2018年11月30日金曜日

ワヤワヤの毎日ですが…



音の会 11/7


沢新の柿 11/14 


たこ焼き器でカステラ作り 11/19  


富山社会人大楽 11/20 




音の会

 11月7日(水)。午後、9fで「音の会」が開かれ、参加しました。この日の曲目は「もみじ」、「まっかな秋」、「リンゴの樹の下で」、「リンゴの唄」、「与作」、「人生いろいろ」など、むかし聞きなれたなつかしい歌ばかり。大判の手書き歌詞カードが掲示されるので、歌詞をわすれていても、安心して歌うことができます。歌の上手下手は関係なし。ほんのひととき現実世界をはなれ、歌の世界でたのしむことができればよいのです。

ホームの入居者の中には、自分の部屋から9fの会場まで足を運ぶだけでも、よい運動になるという方もおられます。毎日自分の部屋にとじこもっているだけで、会話する相手がいないという場合もあります。そういったホームの実態から見て、「機能訓練」はぜひ必要なのですが、「訓練」というコトバがいかにも「上から目線」でイヤだという人もいます。その点からいえば、「リクレーション」、「歌」などのほうが「自主的な行動」であり、やがて「気分転換」、「呼吸や姿勢の調整」など、「身体機能の調整」につながる効果が期待できるかと思います。



沢新の柿

11月14日(水)。立山町沢新のMsさん親子が来訪。新米と柿をいただきました。Ms家はわたしの母親の実家で、わたしが東京外語に在学当時、冬休みや春休みなどに、祖父をたずねて、さんざんお世話になった思い出があります。お米はMioriさんのところで食べていただくことにしました。柿は数日後、トロトロの状態になってから、じっくり賞味させていただきました。ごちそうさま。



耳鼻科で検診

1114日(水)。午後、一番町の加納耳鼻咽喉科で検診を受けました。最近耳の聞こえが悪くなったような感じで、「補聴器が必要かな」、「補聴器を購入しても、よほど運がよくないと、うまく聞こえないらしい」など、いろいろ考えていました。Mioriさんにも相談したところ、さっそく「ホームから近くて、評判のよい」耳鼻科医院をさがしあて、つれていってくれたというわけです。

 ほんとに感じのよい先生でした。ひととおり問診をすませたあと、左右の耳アカを採取。左右とも、ビックリするほど大量のアカがとれました。とりわけ左耳からとれた一粒は、ゴマ粒の数十倍、アズキにちかい大粒のものでした。「これだけの耳アカがたまっていれば、まともに聞こえるはずがない」とナットク。

 そのあと、機械装置を使って、精密な聴力検査。そして検診後の結論は、「右耳の聴力はやや劣るが、左耳の聴力はほぼ正常。補聴器は必要ないでしょう」とのことでした。

 ここまで、いろいろありましたが、これでひとまずスッキリした感じです。ありがとうございました。



たこ焼き器でカステラ作り 

1119日(木)。午後、9fの集会室にたこ焼き器をはじめ、原材料など一式がそろえられ、「ベビーカステラ作り」の作業がはじまりました。出席したみなさんが、かわるがわる挑戦。わたしもやらせていただきましたが、「案外うまくいった」と思ったら、「ウッカリしてる間にこげついた」、「やっぱり、ちょっとしたコツが必要なんだ」など、いろいろ勉強になりました。山王さんのおまつりの屋台に飛び入り参加させてもらったみたい感じで、最高にたのしいひとときでした。



富山社会人大楽  

 1120日(火)。午後、9fで開催された「富山社会人ダイガク[大楽]」に出席。前回までは大楽塾代表の柳原正年さんが出演しておられましたが、今回から女性の方に交替されました。

「笑顔がいっぱい」の歌ではじまり、「リンゴの唄」、「いい湯だな」、「四季の歌」、「よしみの招き猫音頭」、「星よりひそかに」などをいっしょに歌いました。

着用しておられたTシャツの胸に、「笑顔で歌い踊る」絵にそえて、「笑いの天使」と印刷されているのが印象的でした。



「ワ・ワタ・ワタル・waterの系譜」について

前回のブログでもこのテーマをとりあげましたが、ここであらためて「ワ行音の系譜」にかんする調査・報告・提案などの経過について整理・確認させていただきたいと思います。



   「三輪山伝説」のナゾ…

 わたしが「ヤ行音の系譜」とならぶものとして「ワ行音の系譜」の存在に気づきはじめた原典が、『古事記』(崇神)の「三輪山伝説」という記事でした。ただし、原文には「三輪山伝説」という文句が見当たりません。後日研究者たちが、読者へのサービスとして、ミダシをつけくわえたものと考えられます

さて、この伝説記事から、どのような「歴史の真実」を類推することができるでしょうか?

