の会
87日⦅水⦆、午後2時から9fで「音の会」が開催されました。この日の曲目は
「始まりの歌」、「うみ」、「浜辺の歌」、「我は海の子」、「憧れのハワイ航路」、「ソーラン節」「知床慕情」、「月の砂漠」など。ほかの方はどうか分かりませんが、わたし自身の感覚では、「知床慕情」「月の砂漠」あたりが一番じっくり歌のメロディーを楽しむことができたように思います。

社会人大楽塾
8月8日(木)。午後9fで「社会人大楽塾」が開かれ、出席しました。この日歌われた曲目は、「憧れのハワイ航路」、「月の砂漠」など。実は当日の曲目などはその場でスマホにおさめておいたのですが、うっかり消してしまったので、ご紹介できません。おゆるしください。それにしても、前日の「音の会」につづいてこの日も2曲まで同じ歌がえらばれたというのは、ちょっとおもしろい現象かと思います。
「…晴れた空、そよぐ風、港出船のドラの音愉し,別れテープを笑顔で切れば、のぞみはてない、遥かな塩路…」
 熱い毎日がつづき、体がつかれはてている。そのつかれをハジキとばしたいと思えば、「憧れのハワイ航路」にとびつくことになる。ぎゃくに「つかれた。ゆっくり休みたい」とおもえば、「月の砂漠」をえらぶことになる。そんなところでしょうか。
「大楽塾」のばあい、途中くりかえし「ありがとうございます」、「うれしい、たのしい、ワッハッハ」などのセリフをおおきな声でしゃべることになっています。「おおきな声でしゃべる」という「形式」からはいって、「うれしい、たのしい、わらいだす」という「事実」を引き出そうというネライです。そのネライはよいと思いますが、現実はネライどおりに展開するかどうか。かなりむずかしいようです。
 笑いだしたい気持ちになっていないのに、いきなり「ワッハッハ」と笑えといわれても、さてどうしたらよいものか、なかなか声が出てきません。また、「うれしい、たのしい」フリをするには、手・足・体をどんなふうにフリツケすればよいか?そのフリツケを身につけるまでに、たいへんな量の練習が求められるようです。
 それどころではない、というのが現実だともいえます。毎回出席者はホーム住人の一部だけですが、9f会場はせますぎます。深呼吸ひとつするにしても、まわりの人とのマアイ[間合]を考えないと、「両手を頭上にかざした後、左右に開いておろす」途中で、となりの人の手とカラミあい,コロバセてしまうかもしれません。ぎゃくにいえば、そんなことを心配しながらのフリツケ練習をつづけても、「うれしい、たのしい、ありがとう」の「実感」にたどりつくことは期待できません。とりあえずは、9f会場を精いっぱいひろげて使うこと、安全第一で座席配置することでしょうか。会場でおぼえたフリツケを自分の個室にもどってからおさらいすれば、まわりの人と衝突する心配は無用。自由自在、自分でナットクゆくまでフリツケ練習ができるわけです。これなら、「形式からはいって実態にせまる」効果も期待できるかもしれません。

墓まいり
8月14日()。午前11時すぎ、藤木さんのクルマで立山町沢端まで墓まいりに連れていっていただきました。この日は、Mioriさんのご主人もいっしょです。雨もあがって、お墓ではゆっくりとをそなえ、線香ローソクに火をともすことができました。とはいっても、作業はすべて人まかせ。自分でやったのは、数珠をまさぐって、お念仏を唱えたこと。そして、そのあと、お墓の写真をスマホでうつしたこと。それだけです。
 その写真ですが、ご覧のとおり、まともな逆光で、暗い画面になっていますが、こればかりはどうにもなりません。ここは北陸自動車道立山ICのすぐ近くで、見晴らしのよい場所です。「この墓地一帯が観光地になるかもしれない」となりに新規造成中の墓苑のノボリをながめて、ふとそんな感じをうけました。
 墓まいりをすませたあと、立山町でカツライスをごちそうになってから、ホームまで送っていただきました。おかげさまで、信子のためにもよい功徳になったと思っています。