それには、『古事記』以外の歴史学・考古学関係資料などを総合して、年代別の「歴史事実の項目」を整備するとともに、(三輪山)伝説についても、「伝説に登場する人物が生活していた年代」と「『古事記』に記録した年代」、「『三輪山伝説』とミダシをつけた年代」などを区分したうえで、双方の対応関係を考えてみることが必要かと思います。

いずれにしても、歴史上特定の時代、特定の地域で、特定の人々が生活し、特定の技術革新がすすみ、人々の生活が特定の水準まで豊かになったという事実経過が考えられます。そのヨロコビ・ホコラシサなどの感動がつぎの年代まで引きつがれ、やがて「伝説」となり、歴史文書(『古事記』)に記録され、さらに「〇〇伝説」というミダシまでつけられたというわけです。

この項目について、くわしくはブログ2018-5-18号「三輪山伝説のナゾをとく」をご参照

ください。



   ワ・ワク・ワナ・ワラのナゾ

 日本語のワ行音としては、ワのほかにヰ・エ・ヲがあり、それぞれヰ[井・猪]・ヱ[絵・画・餌]・ヱフ[酔]・ヲ[雄・男・夫・峯・麻・小]・ヲス[食]・ヲツ[変弱]・ヲフ[終]・ヲリ[居]・ヲル[折]などのグループがあります。ただし、ヱ[絵・画]については、「もともと漢字音であり、ヤマトコトバとは認められない」との説もあり、これらの語音についての議論は、別の機会にゆずります。

 ワ音ではじまるコトバだけ見ても、wan-, war-, wat-など、さまざまなワ音語が生まれています。上代語の2音節動詞としてワク[沸・涌](内から外へワキデル・ワカレル)ワク[別](ワケル)ワク[別・分](ワケル)ワブ[](コマル。ガッカリする)ワル[破・割](割る。割れる)などが成立しています。また、そのまわりにワカ[若・稚]・ワキ[腋・傍]・ワケ[]・ワナ[]・ワラ[]・ワレ[吾・我]・ワタ[綿・腸・海]などが成立しています。

 これらの語の音形とその基本義との対応関係については、「ワ音を発声したときの口形ワ[輪](やがてワク[]・ワナ・ワラ)の姿」ということで、説明できそうです。たとえば、ワクはもと「ワ[輪]+ク[来]」の構造で、「地下・地上で圧力(火力など)を受けた水がワ[輪](アワ粒)となってワキデル姿。ワナはもと「ワ[輪]+ナ(ナリ[成]物)」の構造で、「輪の姿をした捕獲装置」。ワラ動詞ワル[割]の未然形兼名詞形で、イネ・ムギなどのクキ[茎]のキリクチ[切口]がワレ[割]て、ワ[輪]の姿になっているなど。



   ワタ・ワタル・ワタスのナゾ

Wak-, wan-, war-タイプの語音については、ひとまずスッキリと説明ができたのですが、wat-タイプの語音となると、おなじ要領では説明できません。上代語でも現代語でも、wat-2音節動詞が成立していないこともあり、wat-音がもつ基本義をたしかめるのに、テマ・ヒマがかかりました。

動詞以外でも、wat-2音節語はすくないのですが、上代語の段階で、名詞ワタだけはまったく同音の3語「綿・腸・海」が成立しています。そして、wat-音の動詞として、3音節語ワタル[渡]・ワタス[渡]が成立しています。       

 まずは名詞のワタですが、マワタの綿とハラワタの腸とワタツミの海(水)とでは、一見なんの関係もない別物です。それでも、なんとかして共通基本義をさぐらなければなりません。ようやくひねくりだした結論は、「それ自身特定の形を持たないが、どんな形の容器でも、その形にあわせて住みこむ」、「とりわけ水は、固体・液体・気体と自在に変身をくりかえし、宇宙をくまなくカケメグル。人間をはじめ、地球上のあらゆるイキモノのイノチを支配している存在」ということになりました。

 ここまで来て、ようやくワタ音の基本義がすこしだけ見えてきた感じになりました。そこで、つぎの課題は名詞ワタと動詞ワタル・ワタスとの単語家族関係をどう説明できるかという問題です。

まずは、ワタルの語音構造について考えることにします。ワタルは3音節で構成されているので、意味構造についても3種類のコースが考えられます。

ⓐ「ワ(輪)+タ(手)+ル(接尾語)」⇒「輪タイプ」の「テ(手・手段)」に「ナル[成]」。

ⓑ「ワタ[綿・腸・海水]+ル(接尾語)[イイ1] ⇒「輪タイプのテ(手・手段)」に「ナル[成]」。

©「ワ[輪]+タル[垂・足]」⇒「ワ[輪]」が(を)「タル[垂・足]・タリル・タレル・タラス」。

 もちろん、どのコースをえらぶかによって、ワタルの意味内容に微妙なチガイが見られます。しかし、ワタルについては、どのコースをえらんでも、結局はほぼおなじ意味内容となっています。自動的とか他動的とかのチガイはあっても、絵にかいてみれば、おなじ構図の1枚でタリルというわけです。

 これが、おなじ3音節語でも、クサカなどではそう簡単なわけにはゆきません。音形はおなじクサカですが、クサカ[日下]は「ヒ[日]のモト[下・本]」、やがて「日本」(国号)に通じる語音。クサカ[草香]はやがてクサカ[草処(墓場)]に通じる語音。この種の同音意義のコトバがおおくなると、コトバの通信回路に脱線・転覆などの事故をもたらすおそれがあります。

 

   ワタ・ワタル・WATERのナゾ

ワタ・ワタルなどの基本義をもとめてモタモタしているうちに、ひとつだけ「これは?」という考えさせられる発見がありましたそれは、「ワタツミのワタは、英語waterと同源・同系ではないか」という問題です。

 くわしいことは、このあと「ワ行拗音をもつ英語」の項でご紹介しますが、英語の辞典には「waterは「インド・ヨーロッパ語根wed-(基本義water, wet湿気)からの派生語で、wash洗う, winter, whiskeyウイスキーなどと同系」と解説されています。ここで、語根wed-の基本義を「water, wet」と解説していますが、さらにつっこんで「ワッとツキデル・フキデル・ワキデル姿」と考えてもよいとおもいます。

 日本語のワタ音グループと英語wed-音グループとの対応関係(とりわけワタルとwaterの関係)を観察しているうちに、「これはひょっとすると、世界史のある年代に、インド・ヨーロッパ語とヤマトコトバが接触したことの証拠かもしれない」と考えるようになりました。まだほんの思いつきていどですが、双方言語の用例を年代別に区分できれば、歴史学・考古学の資料と照らしあわせて、「言語交流・接触の有無」についての判断資料が得られないかと期待しています。



   ワ行拗音をもつ漢語

 漢語の中のワ行拗音としては、wa-, we-, wo-などがあげられますが、今回はさしあたり上古音の段階でwa-音をもっていたとされる語だけにかぎって採集しました。以下、その主なものをご紹介します。漢字・原典記載㌻・上古音・現代音・解説の順に表記。全体として『学研・漢和大字典』の解説にしたがっていますが、各項*印以下はイズミの私見。なお、漢字の上古音~現代音にかんする解説はこの辞典だけらしいので、参考までに記載㌻を付記することにしました。