訪問販売
8月20日(火)。午後2時から9fITARI-YA さんの 訪問販売がありました。毎日ホームの食事で十分栄養は取れているのですが、たまには童心にかえって、「なにかメボシイものないかな」とウロツキまわるのも楽しみです。わたしは干しブドウのはいったパンがダイスキですが、今回はクリのはいった「小倉マロン」というパンが見つかったので、食べてみることにしました。食のほそいわたしの間食用としては、「食べおわるまで、ナンニチかかるか」気になるほどデカイ・カタマリですが、それはそれでまた思い出のタネになるでしょう。
なお、この日は長念寺さんで「寺サロン」開催の予定でしたが、つい先日「都合により、中止」と通知がありました。

信子の月命日
827()。信子の月命日にあわせて、東京から伊藤広美・敦子さん夫妻が来訪。10時半から、長念寺住職志田常無さんをお迎えしての月命日お勤めに参加していただきました。お勤めが無事終了したあと、Mioriさんのクルマで呉羽山の「呉山・飛天」へ向かいました。ここは、その名のとおり、呉羽山という高台の一画に建てられ、「飛天図」がかざってあるレストランです。すずしい高台にいながら、下界の富山市街地や北陸新幹線などを一望できる、ミハラシのよい場所。こんなところで食事できるとは、まさにゼイタク。自分が「飛天」に変身したみたいな感覚です。
この席は、伊藤夫妻から(白寿をむかえたイズミへ)の「暑中見舞い」としてセットされたとのことで、わたしもありがたく「茶そばご膳」をごちそうになりました。雨も上がって、
ミハラシも最高。新鮮な食材を使った料理の一品一品、時間をかけてカミシメ、ゆっくりアジワイ、たのしませていただきました。

ハンドベル・ミニコンサート
828日(水)。午後2時から9fで、ハンドベル・チーム・「我楽」のみなさんがミニ・コンサートを開かれました。演奏された曲目は「夕焼け小焼け」、「夏の思い出」、「幸せなら手をたたこう」、「こきりこ節」、「瀬戸の花嫁」、「知床旅情」、「北国の春」、「いい日旅立ち」など、多彩。わたしはハンドベルの演奏をナマで見たり聞いたりしたのははじめてなので、「これだけのハーモニーを保つまで、練習量がタイヘンだろうな」と思いながら聞いていました。

豊志さん四十九日法要
91日(日)。午前9時から、新庄町で故花田豊志さん四十九日法要に出席。かりにも3年間、父親としての思い出をのこしてくれたことに感謝し、ご冥福をいのりました。

『古事記』を読む会
 そのあと、茶屋町豊栄稲荷神社へかけつけ、『古事記』を読む会に出席しました。この日は、「夏休み明け」の研修会。藤田富士夫先生の講演を聞かせていただく日です。藤田さんは、この日のためにレジュメとして「古事記にあらわれる三種の宝物―玉(・鏡・剣)(A4判計12)を用意されたほか、「神体山の聖域性と墓所造営」(会誌「明日香」、40号ヌキズリ)、「飛鳥の神奈備山を考える視座」(同上、41号ヌキズリ)も資料として配布されました。
 レジュメでは、「三種の宝物(玉・鏡・剣)」にかんする『古事記』、『日本書紀』、『風土記』、『万葉集』などの文献資料をもれなく採集し、くわしく紹介するとともに、考古学の面から確認された実態資料についても、総合的にくわしく解説されています。
 わたしども初級者としては、まずレジュメをよく読んで、全体の流れをつかんだ段階で、会誌『明日香』ヌキズリを読むようにすれば、「神体山の聖域性」や「神奈備山を考える視座」、さらにいえば「古代国家ヤマト国成立当初」の「モノの見方」、「宇宙観」などが見えてくるかもしれません。