DHIUAR

272 dhiuarchui 垂れる。稲・麦などの穂が垂れる   
 姿。ワ[輪]の姿になる。

898 dhiuarshui 眠る。眠り。*上マブタが垂れる。

1423 dhiuarchui ほとり。酒井。大地のはて。辺境の
 地。

237 tuartuo ツバ。ツバをはく。*ヨダレが垂れる
 姿。

1383 diuar> dui ハカリのオモシ[重石]。*タレル
 [垂・足]、タラス[垂・足]姿。

842 dhiuarrui ①しるし。形のよい玉。②めでたい兆
 候。



DUAN

694 duan> duan ①きざはし。階段。②等級。段階。③テダテ。手段。*トントンと上から下へおりる姿。

260 duan> tuan ①まるい。まどか。②円形のかたまり。

57 duan> chuan ①伝わる、伝える。②つたえ。③つたえられた古い書物。伝記・駅伝。

579 duan>duan ①たつ。上から下へ、ずばりとたちきる。②たえる。③さだめる。⇒断乎・決断。



HIUAG

35 hiuag>yu ①ああ。わあ、ああという嘆息の声。②ここに。③~において。

209 hiuag>yu ああ。ワっという嘆息の声。擬声語。

1089 hiuag> yu いも。*丸く、大きい姿。

348 hiuag> yu ①いえ。大きい屋根のような大空におおわれた世界。宇宙。

1444 hiuag> yu ①あめ。②あめふる。③うるおす。

1032 hiuag> yu ①鳥のはね。②矢につけたはね。*2枚のハネが鳥の体をおおう姿。



HIUANG

832 hiuang> wang ①きみ。②皇帝の親族。③尊称。*「大+一印[]+一印[]」の会意文字。オウ[旺・汪]などと同系。

592 hiuang> wang さかん。*四方に光を放つさま。

711 uangwang ①水がひろがるさま。また、ゆたかなさま。②u型にくぼんだ大きな池。

441 hiuang>wang ①いく。ゆく。②過ぎ去る。死去する。③過ぎ去ったこと。

103  hiuang> xiong あに。*頭の大きい子を描いた象形文字。

706 hiuang> yong ①ながい。ながくする。②とこしえに。*水流が曲がりながら長く伸びるさま。

1209 hiuang> yong ①歌う。歌。②詩歌をつくる。



HUAN

645 huan> huan ①漢代、宿場のしるしとして周りにたてた木。②棺を墓穴におろすために四すみに立てる柱。*ぐるりをトリマク、かこむ姿。

1339 huan> huan ①かえる。②ふりかえる。③かえす。④めぐる。めぐらす。

845 huan> huan ①たまき。ワ。②めぐる。まわる。④もどる。

356 huan> huan ①つかさ。②つかえる。③去勢された男で、宮中の奥御殿につかえた者。

1010 huan> huan  ゆるい。②ゆるめる。

316 huan> huan ①あきらか。②かえる。*腹の中から胎児をとり出すさま。

541 huan> huan かえる。かわる。⇒換骨脱胎。

473 huan> huan ①うれえる。②わずらう。③うれい。わずらい。

240 huan> huan ①よぶ。ワイワイ喚く。②よぶ。人に声をかける。



HUANG

1549 huang> huang ①きいろ。②きばむ。*もと、火矢の光が広がる姿。

599 huang> huang ①ひかる。あきらか。②ひかり。

881 huang> huang ①きみ。偉大な王。②かみ。上帝。③おおきい。

967 huang> huang ①たかむら。大きく広がった竹やぶ。

667 huangheng ①よこ。わきにはみ出た線。②東西または左右の線。③横たえる。④ワクをはみ出る。

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                        

HUAR

168 huar> hua ①かわる。②天地自然の変化。③接する人の心や生活ぶりを変える。④ばける。

1252 huar> huo ①さまざまのものにかえることのできる金銭。②財貨。③荷物。④まいないする。

1278 hua> huo ①くびす。くるぶし。②はだし。*まるい形。

929 huar>gt;he ①あわ。②いね。③科本科植物、または穀物の総称。
227 huar> he ①やわらぎ。②いっしょに解けあったさ。③やわらぐ。なごむ。④なごやか。⑤声や調子をあわせる。⑥プラスする。

926 huar> huo ①わざわい。②わざわいする。*落とし穴(ワナ)にはまる姿。



KIUAN

402 kiuan> juan ①まく。②まき。③単位(書画の数)。

143  k’iuan> quan ①手形。②印紙やきっぷ。*ひもで巻いて保存する手形。
534 kiuan> juan ①まく。②背をまるく曲げ、苦労して行う。
1002 kiuan> juan きぬ。ケン[繭・巻]などと同系。*カイコのマユの姿。

穿946 k’iuan> chuan ①うがつ。穴をあけて、糸を通す。②通り抜ける。③衣を着る。

164 k’iuan> quan ①進める。口をそろえ、または、くり返してすすめる。②進める。仕事やよい案に従うように力づける。



KUAG

1060 kuagku ①また。②またぐ。*両足を大の字にひらく姿。

1276 k’uagkua ①またぐ。わたる。②またがる。③また。

1179 k’uagku ズボンのように、マタが分かれた衣服。

1215 kuagkua ほこる。ほこり。おおげさにいう。

846 kuaggua うり。まるくて、割れば中がくぼんでいるうり。



KUAN

124 kuan> guan ①かんむり。②冠をかぶる。*ワ[輪](中空の姿。

351 kuan> guan ①つかさ。②おおやけ。③役人になる。④人体いろいろな役目をする部分。政府の官職。

1492 kuan> guan ①やかた。②やど。③公用に使う大きな建物。
653 kuan> guan ひつぎ。

964 kuan> guan ①管楽器。穴があいている笛。②くだ。③つかさどる。④ワクをはめてまとめる。

1111 kuan> jian 草の名。かやの一種。

782 kuan> guan 水をそそぐ。*水がまるくウズ(ちいさなワ[輪])をなして流れこむ姿。

365 kuan> kuan ①ひろい。②ゆるやか。③くつろぐ。④ゆるす。

888 kuan> guan ①てあらう。②たらい。*まるくくぼむ、ワ・ワナの姿。

925 kuan> guan 酒をそそぎ、神の降臨を祈る儀式.古訓ハタカ。

697 kuan> guan つらぬく。まるい子安貝を、横線一印で貫いたさまを示す会意文字。

1253 kuan> guan ①つらぬく。②趣旨や意味が、一すじにとおる。③なれる。

489 kuan> guan なれる。*ワ[輪」の中をツラヌク姿。

1405 kuan>guan ①かんぬき。②とざす。③せき。④物と物とのつなぎ目のカラクリ。⑤かかわる。        

23 kuan> guan ①つらぬく。②うがつ。*貫・慣と同系。 



KUAR

1158 kuarwo かたつむり。*まるいウズマキの姿。

632 kuarguo ①くだもの。②結果・因果の果。③はたす。*木の上にまるい実がなったさま。

1111 kuarguo くだもの。

1183 kuarguo ①つつむ。②つつみ。

948 kuarke ①す。②あなぐら。*まるいネグラ。

1224 kuarke ①こころみる。②官吏登用試験。③学業・仕事・税の義務としての割り当て。

1475 kuarke ①つぶ。まるい頭。③土のかたまり。

1325 kuarguo ①すぎる。②度をすぎる。②すごす。④あやまつ。あやまち。

500 kuarge ほこ。敵をひっかけて、カギ型にエグル武器。



KUAT

525 kuatkuo くくる。結んでたばねる。

142 kuatgua ①けずる。えぐる。②えぐり取るように、財物をとりたてる。

1409 kuatkuo ①ひろい。②はるか。③ゆるい。ゆるくする。*ヒッカカルものをケズリながら、水が勢いよく流れる姿。

513 kuatjue ①えぐる。②ゆがけ。矢を射るとき、指先にはめるカギ型の道具。

711 kuatjue ①川の水が堤をコ型にえぐって切る、さける、切れる。②きめる。きまる。③きっぱりと覚悟をきめる。


678 k’iuat> que ①かく。かける。えぐりとる。②かける。たりない。③かけめ。

835 kuatjue おびだまの一つ。コ型のワ[輪]の姿。

1208 kuatjue ①わかれる。②きっぱりと、ひと言でいいきった秘伝。

1045 kuatkuo、 ①口でガヤガヤ・ワイワイとさわぐ。②かまびすしい。やかましい。



   ワ行拗音をもつ英語

『アメリカの遺産・英語辞典』フロク、「インド・ヨーロッパ語の語根と派生語」の中から、ワ行拗音関連項目を一部紹介します。語根・基本義・派生語の順に表記します。日本語訳および各項*印以下は引用者。

we- (we) we我々。⇔ワ[吾]。

webh- (to weave) weave織る.編む, web織物・編物, waferウエハース, waffleワッフル, wave, wobbleよろめく。*ワ[輪]の姿になること。織物・編物はワ[輪]の集合体。 

 ⇔ワブ[侘](ガッカリ・ガックリ、うなだれて、ワ[輪]の姿勢になる)。

wed-¹ (water, wet湿気) water, wet, wash洗う, winter, whiskeyウイスキー, vodkaウオッカ。*waterは「wa + ter」の語音構造で、「ワ型のテ[手](ツク・デル・トルもの)」の意。固体・液体・気体と変身し、宇宙のスミズミまでシミワタル存在。また、すべての生物の根源でもある。⇔ワタ・ワタル・ワタス。

wed-² (to speak話す) comedy喜劇, melody旋律, parodyもじり詩文, rhapsody狂想曲, tragedy悲劇。*コトバのワ[輪]がワッとデル、ワキデル姿。

weg- (to be strongつよい, be lively生き生きしている) wake¹起きる, waken起こす, watch見守る, wait待つ, vegetable野菜, vigor活力, vigil徹夜。*ワキのものをカキワケ、ワキデル・ワカレル姿。⇔ワク[湧・沸・枠]・ワカ[]・ワキ[脇・湧]・ワケ[分・別]

wegh- (to go行く, translate運ぶ in a vehicleクルマ) weigh¹重さを計る, weight重さ, way, always常に, awayあちらへ, wagon四輪車, vogue流行品, vehicle, via~経由で, voyage航海, convey運ぶ。*シナモノの重さを計り、重量別にシワケル。そのワク[枠]にあわせて、ハコ・クルマ(ハコモノ)・ミチを整備し、効率的にハコブというシステムづくりの中で生まれたコトバ。

wei- (to turn回す, twistよじる) wire針金, ferrule石突, vise万力。*マガル・マゲル姿。

weid- (to see見る) guide案内する, wise賢い, wisdom知恵, idolアイドル, wit機知, view視覚, visa査証, vision見えること, interviewインタビュー, provide提供する、review見直し, idea考え, history歴史, story物語, penguinペンギン。*カキワケ見る姿。

weik-¹ (clan氏族) village, ecology生態学, economy経済。*ワク・ワカレル・ワケル姿。

weik-² (to bend曲げる, wind曲がる) wicker枝編み用の小枝, weak弱い, week週。*前項と同源。

eik-³ (to fight戦う, conquer征服する) victor征服者, evict
 い払う。*オシワケル姿。

eip- (to turn回す) wipeこする。ふく, whipムチ, vibrateふるえる。*ワの姿になる。ワナワナ・ワナナク、フルエル、ビビル姿か。⇔ワブ[侘]。

wekw- (to speak話す) vocal声の, voice, vowel母音, vocation職業。*ワキデル姿。

wel-¹ (to wish望む, will~しよう) well²都合よく, wealth財産, will¹意志, will²~そいよう。*ワキデル姿。

wel-² (to turn曲がる) roll転がる, waltzワルツ, willowやなぎ, walk歩く, well¹井戸, wallow転げまわる, revolve回転する, valley谷間。*ワ・ワル・ワレル姿。また、ワがコロガル姿。Walk, waltzは、輪型のワク(枠・コンパス)で、地面をワル・ワケル(=アルク)姿。⇔アルク[歩]。

wer-² (to turn曲がる, bend曲げる) inward内側へ, worth価値がある, version翻訳, convert変える, worry心配する,wringひねる, wrong正しくない, wrestleねじ倒す, wrapくるむ, rhapsody狂想曲, worm虫。*ワ・ワル[割・悪]・ワレモノ・ワルモノの姿。⇔ワル[割・悪]・ワラ[藁]。