音の会
9月4日()。午後、9fで「音の会」が開かれ、出席しました。この日の曲目は、「かかし[案山子]」、「虫の声」、「おわら節」、[荒城の月]、「チャンチキおけさ」など。「かかし」の場面では、参加者のみなさんも、あらかじめ用意されたカサ(菅笠)をかぶって、歌ったり、おどったりしていました。

n-n音のコトバ日本語の系譜(第7回)
n-n音の日本語
擬声・擬態語
 まず、n-n音の擬声・擬態語があるかどうか、しらべてみました。このまえ、m-m音の系譜をたどるための調査の一環として、m-m音の擬声・擬態語の採集をめざしたのと同様に作業をはじめたのですが、結果はすぐ出ました。どれだけさがしても、n-n音擬声・擬態語はゼロでした。
 「n-n音の擬声・擬態語を採集できれば、そこからすぐn-n音の基本義をトリダスことができるはず」と期待していたのですが、そのユメは消えました。
 n-音をふくむ擬声・擬態語(候補)として、ナミナミ・ナヨナヨ・ニコニコ・ニタニタ・ニヤニヤ・ヌクヌク・ヌメヌメ・ヌルヌル・ネチネチ・ネトネト・ノコノコ・ノロノロ・など、多数の用語があげられます。それぞれn-m, n-k, n-s, n-t音タイプの基本義を追求するための資料として重要な役割をはたしますが、ズバリn-音がもつ基本義を追求する資料としては、迫力・説得力がたりません。
 それくらいのことは,はじめから見当がつかなかったのかと、おしかりをうけるかもしれません。もうしわけありません。さいわい、上代語の段階で、単音節n-音語ナ・ニ・ヌ・ネ・ノが成立しているので、このあと、『時代別・国語大辞典・上代編』をたよりに、日本語(ヤマトコトバ)n-音がもつ基本義をさぐることにします。
[菜・魚] 魚も菜もふくめて副食物となるもの。[考]特に魚類をマ[]ナといった。サカナの原義はサカナ[酒菜]で、魚に限らず酒の副食物一般をさしていう語であった。
[中]中。
[名・号]①名前。事物や個人の名称。②評判。名声。[考]名は単なる名称ではなく、実体そのものと意識されていた。いわゆるコトダマ[言霊]の信仰である。男女の間で相手に名を告げるのは心を許すことであり、名を尋ねることは求婚を意味した。
[刃]ハ[刃]。やいば。[考]カタナは両刃に対する片刃の意。カナ[鉋]・ナタ[鉈]や動詞ナグ[薙]などのナもこのナか
[汝・己] 二人称。親しい者、目下の者などに使う。→ナセ()・ナニモ()・ナネ()
ナ (接尾語)人をよぶ語について親愛の意をあらわす。→イモナロ()・オキナ()・オミナ・コナ()・セナ()
[勿・莫] (副・助)禁止の意を表わす。⇔no, not, never.
ナ(接尾語)時間を表わす体言の並列系の下に接し、アサナアサナ・ユフナユフナという形を作る。
ナ(助)文末にあって動詞・助動詞の未然形につき、希望を表わす。
ナ(助)①文末にあって活用語の終止形や願望の終助詞モガモに接し、詠嘆を表わす。②右の用法から固定し、接尾語として、副詞ウベに接して重複形ウベナウベナをつくる。
ナ(助)体言二つを結合し、連体修飾の関係を構成する。→タナスヱ[手那末]・ヌナト[瓊那音]・マナカヒ。
[] 荷物。交替形はノ。*穀物の穂の先に実がノル[](ミノル[実・稔])姿。
[土・丹] ①土。②赤色の顔料。赤土。また、赤色そのもの。
[] 玉の類。ヌとも。
ニ[二](数)二。[]「イチ[][]ノ目」については、「ヒトフタの目」と読む説もあるが、仮名としてニの表記に「二」を使うことが多く、音読した可能性は強かった。「ニクク[二八十一]」(憎く)など、掛け算を思わせる文字表記が所々に用いられていることは、漢数詞を用いる習慣もすでにあったことを示す。
()①文中にあって、体言あるいはそれに準ずる語につき、場所・時間や対象をあらわす。a動作の起こる、あるいは状態の成立する場所。時間をあらわす。b動作の帰着する対象をあらわす。②状態をあらわす語句をうけて、a状態的な修飾関係を構成する。b資格あるいは目的をあらわす。③思うこと・言うことの内容を示す。④次の句の前提となる関係を成立させる。
()文末にあって、動詞・助動詞の未然形につき、他者の言動の実現を希望する意をあらわす。
[] ヌマ[沼]。
[] 。玉の類。ニ[] の交替形か。
[] 動下二)寝る。横になる。ねむる。特に男女が共寝する意に用いることが多い。
[] (助動ナ変) 動詞のうち、主として、キタル・チル・ナル・タユなど、移動や推移をあらわす無意志的なものの連用形に接して、その作用。動作が実現し、そういう状態が発生・存続することを意味する。
[音・鳴] 音。泣き声。 ⇔オト[]
[] ①植物の根。②接尾語として、名詞に直接、あるいはガを介してつく。
[峯・嶺] 峯。山の高いところ。ミネとも。[]ネの多くの用法は、地名と結びついて山名となる、万葉のころには、ミネの形が普通だったのであろう、
[] 野。ただし、広々とした野原はハラといい、ノは山裾のゆるい傾斜地などをいったようである。
[箭・笶] 矢に使う竹。矢竹。
[] []の交替形。*穂の先に実がノル[](ミノル[実・稔])姿。
(接尾語) 人名あるいは人をあらわす語について、親愛の情をあらわす。→イモ[]ノ・志斐ノ・背ナノ