wer-³ (to perceive気づく, watch見つめる), wary注意深い, aware気づいて, steward給仕長, rewardほうび, guard見張る, panoramaパノラマ。*ワル・ワレル・ワケル・ワカル姿。

wer-⁴ (to coverかぶせる) weir, cover, garage車庫。*カブル・カブセル・カバウ姿。⇔カワ(カハ)[河・川・皮・側]。

wer-(to speak話す) word, verb動詞, verve, adverb副詞, proverb。*ワル・ワレル・ワレモノの姿。

werg- (to doする) work働く, allergyアレルギー, energyエネルギー, organ機関。*ワル[]・ヱル[]・ヲル[]・オル[織]などの作業を表す語音か。やがて成果をエル[得]ことができる。

werse- (to confuse) war戦争, guerrillaゲリラ, worseより悪い, worst最悪の。*ワル・ワレル・ワルモノ・ワレモノの姿。



なお、このブログでも数回にわたって「ワ音の系譜」を取りあげていますので、お手数ながらご参照いただければありがたいと思います。


「ヤ[矢]の系譜とワ[輪]の系譜」2018-5-31

「ワ・ワタ・ワタル・WATERの系譜」2018-7-15

「古事記を読む会」2018--14号                                                        

「エビスはヤマトコトバか」2018-10-6号



<追記>

「ワ行音の系譜」の項」など、12月1日、とりいそぎ補正・更新させていただきました。まだまだ不十分のままですが、どうか、おゆるしください。



2018年11月11日日曜日

「お笑い塾」から「ワ行音の系譜」まで 



諏訪神社の鯉 10/22


社会人大楽塾 10/25


「慶寿会」(余興) 10/26


日本海文化悠学会 10/26


「富山マラソン」完走メダル


ハロウィンの昼食 10/31 


富山城址  11/2


『古事記』を読む会 11/4


諏訪神社の鯉
1022()郵便局まで出かけたついでに、諏訪神社の境内をのぞいてみました。ガマの穂を鑑賞するにはまだすこし早いようでしたが、泉水のほとりで水面をながめていると、錦鯉の群れがこちらのほうへ寄ってきました。ひょっとして、どなたかをあたえているひとがいるので、こんども餌を期待しての行動なのかもしれません。とたんに、先日のカモメと河童エビセンの光景を思いだしました。きょうは手ぶらできてしまって、ゴメンンナサイ。

社会人大楽塾
1025日()。午後9fで「社会人大楽塾」開講。塾長の柳原正年さん、きょうは女性の方とお二人で登場。まずは「ワハハ」、「ありがとう」の発声練習からはじまり、やがて「ありがとう、あなた」、「笑いの手もみセラピー」、「里の秋」、「赤とんぼ」、「招き猫音頭」まで。
長寿のひけつ」として、①笑顔、②歌う、③ありがとう、の3項目をかかげ、真正面からとりくみます。最初は作り笑いでも、じっさいに所作することによって、笑った時の記憶がよみがえり、「おもしろい」、「うれしい」気持ちになるというわけです。現実は老人ホームの7階や9階での生活で、めったに外出することもなく、「赤とんぼ」に出会うこともありません。きょうはこうして「歌を歌う」ことで、しばらく「里の秋」「赤とんぼ」の世界であそばせていただきました。
コトバはコト[事・言]のハ[葉・端]であり、カタリ[語]storyのワン・カットにすぎません。しかし、ウタ[歌]の文句となり、人の心をウツ[打]・ウツス[写・移]ことができるようです。

「慶寿会」に出席して       
1026日(金)午前、ホテルグランテラス富山県教職員厚生会主催の「慶寿会」に出席しました。ことし2月に満98歳となりましたので、白寿の祝いをしていただけるということです。配布された名簿には白寿9名、卒寿168名、米寿205名、傘寿158名、喜寿194名となっていましたが、当日の出席者をみると、たとえば白寿の部ではわたし一人だけでした。そのわたし自身、指定された座席に座っているだけで精いっぱい。よそのテーブルまで移動して、酒をついで回るほどの元気はありません。それでも、何人かの方とひさしぶりにお会いすることができました。
開会まえの余興として、ソプラノ(広瀬美和)・フルート(諸見里亜由美)・ピアノ(小川麻衣)による合奏が披露されました。わたしは、音楽にかんしてまったくの門外漢ですが、3人の若手女性音楽家の演奏を見たり聞いたりしたことで、どなたのアイサツ以上につよい感動をうけました。

日本海文化悠学会 
この日、午後2時半から、茶屋町豊栄稲荷神社で開かれた日本海文化悠学会10月例会に出席。Mtさんから「戦国時代越中の抗争と七尾城・長連龍」について、くわしい研究報告を聞かせていただきました。ただし、わたしの歴史学習不足のため、「やたら複雑で、無意味な抗争をつづけた時代」という印象をつよくしただけで、いまひとつ「歴史の真実」をつかみかねていました。
あとで仙石さんのブログ(「山川旅人日記18-10-28号)を拝読。さまざまな視点から見ること、また日本史全体の流れのなかの北陸版として考えることで、すこしだけ「実態」を捕らえかけた感じになりました。ありがとうございます

「富山マラソン」の完走メダル 
1030日(火)。午後2時から、女性スタッフの指導で機能訓練がありました。その訓練が終わったあとの余談として、28日に行われた富山マラソンにスタッフご自身が参加されたことを報告され、その完走メダルを見せていただきました(写真左2018年度、右2017年度)。参加定員12,000人、高岡市役所前から高岡大仏・海王丸パーク・新湊大橋・富山大橋・富岸運河環水公園をかけめぐる富山マラソンについては、新聞やテレビの報道で見たり聞いたりしてはいますが、老人ホームの住人としては、なんとなく別世界の話と感じていました。ところが、こうして「めぐみ」の女性スタッフが2年も連続出場し、完走メダルをもらっているという話を聞いたとたん、富山マラソンが身近なものに感じられてきました。

ハロウィンの昼食 
1031日(水)。きょうはハロウインの日だということで、お昼のご膳に「カボチャのクリーム煮」、「焼き栗コロッケ」、「ほうれん草のゴマ和え」、さらに「ハロウイン・デザート」まで並んでいました。ごちそうさま。
 日本人はもともとマツリが大好きで、ヤオヨロズ[八百万]の神をまつっていたといわれています。それだけでも大変なのに、そのあと仏教やキリスト教が伝来するとともに、つぎつぎあらたなマツリが追加されています。この現象をどう考えたらよいでしょうか?「特定の神や仏を祭らない」ということは、「独自の宇宙観・人生観を確立できていないから」と解釈し、「もっと学習すべき」と考える人もいるでしょう。あるいは「真実は一つにまちがいないが、上下左右、どんな視点から見るかによって、さまざまな映像やコトバが生まれる。どの映像・コトバだけが正しいとは言えない」と考える人がいるかもしれません。
参考までにネットで調べた解説の一部を紹介します。
ハロウィン…毎年1031日に行われる、古代ケルト人が起源と考えられている祭のこと。もともとは秋の収穫を祝い、悪霊などを追い出す宗教的な意味合いのある行事であったが、現代では特にアメリカ合衆国民間行事として定着し、祝祭本来の宗教的な意味合いはほとんどなくなっている。カボチャの中身をくりぬいて「ジャック・オー・ランタン」を作って飾ったり、子どもたちが魔女やお化けに仮装して近くの家々を訪れてお菓子をもらったりする風習などがある。
キリスト教の祭ではない。ハロウィンに対しては、本体キリスト教にとっては異教徒の祭りであったことから、キリスト教教会においては、容認から否定まで様々な見解がある。
ケルト人といわれれば、青銅器時代から鉄器時代初期にかけて、鉄製武器を身に着け、馬に引かれた戦車に乗って、中央アジアの草原からヨーロッパへ渡来した「騎馬民族」の姿が連想されます。いまのアメリカ人はあらかたキリスト教徒でしょうが、ハロウインはキリスト教に改宗以前、遠い祖先が行っていた祭りのなごり。日本でいえば、仏教伝来のまえ、列島各地でヤオヨロズの神が祭られていた、その一つということでしょうか。

富山城址まで散歩
112日(金)。午後2時から「機能訓練」の予定でしたが「中止」となり、そのかわり入居者数人のための「散歩」が実施されました。「めぐみ」を出て東へ、丸の内1丁目の交差点を渡ると、すぐ目のまえに「富山城址」が姿を見せてくれます。このあたりは、砂町の自宅への行き帰りなどで見なれているのですが、それはクルマの窓からながめて、通りすぎるだけ。自分の足で歩きまわり、お堀にうかぶカモの群れをながめたり、すきな場所から「富山城址」をスマホのカメラにおさめたりしたのは、これがはじめてです。
ふりかえってみると、5月中旬に散歩の途中熱中症でたおれたことがあり、その失敗にこりて, そのあと自分一人で散歩に出かけたことがありません。こんどはホームのスタッフが二人つきそっての散歩なので、安心して歩きまわることができました。