n-nタイプの2音節語
 せっかく上代単音節動詞としてヌ[](下二)が成立していたのですが、n-nタイプの2音節動詞は現代語にいたるまで1語も成立していません。フシギなくらいです。
 動詞以外の名詞などは、どうなっているでしょうか?ひろってみます。
ナナ[] 七つ。ただし、実数の七をあらわすより,数の多いことの表演に使われることの方が多い。*ナ=ナリモノ(命)。ナナ=ナのナ=3代目ペアからうまれたナ(命)=初代から通算7番目のナ(命)。
ナニ[] 物の名や実体の不明な事柄に関する疑問語。
ナネ[汝姉] 親しい女性を呼ぶ語。男性にも使われることがある。*ナゴヤカ・ナゴム・ナレル[]・ニコニコ・ニコヤカ・ヌルヌル・ヌラリ・ヌル[]・ヌルシ[少熱]・ヌレル[]・ネル[]など、親近感・解放感をあらわす語にn-音が多用されている。
ニノ ヌノ[]の東国語形。
ヌノ[] 麻・からむしなど植物の繊維で織った織物。絹に比して粗い。

n-音があらわす基本義
 日本語のn-音単語家族の構成は、ごらんのとおり、ごく単純で少数にとどまっていることが分かりました。このあと、これを資料として、n-音があらわす基本義を抽出することになりますが、大量の資料をあつかうケースにくらべて、わずかな手数や時間ですむだろうという予想もできます。
 今回は、そのまえにまず、n-音を発声するとき発声器官に生まれる「感覚」の問題を追究し、そのうえで一気にn-音の基本義にせまりたいと思います
 n-音を発声するときの「発声器官の動き」と「発声器官に生じる感覚」との対応関係
  クチビルを閉じ, 口の中にイキをためる
  舌先を上ハグキに当て、イキが⦅鼻へ⦆ヌケデルことがナイようにする。この段階で「ナイ・~シナイ・禁止・nonot」の感覚がうまれる。また、「シビレル」感覚も。→[勿・莫](副。禁止)… ナフ(ナエル)・ナブ[](かくれる)・ナブ[](ナビカセル)
  そのハドメを突破して,イキが鼻すじへヌケダシ、共鳴をおこしながら、n-音として発声される。この段階で、①,②とはまったく逆の感覚が生まれる。→ナ[菜・魚][名・号][][]・[汝]・ナ(助。連体修飾)・ナナ[]・ナニ[](疑問語)・ニ(助。場所・時間・対象をあらわす)・ヌ[沼・瓊]・ヌ[](動。下二)・ヌ[](助動ナ変。ある状態が発生・存続することを意味する)・ヌノ[]・ネ[音・鳴・根・峯・寐]・ネ(十二支の第一)・ノ[野]・[箭]・[荷](ニ[]の交替形)。