『古事記』を読む会
114日(日)。午前10時から茶屋町豊栄稲荷神社で『古事記』を読む会の研修会に出席。この日は、イズミが「ワ・ワタ・ワタル・waterの系譜(メモ)」と題して報告・提案させていただきました。
今回の報告は、昨年あたりまで追求してきた「ヤ行音の系譜」につづくものです。ヤ[矢・屋・家・谷]・ヤム[病・止]・イム[忌]・イル[射・入・容]・ユミ[弓]・ヨル[寄・依・因・夜]などのヤ行拗音語を採集・比較・分析したうえで、「ヤ行音の系譜」についていちおうの結論がえられたと考えています。その一部を『コトダマの世界Ⅱ』最終章に組みこんでおきました。
その「ヤ行音の系譜」をたどる作業が一段落したとたんに気がついたのが、「ワ行拗音ワ・ヰ・ヲの系譜」の問題です。ヤマトコトバの音韻組織を考えるための資料とされる「五十音図」には、カ行音・サ行音などとならんで、ヤ行音とワ行音というがワク[枠]が設定されています。縄文時代以来、日本人がヤ[矢]・ユミ[弓]などをたよりに生活して来たという歴史があり、またその技術用語などとして、「ヤ行音語の系譜」が形成されたという事実経過が確認されたからこそ、「五十音図」にヤ行音のワクが設定されたのだと考えられます。
もしそうだとすれば、ヤ行音だけでなく、ワ行音についても同様な歴史経過があったことが推定されます。さっそく、ヤ行音の系譜追求の経験を生かして、ワ行音語の採集・比較・分析の作業をすすめることにしました。
作業は、予期した以上順調にすすんでいます。まずはワ行拗音語の採集ですが、さしあたり上代語として用例のあるものに限定して取りあげます。単音節語として[輪・曲・勾・吾]・ヰ[井・堰・猪]・ヱ[画・絵]・ヲ[雄・男・夫・峯・尾・紐・緒・絃・麻・苧・小]などがあります。
ここで、ワ・ヰ・ヱ・ヲなどの音形がどうして[輪・井・絵・尾]などの意味(事物の姿)と結びつくのか、きちんとチェックしておくことが必要なのですが、いまはそれだけのヒマがありません。ただ、ワwa音についていえば、発声したときの口形がひとりでに[]の姿になっているので、だれでもwaを耳にしただけで[]の姿を連想することができます。また、[](代名詞。一人称)については、日本語だけでなく、現代漢語音で[wu][wo]、現代英語音でwe[wi:]( 代名詞。一人称、複数。われわれ)などの用例があることも参考にすべきでしょう。
 ワ行音の基本義をさぐるためには、ヰ・ヱ・ヲはいずれもwaの語尾母音の交替形だと割りきって考えるのも悪くないと思います。また、ワ行音の原点という意味で、単音節語ウ[鵜・居・座・得]なども、同類としていっしょに考えるほうがよいと思います。たとえば、上代語の動詞ヲス[食](四)は「食う。飲む。②着る。③治める」を意味する尊敬語ですが、それはもともと「食品(=ヱサ[餌])をエル[得](下二)」行為であり、その時の姿勢をウ[居・座](上二。居る。すわる)と呼んでいます。そして、水辺でじっとウズクマリ、ヱサをねらっている水鳥が[]と呼ばれています。
 ついでに、ヤ行音とワ行音が表わす基本義のちがいについて考えてみました。いずれも拗音ということで共通点もおおいのですが、どちらかといえば、ヤ行音は「点と線」ワ行音は「線と面」の姿といえそうです。いまどきヤ[矢]といえば、「ヤジリ[鏃]+ヤガラ[矢柄]」の構造をもつ「飛び道具」ということにきまっていますが、本来は「イム[忌・斎]・イユ[]・イル[射・入] ためのハモノ[刃物](黒曜石・十勝石など)の意味でした。それがやがて[]をつけて、「飛び道具」に変身、さらにユミ[]という発射装置をもつことで威力をますことになりましたが、全体としてやはり「点と線」のイメージがつきまとうようです。その点、ワ行音のワ[輪]・ワカ「若」・ワキ[脇]・ワク[枠・湧・分]・ワケ[]ワナ[]・ワタ[綿・腸・海水]・ワタル[]・ワタス[]などは、いずれも「曲がる。別れる」、「曲線」、「面」のイメージをもっているようです。
[画・絵]については、「もともと漢語音であり、ヤマトコトバとは認められない」とする説もあり、議論が複雑になります。かりに漢語音の借用だとすれば、漢語ではどうしてヱwe音がヱ[画・絵]を意味することになったのかという問題がのこります。ここで漢語のwa音語について議論しているヒマはないのですが、ひとことだけ解説しておきましょう。日本語ワに当てられた漢字リンliuenlunは、「車+音符liuenlun」の会意兼形声モジで、「幅のそろった車輪」の意味。リン[倫](そろった人間関係)・ロン[論](そろったコトバ)などと同系。上古音としてwe音を共有することから、wa音をもつワ・uarwo(あな。むろ)、グワguawa(かわら)などをふくめて、「語尾母音交替の関係」として考える方法もあると思います。漢語リン[輪]の用例をみても、「輪形・輪作・輪読・輪番・日輪・年輪」など、車輪にかぎらず、「円形をしたもの」、「順序よくめぐる」姿を表しています。
 4日に発表した内容について紹介する予定でしたが、話が脱線してしまい、申しわけありません。「ワ行音の系譜」については、ご報告したいことが山ほどありますので、次回もぅいちど取りあげさせていただきます。