 なお、n-音の基本義ををさぐるには、ナク[泣・鳴]・ナス[鳴・成・為]・ナブ[隠・靡・並]・ナム[靡・並・嘗]・ナル[鳴・成・狎]・ニグ[]・ヌク[抜・貫・脱]・ネグ[労・請]・ノク[]・ノブ[展・延・暢・述]・ノム[飲・呑・祈]・ノル[乗・宣・罵・似]などのn-音について、その意味用法をさぐることも参考になると思われます。ただしそれぞれn-k, n-s, n-p, n-rなどの項目で取りあげるのがスジだと考えられるので、ここではとりあげないようにしました。
 ただし、n-音とm-音との関係では、その調音点や調音法の面から考えて、意味用法の交替関係をもたらしたと見られる例があります。上代語ミラ[](植物名)やメヒ[婦負](地名)が、そのごニラ・ネヒに変化しています。なお、漢語では、上古漢語の段階でn-mタイプだったナン[男・南・楠]・ニン[壬・任・妊]・ネン[念・年・粘]などがすべてn-nタイプに変化しています。ただし、日本語・漢語とも、-n音が-m音を吸収合併したのが実態であり、ぎゃくに-n音が-m音に変化した例はないようです。

n-n音の漢語
 『学研・漢和大字典』の解説にしたがって、n-n音タイプの語音を紹介します。「漢字・上古音・現代音・日本語訳および解説」の順に表記。参考までに、原典掲載㌻数を付記。また、各項*印以下に引用者所見を付記しました。
ナン
856 nem>nan もとn-m音語。*男性が女性の体内にシノビコム(ナメル)姿。また、「一体とナル」、「やがて、子の親とナル」姿。
180 nem>nan もと n-m音語。*オシベがメシベをナメル姿。⇔ナム[靡・並・嘗]・ナム[南無(阿弥陀仏)]
661 nem>nan  もとn-m音語。
1232 nem>nan もとn-m音語。
1292 niuan>ruan ①やわらかい。②ふやけて軽い。つまっていない。「車+欠(かがむ)」の会意モジ。*押された部分が、反発せず、そのままヘコム姿。ナグ[和]・ナゴ[和]・ニキ[和・柔]・ニコシ[柔・和]・ネグ[労・請]などの姿。
606 nuan>nuan ①あたたかい。②あたためる。「日+爰」の会意モジ。*日光線の熱気がシノビコム(ヌクヌクあたたかにナル)姿。ヌルシ[少熱](ヌルイ)の姿。
798 nuan>nuan ダン[]とまったく同じ。
1442 nan>nan ①わざわい。うれい。②つらい戦争。③なじる。人の非を責める。④かたい。むずかしい。*n-音発声時²②の段階。イキがつまり、ニゲミチ・ヌケミチがナク、つらい姿。
ニン
43 nien>ren ①ひと。人間。②ひと。他人。③ひとごとに。④人数を数える単位。人が立っている姿を描いた象形モジで、もと身近な同族や隣人仲間を意味した。ニ(ジ)[二・爾・尼][]と同系。*ヌルヌルしたドロ[](ner>ni)で作った土器も、ニンゲン[人間]も、すべてニタ[似](ニタニタした)もの同士。
47 nin>ren ①ひと。人間。②自分と同じ仲間として、すべての人に接する心。仁徳をそなえた人。④柔らかい果物のたね。「人+二」の会意兼形声モジ。
292 niem>ren もとn-m音語。①みずのえ。十干の九番目。②ふとい。③はらむ。④人あたりがよい。*ネモコロ[慇懃・懇](根モコロ[])の姿。
57 niem>ren もとn-m音語。①抱きかかえこんだ重い荷物。②かかえこんだ仕事、任務。③仕事を引き受ける。④仕事を与えてまかせる。*ニナフ[荷・担・任]姿。⇔ニナフ[]
323 niem>ren もとn-m音語。はらむ。
135 nien>ren ①は。やいば。②かたな。③やいばする。刀で切り殺す。刀のハのある部分を「、」印でさし示した指事モジ。刃こぼれしなように、鍛えてねばり強くした刀のハのこと。*くりかえしネル[練・錬]・キタエルことによって、ネバリ強いハガネとナス[成・為]姿。
458 nien>ren しのぶ。しのばせる。たえしのぶ。「心+音符刃」の会意兼形声モジで、ねばり強くこらえる心。*シノビコム・ヌク・ツラヌク・タエヌク姿…
1222 nien>ren ①みとめる。じわじわと心にやきつける。②みとめる。手間をかけたすえ納得する。③手間をかけて、おぼえている。「言+音符忍」の会意兼形声モジで、じわじわと対象の特色を心に印象づけること。*ある現象の発生をミトメ[見止・認]、コトバとしてミナス[見成・見為・見做]姿。
ネン
461 nem>nianもとn-m音語。①おもう。いつまでも心中に含んで考える。②心中におもいつめた気持ちや考え。③よむ。口を大きく動かさずに低い声を出してよむ。
413 nen>nian ①とし。穀物がひと実りする期間。②とし。年齢。③みのり。もと「禾+人」の会意兼形声モジ。下部は手の原字だが、ここでは人のこと。作物がねっとりと実って、人の手で収穫されるまでの期間を表わす。*穀物の穂先にミ[実]がノル[乗](=ミノル[実・稔])・ナル[成・生・為]姿。⇔ニ[荷]・ノ[荷]。
976 niam>>nian もとn-m音語。ねばる。「米+音符占」の会意兼形声モジで、ひと所に定着するの意を含む。ネ[]・ネバル。
ノン
335 nuen>nen わかくて、柔らかい。ナン[]と同系。

n-n音の英語
nas-(nose) nose, nuzzle鼻でコスル, nasal.鼻の.n-音がコトバとミナサレルまでの課程を示す語音。「口の中にイキをためる」→「舌先を上ハグキにあて(ナデル姿)、イキのナガレをおさえる」→「その舌先をハネノケ、イキが鼻へヌケダス」。⇔ナス[成・為・茄子]
nau- (boat小舟) navalへそ, navigate航海する, navy.海軍. *フネもヘソも、ナベ型。⇔ナベ[]
ndher- (under下に) under, infernal地価の,infra- ラテン語系造語要素.
ne- (notない)naughtゼロ, neither~でも~でもない, neverかって…ない, no¹いいえ, no²ない, not, nothing何もない, nice感じのいい, negotiate交渉する. ⇔ナ[勿・莫]・ナシ[無]。
nebh- (cloud) nebula星雲, nebulousぼんやりした. ⇔ナブ[]・ネブ[合歓木]
ned- (to bind巻く, tieなぐ) net¹網, nettleイラクサ, connectつなぐ.ned-=ネヅ[根出](ネがツキデル)=ツナガル=トゲの姿。⇔ネダル[根足・根垂]・ネヅク[根着]。
nehw-s- (near近くで) near, neighbor近所の人, nextつぎの, nigh近くに.
nek-¹ (death) innocent無害の, nectar果汁, nectarineツバキモモ.
nek2¹ (to reachとどく, attain達成する) enoughたりる, oncology腫瘍学.
nwkw-t- (night) night, nocturnal夜の.
nem- (to assign割り当てる, allot配る, take手に取る) numbsしびれた, nimbleすばやい, economy節約, astronomy天文学, autonomous自治の, metronomeメトロノーム, nomad遊牧の民, number, enumerate 数えあげる.
nepot- (grandson孫、nephew) nephew, nepotism縁者びいき, niece. *植物の本体と根、川スジの本流と支流、人間の血スジなど、スジミチを通してつながる姿。
ner-¹ (under下に, on the left左に) Nordic北方人種の, north, Norman¹ノルマン人, northern北の, Norseノルウェーの。
ner-² (man) andro-ギリシア語系造語要素。男の意。
nes-¹(to return safely home無事帰宅する) harness(引き荷用の)馬具, nostalgia郷愁.
nes-² (oblique cases of the personal pronoun of the first  person plural第一人称複数の斜格) us我々を, our我々の, ours我々のもの.
neu- (to shout叫ぶ) announce公表する, denounce告発する, pronounce発音する, renounceはねつける.*[名・号]・ネ[音・鳴]がノビデル・ハネル・ヌケダス姿。⇔ナブ[並・靡]
newn- (nine) nineteen19, ninety90, ninth9番目の, November11, noon正午. *ドンヅマリの姿。最高点・絶頂期。*ナル・ノル・ノボオリツメル姿。果ては、ノミコム姿。⇔ナム[列・並・嘗]
newo- (new新しい) new, neo-ギリシア語系の造語要素。Newの意, neonネオン, nova新星, novel¹小説, novel²新しい種類の, novelty目新しさ-, innovate刷新する, renovate修理する. ⇔ニヒ[]
nobh- (navelへそ) nave(車輪の)こしき², navel.*ヘソの姿はナベ[鍋]型=「ナ[菜]のヘ[ ]」=「ナフ[綯・納]・ニフ[入]する器」。⇔ナベ[鍋]。
nogh- (naiくぎ、つめ, clawかぎつめ) nail.*ノク[]・ヌク[]・ツラヌク[貫・串]姿。⇔ノク[]・ヌク[]・ヌグ[脱]。
nogw- (nakedはだかの) naked, nudeはだか(の), denudeはだかにする, gymnast体育家.*ノク・ヌク・ヌグ姿。⇔ヌク[]・ヌグ[]
nomen- (nameなまえ) nominal名だけの, nominate指名する, noun名詞, pronoun代名詞,*名をつけ、読みあげる・アラワス・ナノラセル・ウミダス姿。⇔ナム[列・並]
nu- (nowいま) now.*イム[忌・斎]行為真っ最中のイマ[今]。⇔ヌ[寝](男女共寝)。

まとめ
 ここまで、日漢英3言語のm-音について「音形とその基本義との対応関係」を追究してきました。その中で、予想外の実態に気づかされたこともありますが、全体まとめての結論は、きわめて短純なものとなりました。
 日本語ナニヌネノをはじめ、n-音はヒトの発声器官を通して発声される。そのとき、発声器官特定の感覚生まれる。その感覚が、その語音の基本義となる。ヒトの言語は。民族や国家のワクをこえて共通点がおおく、万国共通の音素モジ(ローマ字)で表記することができます。この段階で、日本語の語音構造や音韻組織の実態を記録し、外国語(中国語・英語など)と比較する道がひらけます。
 英語などヨーロッパの言語については、単語家族の研究など音韻面からの研究がすすみ、ヨーロッパ全域にわたる「語根とその派生語」の一覧表がつくられ、各民族言語の位置関係語彙交流の足あとをたどることができるようになりました。そしていまから約200まえ、おなじ研究法がインドの言語サンスクリットに適用され、「インド・ヨーロッパ語の語根とその派生語」(一覧表)が作成されました。さらに1993年には、『アメリカの遺産・英語辞典』(略称、A..D.3)が刊行され、巻末フロクとして「一覧表」(A444㌻)が掲載されました。
 複数の言語を比較するには、語法・文法の面から追究する方法などもあります。しかし日本語を習得しただけの日本人が日本語中心で書かれた「英文法解説書」を読むだけでは、英語を自由自在にハナス・キク能力が身につく道理がありません。 まずやるべきことはナニか?カタコトでよいから、ナマの英語、たとえばnonot, neverなどの語音を自分の耳で聞き、自分の口で発声してみることです。そして、あとは日本語の音韻感覚を応用してムリヤリn-音の基本義を(仮説として)設定してみることです。英語では、thing: nothing//ever: neverなど、n-音がかぶさることによって「否定」(存在しない)を意味することがわかってきます。日本語でも、同様な現象が見られます。「海ユカバ、(水漬く屍)」は肯定表現ですが、「(それでも)ユカバナラ」のばあいは、ネ音やヌ音が否定の意味をあらわしています。ただし、この「ナラヌ」も、語尾のヌをはずせば「ナル[成・為]」であり、やがて「ナル[生・鳴]につながる肯定感覚の語音です。
 総まとめとして、日漢英3言語にわたって、基本義を共有するn-音語がかなり多数分布していることが見えてきました。